本日は、東洋経済オンラインの記事「デキる子の頭の中は『樹木構造』になっている あの子は出来が違う!は気のせいではない」をご紹介します。
記事は、小6の女の子の保護者様の質問に答える形式でまとめられています。質問内容は、デキる子は頭の構造がそもそも違うと思うが、どのような状態になっているのか、膨大な暗記内容に対しては繰り返し覚えるしか手立てがないのか、です。
回答者の先生は、「デキる子は頭の構造が違っていますが、その構造は生まれつきではなく、後から作ることができます。」と答えています。
その構造とは「樹木構造」で、分かりやすく例えると、パソコンの中にフォルダを作成して整理するディレクトリ構造に似ています。本の目次もそうです。
この基本的な樹木構造を一歩発展させて、葉っぱと根を追加し、「思考の樹」という構造にしたものが紹介されています。
「思考の樹」のパーツは次の要素で構成されています。
- 幹:いちばんの中心軸で、テーマになります。
- 大枝:テーマを分かりやすくするための中項目
- 小枝:必要に応じて、大枝をさらに分かりやすくするための小項目
- 葉:小枝についている具体的な事例や問題
- 根:背景、理由、言いたいこと
学問や勉強の世界は、この構造がしっかりとできています。子どもたちにとっては情報(葉っぱ)ばかりに見えるかもしれませんが、よく見ると、根や幹があります。
ただ、教わる時には「これは幹」「これは葉」と、いちいち分類して説明はしてもらえません。そのために、頭の中でまとまりがなくなり、訳がわからなくなります。
お子様の頭の中に「思考の樹」をインストールする方法はいくつかあります。
■樹木の絵を描いて、分類する
分かりにくいと思っている分野や国語の文章問題を分類してみると、見事に樹木になることがわかります。すると、その樹木がイメージとしてインプットされて、記憶されます。樹木の絵のモデル図を掲載します。
授業を聞く時も、樹木のどこに当たるかと分類しながら聞くと、分かりやすくなります。テーマ(幹)は何か、枝、葉に分けて、最後にいちばん言いたいことである根を見つける癖をつけます。
■目次の活用
教科学習では、目次を使う癖をつけます。具体的には、今、学習している内容(現在位置)は、全体の目次(地図)のどこに当たるかを確認する癖を付けます。現在地が分かると人は安心するからです。
ノートを取る時に、樹木のどの部分に当たるかを意識して、記号で分類します。
- 幹→テーマ、タイトルなど
- 葉→例、exなど
- 枝→1, 1-1, 1-2など
- 根→いちばん言いたいことだとわかる記号を使う。数学の「よって」を示す「∴」などを使う。
このように、情報を分類して、そこから重要なものは何であるかを読み取る訓練を続けます。このやり方はどの科目にも応用できるだけでなく、社会人になってからも活用できます。
頭の中に木を植えて、枝葉を付けながら記憶を整理する方法は、私が学生時代からずっと実行している暗記方法です。ぼんず君に初めて英文法を教える際も、ぼんず君の頭の中に木を植えることを意識しながら説明しました。
また、塾のテキストの目次を縮小コピーして、ノート表紙の裏に貼り、今、どの単元を勉強しているかを常に意識させました。目次の縮小コピー貼りは、とてもおすすめです。
頭の中に木を何本も植えることで、結構な量の記憶を保存することができます。問題は、保存した内容を、必要な時に、頭の中から瞬時に出すことができるかどうかです。
これは、木を植えるのとはまた別の訓練が必要で、使いこなすのに数年かかります。ぼんず君で絶賛実験中です。「これだ!」と思う方法を思いつかれた保護者様は、お子様で試してみてください。
その前に、まず、木を整理して頭の中に植えることと、せっかく木を植えるのであれば、枝葉を実らせて、木が倒れないようなしっかりした根を持たせることが大切だと思います。
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