【おすすめ書籍】中高一貫校中学生の学習方針が確認できる本のご紹介

スポンサーリンク
おすすめ書籍

ぼんず君が中高一貫男子校に進学して、早くも1年と少しが過ぎました。問題を起こさなければ高校受験をすることなく、あと5年ほど同じ学校に通い続けることになります。高校受験がない分、気持ちが緩みがちになると思い、少し早いですが大学受験の情報を入手しようと書籍を購入しました。

親と子の最新大学受験情報講座3訂版理系編

親と子の最新大学受験情報講座3訂版文系編

私が購入したのは「理系編」だけです。似たような表紙の古いバージョンもアマゾンなどで扱われているのでご注意ください。2015年からの新課程対応版は3訂版です。厚さ3cmほどの非常に分厚い本です。内容は非常に盛りだくさんで、役立つ情報が満載でしたので、抜粋してご紹介します。

■大学受験事情と大学・学部の序列

かつて大学受験を経験された保護者様であれば、なんとなくご存じの内容が多い章です。今の入試制度に即した説明は、複雑になった制度を頭の中で整理するのに役立ちます。

この項目で私が面白いなと思った箇所がいくつかありました。

1:積極的な文転を勧めていること。文転とは、理系の生徒さんが文系に変わることです。中高一貫校を始め、多くの進学校ではなぜか「理系は偉い」「文系には行きたくない」と考える生徒さんが多いですが、数学の得意な文系学生は就職後の社会で重宝される場面が多いことや、大学入試でも理系から文系に転換した生徒さんは非常に有利であることが説明されています。

これは半分くらい賛成です。理系から文系に変わることは簡単ですが、文系から理系に変わることは非常に難しいです。理系を選択しておく方が、後々の選択肢の幅が広いことをぼんず君には伝えていますが、果たして理解しているでしょうか。

2:「偏差値40台の生徒は、理論通りの学習量に耐えられない。」以下も含めて、本に書いてあるフレーズをそのまま写したものです。「1日12時間勉強します」「言われたことは必ずやります」などと口では言っても、頭や体がそのペースについていけないのです。

大学受験直前は、中学受験直前と同様に1日12時間勉強は当たり前だと思っていましたが、ついていけない方の存在は想像しておりませんでした。受験を制するには、勉強と同様に、集中力や持続力をお子様に付けることも必要なようです。ぼんず君は受験直前も、中学生以降の試験直前でも、黙って長時間勉強をこなせるので(ずっとは嫌がります。ゴールの見える期間限定で頑張ってくれます。)、その点では私は指導しやすかったです。

3:無名国立大学の実力:決して難しくない大学であっても、理系の国立で、就職率が100%近いところが多数あると、具体的な大学名を挙げて紹介されています。その表現がストレートすぎて、ぼんず君と「きみまろのような言い方だね」と笑いあうほどでした。医学部偏重人気もそうですが、偏差値が高いから医学部、そうでないから〇〇学部ではなく、どんな職業につきたいかを踏まえて進学先を選べるように、たとえば昔からのベストセラー「13歳のハローワーク」のような本をお子様に紹介するのもよいと思います。我が家は、ぼんず君が小3か小4の時にこの本を購入しました。

■極めて具体的な参考書の選び方指南

後半は、中学校時代は塾を利用しないご家庭には非常に参考になる内容です。最初に、基礎学力をつける上でおすすめの参考書・問題集を科目別が科目別に紹介されています。特筆すべきは、書籍名をただ並べるだけでなく、それぞれの本を使った勉強の仕方まで具体的に説明されている点です。あまりにも具体的なので、著者は何をしている人だろうと思ったら、なんと予備校の先生でした。すぐに実践できる説明に納得です。

後半は、難関大学を目指す上での、各科目の大枠での勉強の方向性+おすすめの参考書紹介。さらにセンター入試対策の参考書紹介と続きます。著者が教育業界の現役の方だな、と感じられるのは、冒頭から「学校の校風は、学習面にも大きな影響があります」の書き出しでこの項目が始まるところです。放任型の学校と管理型の学校によって、個人の学習戦略を変える必要があることがコンパクトに説明されています。

本当にその通りですが、その前にお子様の気質が放任型と管理型のどちらに向いているかを中学受験での学校選定時に保護者様が判断することが大切だと思います。学校選定を誤ると、せっかく中高一貫校に入学しても、その学校の勉強方針とお子様のやり方が合致せず、お子様が十分に能力を伸ばすことができないからです。それだけではなく、学校生活そのものの楽しみも半減しかねません。最近人気の管理型が合わない、ぼんず君のようなお子様は放任型の学校がよいですが、放任型は本当に放任されるので、中学校入学後も保護者様が気を揉むことが続きます。

■大学別問題傾向分析、おすすめ参考書一覧、学習戦略ケース例

 どの項目も興味深く読みましたが、便利だなと思ったのは、おすすめ参考書一覧です。「誰かに教わることが前提ではなく、自学自習に適したおすすめの参考書を厳選して紹介」されているので、気になる参考書を購入する前に、このリストに掲載があるかどうかと、おすすめレベルを確認して、購入前の判断に活用できます。

面白い注釈がついています。「ただし、開始可能レベルに到達していない場合は、学習効率が大きく落ちる可能性が高いので注意してください」。今のレベルにあった問題集や参考書を選ぶことの大切さを改めて感じました。

この書籍全体を通しての感想は、一般的な内容が多いものの、手元に置いて、気になることがあった際に索引的に活用できることです。この著者のチクリとするような表現は私もぼんず君も好きですが、好みが分かれると思います。

書籍を入手したのは昨日で、土曜日の午後、家事をさぼって読みふけってしまいました。ぼんず君は塾から帰宅後、目ざとく本を発見し、私が付箋を付けた箇所を「面白ーい」と言いながら読んでいましたが、本が部厚すぎるので、「お母さんが特におすすめの所を読んで」と手抜きをしながら、内容を把握していました。

内容全体は高校生向けに書かれたものですが、中高一貫校の生徒さんであれば馴染みのある参考書が多く紹介されていることから、中学生でもすぐに活用できる内容です。親子でワイワイ言いながら楽しめる本で、期末考査終了後の親子の話のネタになると思います。

コメント

error:Content is protected !!