本日は、中学受験ナビの記事「国語力を伸ばすなら親子の会話を見直そう」をご紹介します。著者は東京・吉祥寺にある中学受験専門のアテナ進学塾代表の宮本毅先生です。
内容に全面的に共感できる記事は久しぶりです。すぐに実践できる内容なので、ぜひご一読ください。
「国語力をつけるには、とにかく本を読ませればいい」と思っている親御さんは少なくありません。中学受験の国語の問題は、物語文や論説文などの読解・記述問題が出題されますし、かなりの長文も目立ちます。そのため「本をたくさん読めば、国語で有利になる」と思うのかもしれません。たしかに読書は有効です。しかし、ただ読書をさせるだけでは国語力は伸びていきません。
■国語力の土台をつくる「語彙力」
国語力とは、「語彙力」「読解力」「記述力」の総合です。そのなかで、一番大事なのが語彙力です。ピラミッドの形を思い出してみてください。石を高く積み上げていくには、それを支える丈夫な土台が必要です。
国語力を伸ばすうえで、語彙力はその土台となるもの。ここがしっかりすればするほど、立派なピラミッドが完成します。
語彙力の上にあるのが、読解力と記述力です。近年の入試では記述力や思考力ばかりが重要視され、そこを伸ばすことこそ大事といわれています。
しかし、言葉や知識がなければ、思考力も記述力も伸ばすことができません。国語力を伸ばすには、何よりもまず「語彙力」を身につけることが大事です。
■語彙力は「親子の会話」で伸ばせる
小学生の子どもが言葉を覚える環境は、おもに「家庭」「学校(友達)」「読書」の3つです。
この中で、言葉を覚える環境として重要であるのは家庭です。ところが、実際の家庭の中ではあまり多くの言葉を使わなくても意思の疎通ができてしまいます。
そのために、家庭で子どもに言葉を教えるには、親が<意識的に>伝える必要があります。具体的な方法をご紹介します。
■会話は主語と述語を明確に/LINEはスタンプ禁止
子どもがお母さんに向かって「あれとって〜!」と言ってきたら、「あれってなぁに?」「誰に向かって言っているの?」と、物分かりの悪いお母さんになってみてください。
そうやって、親子の会話で主語と述語を明確にすることを教えてあげます。もちろん、親が子供に話すときも同じく主語と述語を明確に話します。
近ごろは家族の連絡にLINEを使うことが増えていると感じます。LINEは短い文章で伝えたいことが簡単に伝わりますし、スタンプをタップするだけで、「嬉しい」「残念」といった気持ちを表現できて便利です。
しかし、こういった短文やスタンプ中心のコミュニケーションばかりでは、語彙力は身につきません。家族内でLINEを使うときは、スタンプ禁止のルールをつくるなど、言葉と文章で伝えるようにするとよいでしょう。
また、難しい言葉をどんどん使いましょう。子どもが「えっ? 何それ?」と聞いてきたらしめたものです。言葉の意味や例文をさらっと教えてあげてください。そうやって、子どもは家庭でさまざまな言葉を覚えていきます。
■難度の高い本を読まなければ、難度の高い言葉は学べない
国語力をつけるうえで、読書はたしかに有効です。しかし、「どんな本でも読めば語彙力が伸びる」というわけではありません。難度の高い本を読まなければ、難度の高い言葉は学べません。
学年よりも少し難しめの本を読むことがポイントです。そのほうが、語彙力は育ちます。中学受験をするなら、中学2、3年生が読むレベルの本が読めるようになるとよいでしょう。
ただし、こういった本を親が一方的に選んで強制的に与えると、子どもが「読書嫌い」になってしまうことがあります。本を選ぶときは、親御さんはアドバイスをする程度にとどめて、子ども読む本を選ばせるほうがよいでしょう。
週末に家族で図書館に行って、それぞれが自分の好きな本を選んで帰るのもよいですね。また、親子で同じ本を読み、その本の感想を話し合うのもおすすめです。家庭で語彙力を育みながら、国語力を支えるしっかりとした土台を築いていきましょう。(記事終わり)
■記事の取り組みを我が家で実践しました
