■監視のないお子様はさぼりがちな現実
12月も半分が終わりました。まもなく直前特訓が始まります。関西統一入試日が刻々と近づいています。理想的な受験生の姿は、誰の監視がなくても集中して、自主的に勉強を進められるお子様ですが、そういうお子様は少数派です。
小学校が半日で終わったり、お子様によっては自主的に小学校をお休みされている方もいらっしゃるかもしれません。様々な工夫で確保した自由時間は、過去問を解いたり、志望校別特訓教材の復習や模試の見直しに使ってほしいですが、すべての保護者様が終日お子様を見張り続けることができるわけではありません。
見張りのできないいちばん多い理由はお仕事をお持ちであることでしょうが、それ以外にも小さい兄弟の世話や、病気のご家族がいらっしゃるかもしれません。または保護様自身の体調が思わしくないこともあるでしょう。
■仕事から帰宅直後の親子喧嘩を避ける方法
仕事や予定を外で1日必死にこなして、帰宅をしたら、だらけた子どもが事前に指示した学習内容の半分どころかほとんど終わらせることなく、ぼやっと座っていたら、腹が立ちます。
そして、帰宅直後でゆっくりしたいのに、お子様と言い争いになり、保護者様は疲れが倍増するわ、お子様はふてくされて夜の貴重な時間も勉強をしないで1日が終わってしまうわ、で勉強どころではありません。
「今日も喧嘩をしてしまった」
「さぼってばかりでつい怒ってしまう」
「ダラダラ勉強しているだけで身になっていない」
「指示した勉強量の半分も終えていない」
のような、入試本番間近にもかかわらず、本気で勉強しないお子様がやる気になるかもしれない方法をご紹介します。
実行したその日から、生まれ変わったように勉強を始めるのは難しいと思いますが、だまされたと思って1週間続けてみてください。
■褒める、持ち上げる、を1週間続けてください
やり方は簡単です。
お子様を褒めるだけです。
「えー」という保護者様の心の声が聞こえてくるようですので、少しだけ背景と説明をします。
保護者様が「だらけている」とお子様に対して腹が立つのは非常に共感できます。ぼんず君も見張っていないとすぐにさぼっていました。必要以上にトイレに行ったり、入ったらなかなか出てこなかったり、長風呂で歌を歌ったり、そんな暇があるなら1問でも多く問題を解いてほしいとイライラしたものです。
6年生の晩秋の頃、ぼんず君から何げなく言われて、はっとしたことがありました。それは、
「お母さんは僕のことを怠け者と思っているけど、小学校のほかの子よりはずっと勉強してるよ」
「僕なりがんばっているんだ」
「でも、見ててもらわないとさぼってしまうんだけどね」
■怠けていても大半の小学生よりは頑張っています
塾に全く出席せずに、テキストを開くこともなく、一切の勉強を放棄している場合を除いて、塾に通う6年生のお子様は、大半の小学生と比べれば勉強時間は長いです。
さぼっている、なまけてるように見えても、彼らなりには一生懸命勉強したいと思っていますし、できれば成績も上がってほしい、希望する中学校に合格したいと願っています。
しかしながら、お子様以上に努力する子が多ければ、相対評価である偏差値や順位は上がりません。理想とする自分と現実の自分との差にイライラしたり、保護者様に悪態をついてしまうのかなと推測します。
そんな状態で、保護者様までがイライラしたら、もうお子様を勉強するスタートラインに立たせることはできなくなってしまいます。
■具体的な褒め方の事例です
保護者様が帰宅して、お子様が全然勉強してなかった場合、「1日、何してたのよ(心の中のセリフ「こら、何しとんねん」と代弁します)」と切り出す代わりに、少しでも勉強をしていたら、
「塾に通いながら、勉強がんばっているね。
今日はここまでできたんだね」
と声をかけてみてください。
そして、
「さあ、続きはどこまでできるかな?」
と自分で決めさせながらも、もうひと頑張りさせる方向にもっていきます。
勉強を始めようものなら、
「すごいねー。頑張るねー。応援するよ。
〇〇まで終わったら甘い物でも食べようか」
と前向きな声かけを続けてください。
1日の最後は、もちろん褒めの声かけで締めくくります。「今日はこんなに頑張ったよ!」と大した量でもないのに、偉そうに自慢するかもしれませんが、それを否定しないで
「この調子で明日もがんばろうね」
と褒めてみてください。
■1週間続けるとお子様に変化が見られます
ばかばかしいなぁ。と思われるかもしれませんが、毎朝、毎帰宅時、毎晩、寝る前も褒め続けてください。すごいねー、えらいねー、がんばってるねーとニコニコしながら声をかけ続けてください。
1週間、毎日続けてください。お子様に少し変化が出てくると思います。出てこなくても、我慢してもう少し続けてみてください。
勉強に対する熱意はそれほど変わらないかもしれませんが、少なくともけんか腰の姿勢や悪態はつかなくなると思います。
お子様は、世の中の大半の小学生よりもずっとがんばっています。成績は伴っていないかもしれませんが、応援してあげてください。ニコニコするのはゼロ円でできます。スマイルゼロ円です。
これでお子様のやる気が上がれば、個別塾や家庭教師のカモにならずにすみます。12月に困り果てて駆け込んでくる保護者様は、私でも言いくるめて鴨鍋にする自信があります。
褒めて、持ち上げて、勉強に誘導する。
統一入試が終わるまででいいのです。毎日、小芝居を打ち続けてみてください。1週間続けられた保護者様からのご感想をお待ちしています。
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