5~6年☆幻のゼロ組などの超少数選抜クラスについて。

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中学受験全般

大手進学塾の中には、学年上位10名ほどを対象にした、超少数選抜クラスを設けているところがあります。私の知る限りでは、浜学園と希学園に設置されていました。

希学園では、「PC0(ゼロ)」が最上位です。ただ、生徒数が少ないために、PC0生だけで1クラスが設けられていません(2017年当時の西宮、住吉教室の話です)。PC0からPC3か4までのお子さんが同じクラスで授業を受けます。最前列から成績順に座席が指定され、PC0は最前列です。PC0からPC1に落ちると、教室が変わらず、座席が1列後ろになるだけで、浜学園のように教室が移動になるクラス落ちの衝撃は少ないです。

浜学園では、西宮と上本町に「ゼロ組」と呼ばれる、V1の1つ上のクラスがあります。V1の上位5名ほどで構成され、毎月の成績表はV1の表に掲載されます。4年生以下のことは分かりません。5年生のマスターと、6年生のマスター、志望校別特訓でV0クラスはありました。

「ゼロ組」への参加条件は科目ごとに決められ、算数だけゼロ組で、国語と理科はV1のお子様もいます。また、全科目ずっとゼロ組のお子様もいらっしゃいますが、非常に頻繁に入れ替えがあるため、ゼロ組とV1を行き来する方もいらっしゃいます。

いずれにしても、ゼロ組にいるだけでもすごいのですが、塾がゼロ組のような超選抜クラスを設置する理由を考えてみました。ゼロ組にいらっしゃるお子様の多くは飛び級です。4年生で5年を、5年生で6年の勉強を終えています。では、6年生でまた6年の授業を受けるのでしょうか?同じテキストを2年連続で勉強するのは効率的ではないと思います。そこでゼロ組が受け皿になります。飛び抜けたお子様向けのクラスがないと、そのお子様は他塾に移籍する可能性が高いからです。

ゼロ組で行われる授業は、ゼロ組教材というホチキス留めのテキストを中心に進められます。算数の場合、マスターや最レでは扱わないような難しい問題が扱われて、その解法の説明があります。灘中の古い過去問や関東の私立中学校入試問題を参考にした問題やオリジナル問題で構成されています。

大切な内容は講義で話をして、テキストの解答の解説は少ないです。これは、灘中合格特訓、灘中オープンの解答も同様です。オークションでゼロ組教材を落札しても、解説が少ないために、テキストだけで学ぶことは難しいかもしれません。講義の「肝」の部分は間違いなく載っていないと思います。

講義の内容はすべてではありませんが、通常の小学生の理解を超える内容です。中学受験の算数の問題は、大学の数学の学問で発表されている理論を使うと簡単に解けるものもあります。法則の知識なしに、問題文だけで数字や図形の法則を見つけ出して、短時間で解く必要がありますが、数学理論を知っていると、問題の切り口が見えやすくなることがあります。そのようなハイレベルの知識や理論、解き方、問題の切り口をゼロ組で教えてもらえます。

もっとも、そのような法則を一度聞いただけで、初見の問題を見て、どの法則をどう活用させればいいのかがすぐに判断できて、なおかつすぐに問題解きに応用できるお子様は、極めて少数で、やはり賢いです。

V0クラスが設置される理由は、飛び級対策ハイレベルな講義の提供と、もう1つあると思います。それは、V1とV2のクラス間の実力差が極めて大きいことです。V2とS1の間の実力差も大きいですが、同じVクラス内でも、V1とV2は完全に別物です。灘中に限っていえば、V1までにいないと合格は難しいと思います。V1の中でも上位と下位との実力差は大きいです。V1の上位層=V0がないと、上位層は退屈すると思います。

6年生の春の段階で、すでに灘中合格可能な学力が身に付いていて、合格を目指すというよりも、灘中上位合格を目指すクラスがV0と言えます(女子もいらっしゃるので、全員がそうではありません)。

ぼんず君は、もちろんV0クラスではありませんでしたが、V0クラスのお子様との接点が多く、そのあまりの賢さに「(お子様を)持って帰りたい…」と思うほどでした。ぼんず君を始めとする、ごく普通のお子様と、超越したお子様はどこが違うのか、あまり深く考えたことがなかったのですが、まとめてみると面白いかもしれませんね。

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