中学受験の勉強をする際、急いでたくさんの問題を解く必要があることから、丁寧に文字を書くことを嫌がるお子様がいらっしゃると思います。ノートの文字を本人が後で読んでも分からない程度であれば大きな問題ではありませんが(原因を考える必要はあると思いますので、別記事「お地蔵さんチェックと防止・対応策」をご参照ください。)、これが入試の答案であれば大問題です。
算数の答案であれば、数字が読めれば多少の文字の汚さは見逃してもらえるかもしれませんが、国語となると、汚い文字や雑な文字は減点対象になるのでは?とご心配の保護者がいらっしゃるかもしれません。
国語の中でも文字に対する採点基準が最も厳しそうなのは「漢字の書き取り」です。小学校でも漢字の「とめ」「はね」「はらい」が一目で分かるように丁寧な文字を書くよう、先生からうるさく言われたお子様は多いと思います。
ぼんず君は非常に雑な文字を書く子でした。小学校のノートはまぁ丁寧な文字で書いていました。書く量が少ないから何とかなったのだと思います。問題は塾の勉強です。板書量の多い理科や社会は、とにかく書き写すのが必死で、美しい文字ではありませんでした。しかし、雑ではなかったです。
文字の減点対象が最も気になる科目の国語は、親から見ても「ダメだな」と思う書きようでした。一番気になる漢字の書き取りは、「とめ」「はね」「はらい」はメチャメチャです。適当に漢字を書いているので、毎年学年始めの単元である語句のテストに出題される総画数と書き順の問題は間違いが多く、最後までダメでした。ぼんず君が受験する中学校ではこれらの問題はまず出題されないので、できなくても減点にはならないから…とあきらめました。
あきらめてはいけないのは、文字を丁寧に書かせることです。これは最後まで毎日うるさく言い続けました。毎朝、書き取りと四字熟語などの問題集を解く際に、相当厳しく採点して、ぼんず君から嫌がられましたが、理由があります。
それは、多くの中学校で、漢字の「とめ」「はね」「はらい」が不正確な場合、書き取り問題はバツまたは減点対象になることが公表されているからです。学校によって基準が異なりますので、いちばん確実なのは、中学校の進学説明会で先生の発表をメモするか、話がでなかった場合は後から質問することです。
私が参加した多くの中学校では、漢字だけでなく、数字に至るまで、雑で判読ができない文字はバツまたは減点対象になるとはっきりおっしゃられました。
大手塾の進学説明会では、主要難関中学校の採点基準を一覧にまとめて、資料を配布するところもありました。浜学園ではありませんが、別の塾でその資料をいただいて驚いたのは、漢字の「とめ」「はね」「はらい」が不完全な場合は減点すると回答された中学校に、灘中と東大寺学園が含まれていたことです。
東大寺学園は、読みにくい数字に対しても厳しい判定をされることを中学校での進学説明会で発表されていました。発表されるまでもなく、どこの中学校でも同様だと思います。関西男子校の超難関校である灘と東大寺が不完全な「とめ」「はね」「はらい」は減点ですよ。これは真面目に漢字の書き取りを練習するしかありません。
普段の勉強で、「とめ」「はね」「はらい」を意識される効果的な方法として、私が使ったアイデアを1つご紹介します。それは、塾の復習テストの採点で、漢字の書き取りを厳しく採点してもらうことです。そして、「とめが不完全だから減点」などと先生に赤で文字を書いてもらうようお願いすることです。毎回はできません。手間をかけてしまいますし、テストの点数が1点でもマイナスになってしまいます。
1点でも減点になると、お子様は文句を言われると思います。「書けているのに減点された」と。その時に、灘や東大寺の入試でも「とめ」「はね」「はらい」が不完全だと減点であることをお子様に教えてあげてください。
中学入試は1点差で不合格になる可能性もあります。漢字や計算問題のような確実に得点できる問題で、文字が雑だからという理由で点数を落とすのは、あまりにももったいないです。
長年のうちに身についてしまった、雑に文字を書く癖はすぐには治りません。丁寧に漢字を書くのは面倒で、時間もかかるので、軌道修正の際には多少の親子喧嘩も起きる可能性があります。そのためにも、できるだけ早い時期から、丁寧な漢字の書き取り練習を勉強項目の中に組み込まれることをおすすめします。
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