■中学古文の学習は単語と文法から
休校期間中の話です。ぼんず君から「初見の古文の問題をすらすら解けるようになるには何をすればいい?」と質問されました。
「勉強に決まってるやん」と答えると会話が終了してしまうので、ぼんず君が「すらすら解けない」と感じている状態を確認するために、手持ちの適当な古文の問題を解かせてみました。
古文や漢文の学習方法は、初めて学ぶ外国語=英語と同じやり方でよいと思っていました。しかし、それだとものすごく時間がかかることと、文法や多くの単語は現代の意味と同じであることから、もっと簡略して古文の勉強はできるだろうな、と思っていましたが、学習方法はぼんず君に任せていました。
解き終えた解答用紙を見て、「すらすら解けない」と感じる理由はすぐに分かりました。
- 現代文と意味の異なる古文特有の単語を完全に押さえられていない。
- 文法(特に助詞と助動詞)の理解が不十分
- 文脈を捉えきれていない(主語の省略が原因かな?)
古文は1.から3.を押さえればすぐにできるようになります。時間があり余る休校中でしたので、勉強の仕方を丁寧に説明することができました。
■段落ごとに内容を押さえるのは現代文と同じ
細かいポイントはいくつかありますが、問題文程度の長さの文章であれば、段落ごとに内容を把握しながら、設問にしやすい箇所の意味を特に注意して読めば大丈夫です。
合わせて、箇条書き1.から3.の学習対策を説明して、あとは「時間のある時に初見の問題を丁寧に解いてみよう。解説はするわ」で説明を終えました。
使用した古文の問題集は「高校入試特訓シリーズ古文完全攻略63」です。
私はこのシリーズが非常に気に入っており、何種類か手元にあります。
古文の学習方法を説明しながら、「このやり方は現代文と同じだ」とふと気が付きました。古文といえども同じ日本語ですから当然と言えば当然です。設問で問われる内容も、難解な用語の意味や指示語が示す内容、下線部の言い換え、本文の趣旨、物語文であれば登場人物の気持ちや行動の理由などで、現代文(説明文、物語文)と古文の設問は似通っています。
■中学受験国語の学習ポイント3つ
浜学園時代に国語の学習方法が分からず、親子で随分迷走したことを思い出しました。塾のテキストの問題を時間を計って解いて、復習テスト対策を続けても、それだけでは公開学力テストで高得点を取ったり、灘中合格特訓の資格順位を取れるようになるまでに時間がかかりました。
中学入試を終えてから2年以上経ち、休校中のような縛りのない勉強ができる期間に様々なことを試す中で、国語の学習ポイントを改めて整理できました。
- 説明文および物語文特有の難解な用語をテーマごとに押さえる。
- 段落ごとに文章の内容を手早く押さえる練習。
- 文章全体をまとめる練習。
書いてみると当たり前の内容ですね。国語の学習は範囲があるわけではなく、何から手をつけたらよいか分からないので、学習方法で悩まれているお子様や保護者様は多いと思います。
学習の基本は、塾のテキストをしっかりやりこんで、復習テストで高得点を取れるようにがんばることです。そして、毎月の公開学力テストでも高得点が取れるようになれば、次の段階は入試対策です。この段階で上記箇条書きの1.から3.を思い出していただきたいです。新6年生(5年生の2月)になるまでにこの段階に到達していると楽です。
語彙だけ、段落読みだけ、全体の要約だけとバラバラで練習するのではなく、1.から3.を並行して学習を続ければ、どこかの時点で突然ぽーんと成績が上がるような気がします。
1.の語彙本は「難語2000(紹介ブログ記事)」や「言葉力1200(ブログ紹介記事)」などをブログでご紹介したことがあります。両方とも短い例文が掲載されていますが、語彙を英単語のように覚えることはなかなか難しいです。
少し難しい本ですが、概念の部分を含めて語彙を解説する良本をご紹介します。
写真にある私の手持ちの本は古い版で、2018年度改訂版とデザインが異なります。
本書では、説明文と小説それぞれで用いられる重要用語が分けて掲載されています。説明文編は見開き1テーマで分類された語彙が解説、例文、小問のセットで掲載されています。外来語の分類では21語が載っています。ありきたりな用語ではなく、日本語の意味が分かりにくく、説明文のカギとなりそうな用語ばかりです。
小説編は、言動、態度、心情などで語彙が分類されています。説明文編の語彙は難しすぎますが、小説編の語彙は中学受験でも出てきそうなレベルの内容です。
中学生なら十分に理解できる内容です。国語好きな小学高学年でも大丈夫です。
■記述対策は「国語の神技」で!
2.の「段落ごとに文章の内容を手早く押さえる」は、指示語と接続語に注意して、キーワードを漏れなく選択できれば大丈夫です。これができると、50文字程度で下線部を言い換えさせる問題を解く上で参考とすべき箇所を見つけるのが早くなります(参考とすべき箇所をそのまま解答として書くのは、抜き出し指定以外では絶対にしてはいけません。抜き出しと言い換えは求められる解答が全く別物です)。
参考とすべき箇所を見つけてから言い換えの文章が書けるようになるには、相当な訓練が必要です。「国語の神技」に詳しく説明されてあります。上級者向けの本ですが、記述対策で必ずお役に立つ本です。お子様一人で学習するのは難しいので、保護者様か家庭教師などの指導者が必要な本です。
3.の「文章全体をまとめる」も2.と同様に記述の訓練が必要です。2.もそうですが、国語の神技を読むだけでは書けるようになりません。
国語の神技で紹介されている考え方を頭に入れて、本に載っている練習問題を解いてみます。それから解説を読んで、書き終えた文章の不足する内容を分析する必要があります。
50文字以上の文章を書く練習は集団授業で身に付けるのは難しいです。秋に過去問を解き始める段階で全然書けない状態だと入試までに間に合わない恐れがあります。
今6年生のお子様で記述問題が出題される学校が志望校の場合は、記述問題が解けるか解けないかの把握と、解けないのであれば1日も早く対策を始めることを強くおすすめします(国語の個別クラスは夏までには満席となります)。
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