最難関中学を目指す女子のお子様が合格後に目指すもの

スポンサーリンク
中学受験_保護者様向け

先日、教育関係者の方とお話をする機会があり、興味深い内容をお聞きました。その内容をご紹介します。

中学受験で最難関中学を目指す男子の進路は、我が家の子どもが男の子でもあることから想像しやすいのですが(理系に進んで、賢い子は国立大学の医学部を目指す子が多い)、「最難関中学を目指して合格した女子は、入学後どうするんですか?」という話になりました。

その方(ここでは以下、「先生」と呼びます)は「お母さん(私のことです)、何言ってるんですか。女の子が目指す方向も男の子と同じですよ」と言われて、当たり前のこととは言え、びっくりしました。

神戸女学院や西大和、洛南のような女子にとっての超最難関中学を合格された女子のお子様は、中学入学後も受験前と変わらず、非常に熱心に勉強をし続けるそうです。入学した全員がそうではないかもしれません。中にはついていけなくなるお子様もいらっしゃると思います。それは、男子中学でも同じことが起きています。学校の問題ではなく、個々の問題である場合が多いと思います。

「超最難関中学に合格した女子のお子様は、中学、高校とコツコツと勉強をし続けて、で、どうするんですか?」と私はまたズレた質問をしてしまいました。先生の答えは「その先も男子のお子様と同じですよ。上位層から医学部を目指します。医学部以外でも薬学部や歯学部など、理系を目指す女子のお子様は増えましたよ。」とのことでした。

帰宅後、女子の合格者比が分かるデータを探してみました。関西最高峰の京都大学のデータです。1つ目のグラフは、2010年から2018年までの京都大学の女子志願者数と合格者数の推移です。2010年と2018年を比べても、それほど大きな差はありませんが、2010年の時点ですでに女子の合格者が1学年で600名以上いることに驚きました。

女子志願者数と合格者数の推移(京大一般入試前期)

私が大学受験した頃は、この半分もいなかったのではないでしょうか。はっきりとは覚えていませんが、大学の入学式で女子全体の割合は1割程度だと聞いた記憶があります。私は文系出身なのでまだ女子の人数が多かったですが、理系のクラスだと1クラスに女子1~2名もありました。

次のグラフは、理系学部の学部別、女子志願者数の推移です。2010年を100とすると、健康学部だけ著しく減少していますが、それ以外は若干増えているようです。

理系学部 女子志願者数の推移(2010年=100、京大一般前期)

3つ目は、女子合格者割合の高い学科順に並べた表です。農学部の女子占有率61.3%はすごいですね。薬学部も43.6%、文系学科の3割以上が続き、法学部で24.2%、医学部で18.9%、経済学部文系で14.8%です。

ジャンルを問わず、どの学科にも一定層の女子が合格する傾向から、おそらく自分が学びたい学科を目指して勉強し、合格する女子が増えていることが推測できます。建築学科や地球工学学科は、「偏差値的に入れそうだから目指そう」という学科ではないでしょう。そこで学びたいことがあるから受験する女子がこれだけ存在することに、たくましさと力強さを感じます。

2018年度 京大一般入試前期 女子合格割合 高い順

ひと昔前だと、「超一流大学に入学すると、結婚相手を見つけるのに苦労する(プライドの高い男性が多いためですね)」と言われたこともありますが、今の感覚では、「だったら自分で稼ぎます」となるでしょうし、そういう考え方が普通になりました。

男性側も、専業主婦志願の女性よりも、共に稼いで共に家庭を維持する女性を支持する傾向がみられます。共に家事はしてくれないんですけどね。それは今後の課題です。

私が、冒頭の先生とお話をして衝撃だったのは、女子がバリバリ勉強して、自分の希望する進路に進み、卒業後に社会で活躍する世の中になったことです。女子だから文系でいいとか、女子だから適当に勉強すればいいじゃないという時代では、もうありません。

社会に出てから経験する理不尽さと比べると、自分の努力でいくらでも向上することができる学力一本勝負の受験は、実はとても公平で平等な制度です。昔、窮屈な思いや悔しい思いをされたことのある保護者様は、女のお子様だからこそ勉強の大切さを伝えていらっしゃるのではないでしょうか。

我が家の子どもは男の子ですが、中間考査が終わって一息ついた頃にでも、今日の記事の内容を話したいと思います。6年生の女子をお持ちの保護者様は、ぜひこの記事の内容をお子様にお話してあげてください。勉強だけがすべてではありませんが、勉強することで自分の道を切り開くことができます。中学受験はその第一歩です。

コメント

error:Content is protected !!