関西統一入試まであと0日となりました。
入試が近づくにつれて、塾全体がピリピリした空気になります。先生方はお忙しさに拍車がかかり、塾の空気を持ち帰ったお子様もカリカリした状態になりがちです。
ぼんず君のは周りの雰囲気に影響されやすかったので、カリカリしたり、気持ちを沈めないように、小さな工夫を続けました。
どれも費用はかからず、ちょっとした気遣いや手間だけで気軽に実行できるものばかりです。
■勉強スペースを受験仕様に変える
このアイデアは浜学園の先生が進学説明会で言われていたことです。公開学力テスト、合否、冠模試(オープン/プレなど)のB5サイズの成績結果の紙の中でとりわけ好結果だったものをコピーし、壁に貼ります。
毎月10傑、100傑に載るようなお子様であれば、壁一面が成績結果の紙だらけになりますね。
これまでの結果が今ひとつのお子様は、その中でも上位の成績表を2~3枚選んで壁に貼ります。そして、「次の試験ではこの成績を上回ろう。達成できたら紙を貼り直そう」と励ますことができます。
「こんな成績しか取れてなくてダメだよね」と否定的に持っていくのは厳禁です。
上を目指す時には、具体的な数字で説明するとお子様はイメージやしやすいです。目標の順位や偏差値まであと10点足りなかった時は、「算数で5点、理科で3点、社会で3点以上のアップを目指す」のような説明です。
そのためにも、プレ(オープン)など重要な試験の返却答案は確認し、必ず正解してほしい問題に間違いがあれば、その間違いを徹底的につぶして、次は同じ問題で必ず得点する。とお子様が分かるように教えることが大切です。
■調子がよい時の自分を自覚してもらう
上位結果の成績表に囲まれて勉強することは、気分よく勉強してもらう、受験生の自覚を持たせる以外にも狙いがあります。
それは、調子が良い時の自分の状態をお子様に自覚してもらうことです。
ぼんず君は時々ですが、とてつもない上位の成績を取ることがありました。「天変地異が起きるんじゃないか」と心配するほどの好結果になる時は、その少し前から極めて上り調子な状態になったので、「次回の公開は良いな」と推測できるほど分かりやすい子どもでした。
私は勉強記録ノートに、調子がよい時、ダメな時、沈みつつある時などの様子を記録していました。11月から翌年1月の統一入試に向けて、上向きに持っていくために、避けるべきこと、取り入れるべきことを書き留めました。本日の記事はその記録からご紹介しています。
■調子が良い時の様子を記録しておく
ぼんず君の場合ですが、調子が上向きになる時は特徴的な様子が見られました。
- 集中力が高まる。話しかけても全く反応しないほど。
- 字を書くスピードが速くなり、文字はやや乱雑で読めないほどになる。
- 勉強の節目で一人ガッツをしている。
自分で頭に入れる要素をリズムで刻みながら記憶しているように見えました。単元や要素ごとのブロックで記憶するのは私も同様なので、いいリズムで動いているのはよく分かりました。
樹木構造を頭の中に作るイメージ、または脳の回路を作るイメージです。
概念的な話ばかりで恐縮ですが、スポーツでイメージトレーニングが盛んになったように、勉強でも自分の調子が良かった時の様子をイメージして、その状態に自分を持っていけるようになると、安定した成績が取れるのではと思います。
当時小学生だったぼんず君は、とてもそこまで行きついていません。もちろん、中2の今でもまだまだです。
■小学校生活をつつがなく送らせる
中学受験の勉強とは直接関係ありませんが、小学校生活が穏やかに送れていることは極めて重要です。小学校での様子は分かりにくいので、私は時々、担任の先生や保健の先生にぼんず君の様子を伺いました。
幸いぼんず君の6年生のクラスは穏やかなお子様が多く、担任の先生は中学受験に理解をお持ちの先生で、中学受験をするお子様の割合は多すぎず、少なすぎず、小学校での居心地はよかったようです。
■試験の朝は機嫌良く送り出す
6年生の後半にもなると公開学力テストよりも、日曜志望校別特訓や冠模試が重要になってきます。これらの当日は、どれだけ機嫌よくぼんず君を送り出せるかが鍵だと考えました。
「親子喧嘩が成績に与える影響」の記事でもご紹介しましたが、お子様の成績とお子様の精神的な状態は大人が思う以上にリンクします。プラスの気持ちが成績に反映されるのは時間がかかる一方で、マイナスの気持ちは成績に即効的な悪影響を与えます。
模試の朝に親子喧嘩をすると、お子様の成績は下降する可能性が非常に高いです。「どうぞ試してみてください」とはとても言えません。
その逆の「出発前の朝は美味しい朝ごはんを用意して、昨日までの頑張りを褒めて、『これだけやったんだから大丈夫だよ』」とスムーズに送り出してあげてほしいです。
入試本番当日にいきなりスムーズに機嫌よく送り出す対応は難しいかもしれないので、模試当日は入試本番のリハーサルと思って、朝からの声掛けや準備をシミュレーションしました。
入試本番はホテルから出発するため、すべての準備が本番に通じるわけではありませんが、機嫌よく会場まで送り出す(ついてきてほしいと言われた時は一緒に会場まで行きました)までが私の役目と思って行動しました。
■バランスを考えながら好物中心の食事に
テレビもゲームもマンガも時間不足で出来ない中、ぼんず君の数少ない楽しみは、食べることと寝ることだけでした。睡眠時間さえ十分に取ることができないので、栄養のバランスが許される範囲で、好きなものを用意しました。
成績に応じて食材のグレードを変えると、「がんばるわ」と言って塾に向かうのが微笑ましかったです。
入試直前3カ月間は、これまで生きてきた中で最もデパ地下で買い物をしました。デパ地下のフロアマップが描けるくらいに毎日のように立ち寄りました。
■最後に
入試直前期はお子様よりも保護者様が不安で、落ち着かない気持ちになるのはとてもよく分かります。じっとしていても精神的衛生上よろしくありません。悶々と過ごすくらいなら、お子様が前向きになれるような環境を用意する方がずっと生産的です。
私がしたような小手先のことでなく、お子様が小学校から帰宅した時に「おかえりー」と明るく迎える(在宅時)、塾の弁当に好物を1品加える、塾が終わる時間に迎えがてら教室の前で待っている(これは逆に嫌がられるかも…)など、お子様に明るく接することがいちばんだと思います!
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