入試問題を作成する先生が重視する教材/好まれない教材

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(6年)過去問対策

11月も早くも6日目です。6年生の過去問解きは仕上げの段階に入っていると思います。

本日は社会も勉強中の4科受験生に直接的に参考になる内容ですが、大枠の考え方は社会を受験しないお子様にも応用して役立てていただけると思います。

私立中学校の入試問題を作成するのは、もちろんその中学校の先生方です。

各科目の先生方が入試問題を作成するにあたり、最も重視する教材は何かをご存じでしょうか?

私は中学校の進学説明会だけではなく、私立高校の進学説明会にも参加して、先生方が入試問題を作るにあたっての考え方をさまざまな中学校で聞く機会を持つようにしていますが、非常に多くの中学校(高校)で重視されている教材は共通したものでした。

それは、「教科書」です。

中学受験であれば小学校の教科書、高校受験であっても中学校の教科書を先生方は非常に重視し、参考にしながら問題を作成されています。

■教科書にもとづいて入試問題は作成されている

「教科書を重視して入試問題を作成しています」と進学説明会で聞いたものの、教科書のどの部分に注目すればいいかは分かりにくいです。

小学校の教科書は、判型が大きく、薄く、オールカラーで、文字が大きいです。余白やイラスト、図表ばかりで内容が薄く感じられ、受験勉強のために小学校の教科書を開くことのないご家庭が多いと思います。

私も教科書を軽視していましたが、中堅校、難関校、最難関校の赤本を解き進めるにつれて、これらの入試問題は何をよりどころにして作成されているかが気になりました。

すべての科目ではありませんが、多くの科目で教科書をベースに問題が作成されているのではと推測し、特にその傾向が強い科目は、ぼんず君が小学校で配布された教科書以外の出版社の教科書を取り寄せて購入し、複数の教科書を使って内容を分析しました。

■国語

灘、東大寺、甲陽を始めとする関西最難関校の国語の入試問題は、高校入試よりも難しい読解問題や記述問題が出題されます。これらの中学校の読解問題や記述問題と小学校の教科書のどこに関連があるか、よく見ても分からないと思います。

記述や読解問題、語句に関しては、最難関校だけでなく、多くの私立中学校の出題レベルは小学校の教科書内容をはるかに超えた難易度です。

1つだけ教科書の内容に呼応した要素があるとすれば、それは「漢字の出題範囲」です。

中学受験であれば「学習指導要領」における「漢字配当表」に掲載されている漢字から出題する中学校が多いです。進学説明会で明言される学校が多かった印象があります。

高校受験になると「学習指導要領」に加えて「当用漢字」も出題範囲として明言される学校もあります。先日私が参加した東大寺学園高校の進学説明会でも、漢字は読み書きともに当用漢字から出題しますと配布資料に記載があり、先生もそのように説明されました。

当用漢字や学習指導要領という限られた種類の漢字の中から出題する問題で、受験生の漢字力を計ることができるのか?と思われる保護者様もいらっしゃるかもしれません。ここは問題作成者の力の見せどころで、大人には当たり前でも小学生が日常生活で耳にする機会の少ない言葉を見つけて、漢字の読み書き問題を出題してきます。

■社会

小学校の教科書分析が最も有効な科目です。多くの中学校での進学説明会で、社会は「小学校の教科書に基づいて問題の作成を行っています」と説明されています。

私の感覚ですが、東大寺学園を含む大半の関西地区の私立中学校・社会の問題は、小学校の教科書がベースになっています。もちろん、東大寺学園のように問題の難易度が高校生以上のものもありますが、それ以外の中学校の社会の問題は、小学校の教科書を隅から隅まで理解&記憶すれば、十分に合格点が取れる難易度です。

社会の教科書のどの部分に注目すればいいかは、有料記事でまとめて記事代金を寄付に充てようかと思案中です。読みたい方がおられましたら、ぜひリクエストをお願いします。

■理科

社会に次いで教科書が問題作成のベースに使われている科目です。

理科の教科書分析は社会ほど熱心に行いませんでしたので、ぼんず君が小学校で配布された教科書だけしか分析しておりませんが、社会と同様に注目すべき内容は多いです。

お子様の理科の教科書を、できれば3年生~6年生まで保護者様がざっと目を通していただき、ポイントとなる項目を箇条書きにしてお子様に伝えれば十分です。

※力学、電気、化学の計算問題が全体の半分以上を占める最難関校の問題には、理科の教科書分析は不要です。

■算数

小学校の教科書分析をしても得点につながらない科目です。

唯一分かることは、中学校の教科書で扱われる単元は中学受験の問題で出題されないことです。

例を挙げると、因数分解や平行根などです。

最難関校の算数の出題傾向が最も影響を受けるものは教科書とは全く別のものです。

■私立中学校の先生が好まない教材

これはずばり「進学塾のテキストや模試」です。

進学塾が知恵を絞って予想問題を作れば作るほど、中学校側は塾の予想とは異なる切り口で問題を出題しようとします。

進学塾に入試問題を的中されないよう、裏をかきたいと思う気持ちは、何となく理解できます。

また、私立中学校の多くは、入学してきた生徒さんに対して通塾を推奨しないことを伝えます。学校の勉強内容で十分であると、どの中学校も考えています。

■まとめ

小学校の教科書を分析することで、過去問解きの点数アップに短期間で最も貢献できるのは「社会」です。

社会の過去問解きで思うような点数が取れない時は、小学校3年から6年までの社会の教科書をマーカーと付箋を使いながら、ざっと一読することをおすすめします。

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コメント

  1. ゆう より:

    ぼんず君のお母様

    おはようございます。

    私も、今回、最難関中のうちの一つである某中学校の入試説明会で、
    教科書を重視している旨をお聞きしました。

    社会の有料記事をお出しになられたら、申し込みをしたいです。

    • bonzukun_mother より:

      こんにちは。コメントありがとうございます。
      ご返信が遅くなり、申し訳ありません。
      大急ぎで「歴史編」だけですが、資料を作成しました。
      ただいまより受け付け開始しております。
      ぜひご検討いただけますでしょうか。

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