国語の苦手なぼんず君の国語力を高めるために、中学受験時代から今に至るまで私が工夫してきた内容の多くが、この記事内で紹介されています。
取り組みの初期段階(小学4年~5年生)でいちばん効果があったことは、話をする時には必ず主語と述語を付けることです。「しんどかったわ」といきなり話しかけられても、その内容を理解しているのは話し手だけで、聞く方は何の話で、誰のことなのかさっぱり分かりません。
「今日は学校で試験を連続して受けたので、僕はしんどかったです」と会話の中でさっと言葉が出るようになれば、国語の試験でもさっと文章が書けるようになります。
ぼんず君は、この主語+述語で会話をすることを非常に嫌がりました。「面倒くさい。単語だけで意味分かるよね?」と今でもぶーぶー言っていますが、意味を伝えるためではなく、きちんとした文章を手早く書くことができる練習として、主語+述語を意識しながら会話するルールを取り入れたのです。
ご家庭でこのルールを導入すると、我が家と同じように「面倒」「なんで?」「単語だけでいいじゃん」と反発されると思いますが、会話ですら主語+述語のきちんとした内容を話すことができなければ、いわんや試験問題をや、です。保護者様がストレスで蕁麻疹だらけになるかもしれませんが、少し我慢で続けてみてください。
■読書→感想のキャッチボールが効果的(親は負担です)
会話を完全な文章で話をさせることと同じくらいに効果があったことは、難しい本を読ませることです。強制的に「読ませる」段階では、国語力を向上させる効果はでません。
お子様が自発的にやや難し目の本を読んでもいいかな?と思わなければ効果を出すことは難しいです。我が家は中学受験が終わってから、ぼんず君は突然、本をどんどん読むようになりました。
遅いです。もうちょっと早くに頼むよ…と思いました。本のジャンルは池井戸潤氏の経済ネタ小説にまで広がると、見ていてわかるくらいに語彙力が増えていきました。
小説の経済ネタを理解するために、日経新聞を真面目に読むようになりました。そして、分からない制度や用語は私の状態はお構いなしに質問してきます。
ブリタニカで調べれば?と思いながらも、知っていることは回答しています。
また、自分が面白いと思う記事を頼んでもないのに朗読してくれます。読み終わると感想を聞かれます。「その情報はもう知ってるわ」と答えると不機嫌になるので、きちんと意見しなければなりません。
面倒ですが、そのようなやりとりの積み重ねで、いずれ、卒論のような文章が書けるようになるのでしょう。
■難語2000や言葉力の単語を保護者様が会話に混ぜるのが最強です
私はもう人柱の気持ちで、会話のキャッチボールならぬ、会話のセッターの役目を果たしています(返答しやすい回答を返したら、間髪入れずにアタックを返されて、そのボールが顔に当たるイメージです)。
中学受験対策で考えるのであれば、
- 主語と述語が明確な内容の会話を意識する。
- やや難しい内容の本を自主的に読めるお子様はどうぞ。
多くのお子様はそこまで到達できていないので、比較的読みやすい夕刊記事から面白そうなものを選んでもらい、声に出してお子様に読んでもらったり、記事内容の意見・感想を紙に書かせるところから始められるのはいかがでしょうか。
難語2000や言葉力1200は我が家も活用しました。 それでも、親子の会話に勝るものはありません。
最強なのは、保護者様が難語2000の単語を取得されて、その単語を使いながらお子様と会話をすることです。 分からない単語であればお子様は質問してくるでしょう。
単語が文章内で使用される具体的な例を見ながら単語の語彙力を増やすことができれば、あとは読解や記述対策に力を入れられます。
5年生の夏休み頃までに、会話で主語+述語を意識する段階が終わると、それ以降の学習が楽になります。お子様とご自宅で過ごす機会が多い今の時期は、会話を見直す絶好の機会です。
教材なしでも気軽に始められます。まずは始めてみませんか?
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