本日は、6年生保護者様からの質問の回答を記事にしました。時期的に、同様のことでお困りの6年生&保護者様がいらっしゃると思いますので、この質問を選びました。
気が付けばもう11月も終わりです。あと10日で12月です。志望校の過去問解きで忙しさはピークに達していると思います。
■塾に添削依頼すると返却までに時間がかかる
直前特訓が始まってからは過去問を解く時間はもう取れません。今のうちに、1年分でも1科目でも多く問題を解いていただきたいです。
はじめての過去問を解くことと同じくらいに大切なことは、解き終えた解答の確認、復習、解き直しです。塾によっては、志望校別特訓などでそれぞれの科目の先生が解き終えた過去問の添削を受け付けてくださるところもあります。
ただ、先生1人当たりが受け持つ生徒さんの人数はおそらく数百名です。生徒全員が真面目で、添削希望の過去問を提出した場合、今日提出しても、来週の同じ授業で返却される可能性は非常に低いです。長い時は返却までに1カ月ほどかかることもあります。
■添削してもらった答案をどう活用するか
11月初めに提出した解答がやっと返却された時、この添削いただいた答案をどう活用すればいいか、戸惑われる保護者様やお子様がいらっしゃると思います。
まず、お子様は数週間前に解いた問題やそこで書いた自分の答案内容を覚えていない可能性が高いです。先生が赤入れしてくれた答案をざっと見て、保護者様に「返ってきた」と渡して終わることが予想できます。
赤入り答案を手渡しされた保護者様は、せっかくの返却答案を過去問ファイルに保存して終わりにするのはあまりにももったいないです。
添削いただいた答案のチェック箇所と、答案活用方法の一例をご紹介していきます。
■添削済答案はまずここからチェックする
国語の答案で添削をお願いする問題は記述問題が中心になると思いますので、添削済記述答案のチェックすべき箇所を順にご説明します。
まず、全体における配点です。中学校によっては個々の問題の配点を非公表にしているところがあります。赤本の解答には各問題の配点が記載されていますが、これは赤本編集部が推測して付けたものです。本の配点と、添削された先生が付けた配点を比較します。
次に、お子様の答案に対して添削された先生が付けた点数を見ます。たとえば、満点10点の記述問題で、お子様の得点を確認します。合格レベルは満点の8割です。
それから、先生の添削内容を確認します。添削で書いていただけそうな内容は、
①:正解に導くための考え方。例:主人公の行動や表情に注目する、など。
②:記述解答を書く上での柱となるテーマ+必ず使用する必要があるキーワード(3つほど)
①を書くのは簡単です。②を書いてくださる添削者は、入試レベル問題の指導力をお持ちであることがすぐに分かります。返却答案で活用していただきたい書き込みは②の要素です。
■お子様が「柱+キーワード」をどれだけ書けているか
満点が10点の記述問題の場合、配点は以下のような割合が予想できます。
- (A)「柱となるテーマ」2点
- (B)必須キーワード3個×2=6点
- (C)全体的な構成とバランス2点
(A)(B)(C)すべての内容が網羅できた答案が10点であるとして、お子様の解答は、(A)から(C)のどの要素が書けていて、どの要素が足りなかったかを確認することが大切です。
記述問題を書く際、本文中から解答に使えそうな表現をいくつか抜き出し、それを接続詞などでつないだだけの解答を最難関中の国語の答案に書いても、もらえる得点はゼロ点です。
それであれば、本文中の表現は一切使用してはいけないのか、というわけではありません。
(B)のキーワードは本文中の表現と同じになることが多いです。(A)の柱となるテーマは必ずしも本文中の表現でない場合があります。
記述問題を解答する際には、(A)の柱となるテーマと(B)のキーワードをいち早く見つけて、問題用紙の裏などに列挙し、それらの要素を自分の言葉でつないでいく作業をしていきます。
私はこの記事で書いているような自分の言葉でぼんず君に文章の書き方を説明しましたが、もっと洗練した方法で解説されているのが「国語の神技」です。
1回目のお子様の答案で、必須キーワードが2つ足りなかった、柱となるテーマがずれていた、キーワード同士のつなぎ方に問題があった(本文を抜き出してつなぐのではなく、使いたい本文の表現を自分の言葉で言い換える必要があります)などの課題が分かったら、少し時間を置いて2回目を解いてみます。
解き終えたら、お子様の解答と添削してもらった先生の模範解答および鍵となる(A)(B)の要素を比較します。入試10日前くらいに3度目を解いてもよいです。この頃にはスラスラ記述問題が解けるはずなので、文章を組み立てる順序を確認する目的で、出来の悪かった記述問題を最後に使うとよいです。
■国語の個別指導を利用中の場合
過去問対策で国語の個別指導に通われている場合、上記のやり方を応用すれば、同じ時間内でより効率的な指導が受けられます。
我が家は6年生の7月から国語の個別指導を開始し、7月から国語の過去問解きを本格的に始めました。個別指導の内容は、「解き終えた過去問の解説」に限定して、指導前日までに
- 解き終えた過去問の問題
- 問題集附属の模範解答
- ぼんず君の解き終えた答案(私の一次採点付)
を個別塾に提供し、当日の指導開始までに先生が事前確認できるようお願いしました。そして、解答済の記述答案はすべて、(A)柱となるテーマ、(B)必須キーワードがわかるように書き込みをしてもらいました。問題の予想配点と、ぼんず君が書いた答案の採点もしてもらいました。
1回で2回分の過去問を指導してもらいました。毎週2回分以上の記述問題を分析していくと、そのうちに私でも柱となるテーマや必須キーワードを見つけられるようになりました。
保護者様が記述問題の柱となるテーマとキーワードが見つけられるようになると、個別だけではフォローしきれない過去問の添削が自宅で可能になります。
出来の悪かった問題は、少し時間を置いて2回目解きをし、それでも今ひとつの問題は、年明けの最終調整を兼ねて解かせました。
■まとめ
添削してもらった答案をどう活用したらよいか分からない、記述力アップのためにどこから手をつけたらいいかわからない、ブログ推薦図書の「国語の神技」の内容が難しくて分からない。という印象を持たれるのはよく分かります。
本日の記事内容も抽象的で、算数や社会の記事のようにずばっと書くことができません。記述力を付けることが難しい理由はここにあります。
そもそも、国語の学習に明確な公式や法則はありませんが、記述力に関しては「神技」の後半に非常に参考になる法則(鉄則)がまとめられています。
神技の鉄則と、採点基準や必須キーワードがわかる添削済の模範解答を有効に活用していただきながら、文章を組み立てる練習を入試直前までぜひ続けてください。
コメント
おはようございます。
毎朝必ず拝見しています。
昨日朝学で神技の後半を読ませました。早速、昨日のマスター復テで実践してみたと言っていました!返却が楽しみです。
ありがとうございます!
こんにちは。コメントありがとうございます。
神技の記述まとめ技術はどれも非常に役立つので、問題を解きながら身に付けてほしいですね。
答案が返却されたら、どの法則を活用しているかを確認されてみてください。
決〇〇〇言とセ〇〇〇〇が使えていれば、大合格です!