夏休みに勉強した子が秋に成績を落とすワケ[記事紹介]

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中学受験_記事紹介
かずなり777さん(写真AC)

本日はプレジデントオンラインの記事「夏休みに勉強した子が秋に成績を落とすワケ」をご紹介します。著者はプロ家庭教師集団「名門指導会」代表の西村則康先生です。


■6年生の夏から演習量が倍増します

入試まであと半年。夏休みは受験勉強だけに全力を注げる貴重な時間です。多くの中学受験塾の場合、中学受験の勉強は小学3年生の2月から始まり、6年生の夏前に入試で必要な学習範囲を一通り終えます。

そして、6年生の夏休みからは演習量を倍増させ、入試問題に慣れる特訓をします。つまり、これまでのインプット型の授業から、アウトプット型の授業に切り変わります。授業は演習→解説を繰り返す形態になります。

演習の内容は、これまで学習してきた範囲の総復習ですがその内容はかなり難しいです。特に難関校に強い塾では顕著で、例えば関東御三家志望の子に灘中を中心とした関西系の難問を課します。難しすぎて多くの子は心が折れます。

■多くの親は塾の課題全てをやらせたがります

授業中にすべてを解くことは到底できませんが「手を付けた問題は1問だけでも絶対に正解をさせる」という気持ちで向き合うことが大事です。その姿勢が入試で生きてきます。

6年生の夏以降は、1点でも多く点を取るための勉強に変えていく必要があります。ところが、多くの親はモレなく勉強をさせたがります。

夏休み中は毎日講習があり、塾の帰りも遅いです。授業の後は復習が不可欠であることに加えて、大量の宿題を出ます。これらをすべてやること自体が不可能ですが、多くの親たちはやらせないといけないと思い込んでいます。特に中学受験で重要科目といわれる算数に力を入れたがります。

塾から渡される宿題は難問も多く時間がかかります。子供は夜遅くまで勉強することになり、夏休み前よりも睡眠時間が短くなります。睡眠時間が足りない子供は体調を壊し、学ぶ意欲が低下していくのです。

■西村先生おすすめの「〇△×学習法」

出された宿題は全部やるのが当たり前と多くの親はそう思い込んでいますが、それは小学校の話です。塾で出される宿題を全部やったら、ほとんどの子にとって容量オーバーです。勉強のやらせすぎは子供の学ぶ意欲を奪い、正解を求めるよりも終わらせることに気持ちが向かってしまいます。

そこで必要になるのが、やるべきこととやらなくていいことの取捨選択です。授業中に問題を解いてみて、すでに分かっているものには「○」、おおよそ理解はできているが、まだ自信がないものには「△」、さっぱり分からないものには「×」をつけておきます。

私はこれを「○△×学習法」と呼んでいます。 家庭学習でやるべきものは「△」の問題です。ここをじっくり取り組むことで、「○」にできれば、それだけで得点力が上がります。

現時点でさっぱり分からない「×」のものに関しては、とりあえず今は手を付けない。解けない自分に自信をなくすくらいなら、やらない選択をしたほうがいいです。それよりも今は、昨日より少しでも成長ができたと実感させることだ。この自信の積み重ねが大事なのです。

■塾オプションの取捨選択は保護者様の判断で 

夏期講習中は毎日授業があり、たとえ「○△×学習法」で家庭学習を進めてきても、やり残している「△」がたくさんあるはずです。 夏休み後半はそれらの勉強に時間を充ててください。これまで授業のスピードについていくのに必死で、“アタフタ学習”になっていたものに、この1週間でじっくり取り組んでください。

夏期講習に加えてオプション講座が設定されている塾があるかもしれません。ほとんどのご家庭はあまり深く考えずにオプション講座を受講しがちですが、これは全員に効果があるわけではありません。

苦手対策に集中して取り組める時間は、この先、入試まであまりありません。ぜひ、貴重な夏休みの期間を意味のあるものにしていただきたいです。

「オプション講座を受けない」という選択をするのは、勇気がいるかもしれませんが、行ったところで時間を拘束されるだけです。それよりも、夏休み後半はできるだけ「△」を「○」にする勉強をしたほうが得点力につながるということをぜひ知っておいていただきたいです。

これまでは「塾の勉強に食らいつくこと=受験勉強」でした。でも、これからは、塾の勉強ではなく、合格するための勉強に切り替えていかなければなりません。それには親の正しい選択力が問われます。

■過度に負担を強いる学習よりも体調管理を

夏休みは、どの塾でも“受験の天王山”と騒ぎ立てますが、かつて塾講師をしていた私はそれは塾のあおり文句にすぎないことを知っています。

6年生の夏休みに、必要以上に難しい演習問題を解かせたり、電話帳並みの分厚いテキストでたくさん勉強した気にさせたり、一日中勉強漬けの合宿に参加させたりすることで、この夏の頑張りがすべてという雰囲気を作っているにすぎないのです。

確かに夏休みは受験生にとって貴重な時間です。でも、この夏の勉強の成果ですべてが決まるわけではありません。だから、親もここで勉強に疲れさせないように気をつけていただきたいです。

夏休みに頑張りすぎた子は、秋に体調を崩し、そのまま引きずることが多いです。すると、大事な模試で結果が出せず、子供のモチベーションが下がっていきます。一度下がってしまったモチベーションを上げるのは容易ではありません。

