昨日の記事「すぐバレる嘘をつく子ども側の事情を考える」の中で、やっていない宿題を「やったよ」とその場しのぎで答える事例をご紹介しました。お子様の宿題に関するごまかしで、保護者様に最も注意していただきたいことをご紹介します。
ぼんず君は小3から進学塾に通い始めました。3年生の時は、算数、国語、最レ算数の3科目で、私の管理体制が確立していなかったこともあり(親がどう勉強をフォローしたらいいか全くわからず、手探りで試行錯誤を続けていました)、自分のやり方で、気楽に塾の勉強をしていました。
小4の2月から理科が加わったことと、私が保護者がすべき勉強フォローの仕方を整理できたこともあり、計画的、戦略的な勉強方法に変わりました。この時期に宿題のごまかしが多発し始めました。
ターゲットの科目は国語と理科です。国語は記述問題を中心に、考えて文章を書くのが面倒だったから。理科は初めての科目で、勉強方法が分からないのと、体系立てて暗記し→それを応用する概念がなかったので、もうどうしたらよいか全くわからない様子でした。
国語の解答丸写しは、発見するのが簡単です。解答の文章と全く同じ文章が書けるわけありません。ぼんず君はまだ悪知恵が働かなったこともあり、解答と一字一句同じ文章を丸写ししていました。宿題の丸写し発見後は、巻末の解答部分を切り取って、保護者保管にしました。
ぼんず君は、私が食事の支度やトイレ、入浴などで監督体制から外れると、解答を必死で探していたようです。時々、解答を見つけて丸写ししていました。私は解答の隠し場所を頻繁に変更する必要があり、あまりにも場所を変えるので、どこに置いたか分からなくなる事件も起きました。
そのため、解答の予備をコピーして、通帳などを保管する貴重品入れ(厳重な施錠体制+ぼんず君は存在すら知りません)に保管し、最悪の事態に備えました。子どもは、悪さをする時は大人が思う以上に知恵や勘が働くことが分かりました。
4年の5月から灘中合格特訓の資格を得たことと、3科の成績が安定してきたので、国語の解答を丸写しする頻度は少なくなり、5年生以降は解答の隠し場所で苦労することはなくなりました。
問題が多発したのは理科です。「宿題やった」と言って、寝た後で浜ノートが真っ白なことに気が付くことがあったのは理科だけです。復習テストのコツをつかむまでは、私が個別講師のように自宅で解説をしまくりましたが、それでも苦手単元は苦戦しました。
理科の解答は別冊のため、白い表紙の解答は私が管理しました。ぼんず君の嘘は、私がトイレや風呂に入る間に、記号問題の解答だけを急いで写して、赤ペンで丸をつけて、「宿題やった」と申告するやり方でした。
ターゲットになった単元は、天体と密度です。この2つがとても苦手でした。力学や電気は案外理解が早かったです。小4の9回目くらいから天体が始まった記憶がありますが、初回から全く復習テストの点数が取れませんでした。平均点95点以上なのに、その半分も取れないことがあり、宿題やっているのに、おかしいだろう?と、返却された復習テストを目の前で解かせると全く理解してないことが分かりました。
その後、たまたま解答写しの現場を発見し、以降は、解答冊子を肌身離さず持ち歩くことにしました。
保護者様がいくら頑張って勉強をつきっきりで教えても、丸写しされた宿題に赤ペンで丸付けが終わっている状態で「できた」「やったよ」と言われると、最初はお子様が解答を丸写ししていることに気がつきません。宿題をやっているのに復習テストで全然点数が取れない、それが2~3回連続で続くと、さすがに「何か勉強方法がおかしいのだろうか」と思われるでしょうが、それが解答丸写しが原因であるとピンとくるには、多少の経験が必要です。1回丸写し現場を発見すると、次からはすぐに気が付きますが、最初は分からないものです。
丸写しに気が付くまでの期間が2~3回=2~3週間であれば、まだ何とか挽回できますが、丸写しに気が付くまでに数か月かかったり、またはずっと気が付かない場合、勉強の理解は取り返しがつかないほどに遅れてしまいます。
我が家のように、板書ノート、宿題ノート(浜ノート)、復習セットの3点セットを帰宅後すぐに確認して、その日のうちに目の前で宿題をやらせるご家庭は、少数派だと思います。そんな細かいところまで見てられないですし、受験するのはお子様ですから、親がそこまで手をかける必要があるのか。というお考えの保護者様もいらっしゃいます。
ただ、解答を丸写しするごまかしは、実際に宿題ノートや復習テストを確認しないと発見が難しいです。宿題ノートはきちんと埋めて、赤丸がついているのに、同じ回のテストは全く理解していない。なぜ?→解答を丸写ししているから。ここまで意識が飛ぶ保護者様は、塾や家庭教師のバイト経験があるか、勘が鋭いか、幼少期に同じ経験をされたかのいずれかです。
保護者様が、お子様の解答丸写しを発見しない限り、誰も発見することはできません。塾の先生はそこまで見切れないです。宿題は出しているけど、点が取れない子、くらいにしか思わないでしょう。お子様は、解答の丸写しがばれない限り、続けます。とりあえず、今、楽がしたいからです。
解答丸写しを阻止する方法は、
- 解答は保護者様管理
- 帰宅後すぐに、板書ノート、宿題ノート、復習テストの3点セットを毎回確認する。先週分の宿題をやっているのに、テスト結果がボロボロな場合、解答丸写しの可能性があります。
- できれば、宿題は保護者様の目の前で解かせる。教えられなくても、目の前で解かせるだけで、手遊びやぼーっとすることを防ぐことができます。
お子様の立場で考えると、解答を写すのは、
- 授業内容が分からない
- 宿題をやるのが面倒
のいずれかの可能性が高いので、もし、宿題丸写しを発見した場合、遅れ分の理解を取り戻すことと同じくらいに、お子様のフォローが必要です。このあたりのお話は難しいので、別の機会に記事にしたいと思います。
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