5~6年生☆算数の超難問対策に有効だと思ったこと。

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(中学受験)灘中対策

ぼんず君の本棚を整理しながら、中学受験最後の年に愛用した赤本に見入ってしまいました。受験勉強中はとてつもなく難しく思えた問題も、1年以上経って見返すと、当時よりも解きやすく感じられました。おそらく、「合格者平均点を取らなければ」というプレッシャーから解放されて、国語の問題であれば問題文を解くのではなく「読む」ことができるからだと思います。

しかしながら、算数に関しては、灘中と東大寺の2校の問題は、やはり難問揃いという印象に変わりはありません。特に、灘中の問題は、しばらく眺めても問題を解き始めるとっかかりが浮かばない問題がありました。灘中の国語問題は、私でも合格最低点を取ることができることに対して、算数の問題は解法が分からないものが何問もあるのはなぜでしょうか。

いちばんの理由は、受験終了から1年以上経ち、中学受験算数の問題の演習量がゼロになったことだと思います。ぼんず君の中学受験勉強中は、私はすべての塾テキスト、市販問題集、過去問をぼんず君以上に解いて、どの問題でも解説できるよう、毎日ぼんず君以上に入試問題を解いていました。ぼんず君が解けない問題があると、その問題はどの単元のどういう考え方を使うことで解法を導けるか、最低限のヒントを出すことができました。速度の問題であれば「影武者」「延長線」などのヒント1つで、どこから考え始めればいいか、解法への取り掛かりが見えてきます。

最難関中を目指すお子様に個別指導や家庭教師の先生を検討される場合、上記の私のヒントの出し方は、その先生の指導力を判断する材料になりますので、ぜひご活用ください。解けない問題の解法を全部説明されても、それは別冊解答が人間になっただけで、ほとんど意味はありません。お子様の知識で何が足りないから解法を導くスタートを切ることができないかを見極めるのが、個別指導の役割です。

算数の超難問であっても、問題を作成する手順を考えると、その解法の導き方は何となく見えてきます。1つの問題を作る際、出題者は、問題を解くお子様のとある知識を確認するために、その内容を問題の中に織り込んできます。簡単な例を挙げると、立体図形の辺を延長させて、相似形(三角形)を作り、辺の長さの比で、求める長さを出させるなどです。これだけでも、複数の考え方を活用しています。

単純な問題であれば、問題を解く際に使う考え方は1つで済みますが、問題が難しくなるほどに複数の考え方を使い、順に使いながら、解法を導く必要が出てきます。速度の問題で、①線分図かダイヤグラムのどちらを使うか判断し(ここではダイヤグラムとします)②補助線を引いて、③三角形を作り、④相似形を見つけて、⑤相似比から辺の長さを算出して、⑥距離や時間を算出するなどです。

もうひとつの難問は、ぱっと見では何を使って解法を導くのか全くイメージできない問題です。このどこから手を付けたらよいか分からない問題が出てきた時は、公開学力テストやオープンなどの冠模試の場合、「捨てる(飛ばす、後回しにする)」決断が必要です。1分考えても分からない時、試験時間内でそれ以上の時間を割くことは危険です。

確実に解ける問題から解き始めて、本番の入試でも7割取れれば、十分に合格できます。ただ、模試で「捨て問」として解かなかった問題も、帰宅後、解き方の導き方を確認する必要があります。

私は算数の問題を2つのタイプに分けました。1つは、複雑に解法が入り組んでおらず、ぱっと見たらだいたいの解法が浮かぶ問題です。例えると、塾の算数のテキストの問題です。浜学園であれば、演習教材のBとC問題です。

2つ目のタイプは、いくら問題を読んでも、どう解いたらいいかさっぱり解法が浮かばない問題です。分かりやすい例えでは、灘中の問題全般です。それでも大問の中で(1)→(2)と誘導形式になっており、(1)は(2)を解くためのヒント(考え方)になっている問題が多いのですが、いかんせん難しすぎます。

灘、甲陽、東大寺の3校が志望校の場合は、2つ目のタイプの問題を、時間内に解けるか解けないかを見極めて、解ける場合は問題を解くために必要な考え方を整理して、順番に使いながら、解法を導く練習が必要です。

タイプ2の問題が解けるようになるためには、タイプ1が完璧に対応できることが不可欠です。その上で、

  • 古ーい過去問から、本番と同じ時間で解いてみる。
  • 浜学園の場合、灘中オープンの過去問が販売されているので、その問題を本番と同じ時間で解いてみる。

が有効な勉強法だと思います。今から夏まで全力でタイプ2対策を継続し、6年生のお盆にある灘中オープンで全く点数が取れない場合は、タイプ2の問題を多く出題しない中学校へ志望変更を検討する必要があるかもしれません。

 

タイプ2の問題が解けるようになるには、演習量を数多くこなすことは言うまでもなく大切ですが、それ以上に、「算数のセンス」が問われます。特に図形問題が顕著です。図形問題の超難問がさっと解けるお子様は、「頭の中に解法の図形が浮かんでくる」らしいです。なぜ浮かんでくるか、そのお子様の算数のセンスもあるでしょうし、使うべき考え方が頭の中で樹木構造として保存されているのかもしれないですし、純粋に算数が好きなのかもしれません。

私の考えは、算数のセンスは生まれ持ったものかもしれませんが、複数の考え方を使って解く、複雑な問題であっても、ある程度は慣れや練習の効果が発揮できると思います。試験問題は人間が作成するもので、考え方の組み合わせにも一定のルールや流行があるため、そのルールを過去問解きなどで訓練(勉強)することで、全く解法がわからない問題の数は減らせると考えました。

6年生で算数の塾のテキストがある程度解けて、復習テストの成績も好調である場合は、タイプ2の問題対策として、ぜひ少しでも早く過去問解きや入手可能であれば古いオープンの問題などを、本番と同じ時間で解くことをおすすめします。

5/24前後から多くの中学校の最新版の赤本が発売されました。

2020年度 灘中算数理科の最難関七校の20年本は6月24日に発売予定で、予約受付中です)

2020年度 甲陽学院(20年本の算数理科

2020年度 東大寺学園(20年本の算数理科

2020年度 洛星(20年本の算数理科

2020年度 大阪星光(20年本の算数理科

2020年度 西大和学園(20年本の算数理科

2020年度 洛南(20年本の算数理科)

直近6年分は、10月以降の仕上げ時期まで解かずに温存される必要があります。今の時期は20年以上前の古い過去問や古いオープンの問題を解く、または受験の可能性がゼロに近い中学校の過去問解きからスタートするのがよいです。

2020年度版の赤本を購入されるのであれば、算数と理科の20年本は2019年度版よりも古い本を購入すれば、それだけ古い過去問を入手できます。低学年のお子様をお持ちで、20年本の扱いがある中学校(最難関七校)を少しでもご検討されている保護者様は、お子様の受験年度から数えて、数年前の20年本を先に購入されておくことをおすすめします。

2020年受験の場合、最新赤本に6年分:2019~2014年分、が掲載されている場合、20年本は2013年から掲載されている本があれば、算数と理科は26年分の過去問を入手できます。数え間違いにご注意ください!あと学校によっては最新4年分程度しか掲載されない赤本があります(複数日程、複数地域で受験が実施される学校)。掲載年度数は毎年大きな変化がないので、最新版で随時ご確認されると失敗はないと思います。

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