実は、夏休みにこれほどまで頑張って勉強をしても、多くの子が秋の模試で成績を落とします。親はそれを想定内として捉えておいてください。だが、そこから正しいやり方で勉強を進めていけば、最後は伸びます。

男の子の多くは年明けから本番までの1カ月でグングン伸びていく。その時期になると、さすがに小学生の子供も受験を“自分ごと”として捉えられるようになるからです。その自ら頑張る時こそが、私は本当の「受験の天王山」だと思っています。(記事終わり)

■過度な負担を強いるなら親の徹底フォローを

今年は夏休みが短縮された影響で、塾の夏期講習は例年のようなスケジュールではありません。ぼんず君が6年生の時の夏休みは、あまりにも塾の課題が多くて毎日何をやっているのかが分からなくなるほどの量でした。

とにかく連日演習、テストの連続です。まぁ力はついたかもしれませんが、十分な睡眠時間からはほど遠い毎日で、親も子もイライラしていました。今から思えば、受講講座の「選択と集中」の決断をすべきだったのでしょうが、6年生の当時に受講しないという選択は怖くてできなかったです。

皆が受講するからウチも行かなければならない…という気持ちはとてもよく分かります。我が家の場合は、ぼんず君が「全部行く。全部やる」と言うので、塾のカリキュラムは可能な限り参加し、7月から始めた国語の個別指導も予定通りに真面目に通いました。

この過密スケジュールを支えるために私は仕事を辞める決断をしており、夏休みは有休消化を兼ねて結構な日数をぼんず君のサポートに費やしました。宿題の進捗管理、返却テストの整理、復習箇所の確認、過去問解きの進捗管理と点数管理、送迎、持ち物や食事準備など、周辺環境の整備は大人1人が専任で付いても追いつかない量でした。

■1問ずつ時間を決めて解くことで時間の節約を

塾のカリキュラムはかなり上位層に合わせて作られていると思います。したがって、かなり上位層のお子様が受験する中学校が志望校でない場合、必ずしも塾が推奨するカリキュラムのすべてを受講しなくてもよいと思います。

夏休みに限らず、塾のカリキュラムは量が多すぎます。このブログでは「算数の問題は1問5分」と何度も書いていますが、ぼんず君が1問5分ですべての問題が解けたわけではありませんし、1問5分で解けるようになるまでは、時には泣きながらも何年間も勉強を続けた背景があります。

すべてのお子様がつぶれそうになるような塾の課題全部をこなす必要はないですし、翌朝起きられなくなるほど夜中まで起きて宿題に取り組んでも、寝不足が続けば必ずしも良い結果に結びつかないと思います。

毎日真夜中まで宿題をやっても終わらない原因の多くは、1問にかける時間が長すぎるからです。1問5分というのは5分で解き終われば素晴らしいですが、同時に、5分考えても解けない問題は1時間考えても解けないので、2~3分で解けない判断をしてその問題を切り上げるという意味もあります。

解けなかった問題には「7/13×」と書き込んで解説を読んで翌日もう一度挑戦するやり方に変えるだけでも、勉強時間は随分短縮できるのではないでしょうか。さらには1番から順にやらなくてもよいです。できそうな問題から1問5分の時間を計って取り組んでみてください。

難問を粘って考えて解法を自力で導き出す学習方法は5年生までができることです。6年生は時間内にできる問題から1問でも多く完答する訓練に切り替えるべきです。

■成績が上がればどんなやり方でもいいのです

今年は休校による返金もあり、塾の夏期講習やオプション受講のお誘いが例年よりもしっかりとされているのではないでしょうか。「最難関男子中学志望者は全員受けるように」と言われると、不要かなと思っても申し込んでしまいがちです。

夏期講習、冠模試、オプション講座のそれぞれは、おそらくですが校舎ごとに受講してもらいたい生徒数が決められていると思います。申し込まないお子様に対して先生が受講を促す様子を、ぼんず君が先生の口真似をしながら話したことがあります。塾にも受講を促す事情があるのでしょう。

ただし、お子様や保護者様にも受講するかどうかを決める事情があるのは同じです。必要であれば申し込めばよいですし、多すぎる、こなせない、必要かどうか分からない場合は無理して申し込む必要はありません。

要は、成績を上げればいいのです。

自宅学習で保護者様が毎日きっちり管理&監督できれば、夏休み明けの成績は上がります。個別や家庭教師の併用に懸けてもよいと思います。保護者様が勉強を見る自信がない場合は夏期講習に任せてみるのも手です。

いずれの場合でも、毎日の学習内容を記録して、どこまでできているか、何ができなかったか、あと何が必要かを細かく管理することが大切です。面倒ですが、だいたいとか勢い、ノリでやりたい勉強だけをさせてしまうと、夏休み前よりも成績は下がる可能性が高いです。

勉強は、内容以上に計画が大切です。保護者様の管理とも言えます。面倒ですが、一生続くものではありません。あと半年ほどです。表を作るところからやってみませんか?

コメント

  1. 匿名 より:

    ぼんずくんのお母様
    以前、国語の先生を紹介していただいたものです。
    成績に高低差が激しく最後は偏差値50辺りをうろうろしだした我が子が
    この4ヶ月公開テストも合否も60超える偏差値で安定しております。
    もちろん1月に合格しないと。。なんですが
    本当にありがたくてどうしてももう一度お礼が言いたくて
    コメントさせていただきました。
    苦手な算数もこれで底上げしてくれたら言うことなしなんですが
    本当にありがとうございました。

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