夏休みのこの時期、主に弱点補強の目的で、家庭教師や個別指導の導入を検討される小6保護者様からの問い合わせが増えるそうです。個別や家庭教師は高額なので、利用しないで済むならそれに越したことはありませんが、小6夏以降はそうも言ってられません。
私のように、これまで保護者様が勉強を教えていたけど、今の時期になっても記述問題が書けないなどの場合、この先も同じ勉強方法を続けていてもずっと出来ない(解けない)ままで受験を迎えることになります。出来ない=不合格です。最難関の場合、学校や年によって異なりますが、合格できるのは全受験者の半分から1/3です。
夏の模試結果を踏まえて、あるいは苦手教科補強目的で、初めて個別指導や家庭教師の依頼を検討されている保護者様向けに、我が家の経験を踏まえて、初歩知識をまとめました。
■家庭教師と個別塾の違い
漠然としたイメージでは、個別指導は駅前の個別塾に行って、ブースで仕切られた机で先生と1対1で指導を受ける。家庭教師は先生が自宅に来て、自室で1対1の指導を受ける、でしょうか。
私の分類は少し異なります。それは契約が対法人か、対個人かです。教室内のブースで受ける個別指導の場合、ほぼ100%対法人契約です。指導開始前に契約書を結び、毎週の指導曜日と時間、担当先生、欠席振替時の約束事などを書面で取り決めます。万一、担当先生が退職や異動などでいなくなっても、塾が何とかして代わりの先生を用意してくれます。
一方、個人契約の家庭教師の場合、口頭での取り決めで指導が開始され、書面で契約を結ぶことは稀です。指導料はお帰りの際に現金で都度払いで、領収書も頂きません。また、生徒側が指導を断ることが簡単なように、先生側がある日突然来なくなる可能性もあります。
最もリスクが高いのが学生講師です。大学の授業、試験期間、就職活動など、自分の都合で指導を休む人もいます。成績が上がらない、指導が下手などのクレームを付けられただけで来なくなる可能性があります。
また、学生講師は指導歴が短いこともあり、指導力に個人差があります。私立中学に合格したことと、私立中学を目指す小学生に教える力は全く異なります。学歴だけで指導力を計ることはできません。さらに、1月は大学の試験時期と重なるために、1月の入試直前期に全く指導を受けられない可能性があります。
次のリスクは、プロ講師による一方的な指導中止です。最も多いパターンは、もっと割の良い依頼者が現れて、そちらの指導に乗り換えられる場合です。
予算に糸目をつけない小6のご家庭から「相場の倍出すのでうちの子を見てください」と割り込み依頼を受けて、これまで指導していた小6のお子さんを簡単に見捨てた家庭教師を知っています。
上記の経験から、個人契約の家庭教師は信頼できる方から紹介された先生でない限り、おすすめしません。本名を名乗らないネットのブログ上だけでは指導力や信頼できるかは全く判断できないです。面識のない家庭教師をネットのブログ情報などで判断する場合、少なくとも本名を名乗る方、メールではなく電話で事前に話ができる方がよいです。
特に小6の場合、直前の一方的な指導中止を防ぐためにも書面で契約書を結ぶべきです。
その一方で、家庭教師は契約書で曜日と時間が契約で固定されていないので、柔軟な対応をしていただける場合があります。直前期は塾から帰宅後に真夜中まで自宅で家庭教師の指導を受けて、先生をご自宅最寄り駅まで車でお送りする話を聞いたことがあります。熱心な先生に巡り合うと、直前期に不安な保護者様の精神的な支えになってくださる方もいます。そんな先生に巡り合えたら本当にラッキーです。
■家庭教師の指導料金相場は1万円~/1時間
家庭教師、個別指導ともに1人の先生は1教科しか教えられません。算数と理科を1人で教える方が時々いますが、どちらか1教科がメインと考えるべきです。
算数と国語の補強を依頼する場合、2人の先生を手配する必要があります。家庭教師、個別ともに週1回が最小単位です(隔週は切られる可能性あり)。
家庭教師の場合、小6で1時間1万円が相場です。もっと高額な方もいます。学年が下がるとお値段も下がります。志望校が上がるとお値段は上がります。
1回の指導時間は3時間単位が一般的です。1回来ていただくのに3万円~+遠方のご家庭だと交通費も必要です。消費税の話はしたことがありません。
週に1回数学の指導を依頼する場合、最低でも1カ月に3×4=12万円かかります。週に2回だとですね。
さらに、指導合間の休憩時に出すお菓子やお弁当、お帰り時に渡すお土産は百貨店で購入する必要があります。家庭教師の先生はあちこちのご家庭で美味しいモノを出されることに慣れているので、お土産のランクを落とすと、いい加減な指導をされる場合があります。だから、私は家庭教師はあまり好きではありませんでした。
■個別塾の相場は1コマ15000円前後~
個別教室での個別指導の場合、塾にもよりますが1回の指導は60~90分で1コマ+10分休憩のパターンが多かったです。料金は志望校ごとに異なります。難関校になるほど、指導料金は高額になります。
最難関校対策で、1コマ15000円前後です。学年が下がる、または志望校の難易度が下がるほどに料金はお安くなります。
自宅家庭教師のように、毎回のおもてなしを考える必要がないので気は楽です。ただし、指導が終わって、次の方の指導までに10分ほどしか休憩時間がないので、先生とゆっくり話をすることはできません。先生も手洗い休憩や水分補給が必要です。
私はお昼前に指導が終わる枠でご指導いただいた日は、事前に先生にご連絡の上で百貨店でお弁当やデザートを用意して、差し入れしました。時々は受付、事務の皆さんにも差し入れしました。
大手塾はデカデカと「先生への心づけは禁止です」と書かれていますが、個別塾は差し入れが禁止でないかを確認した上で、問題なければ予算が許す範囲でお渡しするのも1つの手です。
私が頻繁に差し入れをしたのは、先生をものすごくこき使ったからです 後日、個別塾で先生にリクエストした内容をまとめますが、先生は、開始当初はあまりの要求の高さから、指導を嫌がっているのが伝わってきました。
しかし、最後まで本当によく頑張ってくださいました。人間、大事にされると「頑張らなければ」と思うものです。
料金の目安は、個別で週1回の指導で消費税込みで7万円前後、週2回で15万円前後です。高額でびっくりですが、長期休暇中や直前期は「爆受講」という言葉があるように、毎日2~3コマ以上受講を続ける方も出てきます。直前期は金銭感覚がおかしくなって、少々の出費は何とも思わなくなります。後で冷静になり、「こんなに使ってしまったのか」と愕然とします。
高額な指導料金でも、家庭教師、個別指導ともに、人気の先生は1年以上前から予約でいっぱいです。「小6からお願いします」と小3の時に予約することはできません。
家庭教師の場合は、小3の時からずーーっと指導を続けなければなりません。それでも太っ腹な保護者が突然現れて、割り込まれて、はじき飛ばされることもあり、計画通りにいきません
次回以降に、個別指導や家庭教師を依頼する際のチェックポイントをまとめます。
コメント
ぼんず君 お母様
いつもブログ、ありがとうございます。
先日、社会の質問をした者です。
個別や家庭教師も検討を始めていて、参考になります。
当方は地方ですので、適した個別や家庭教師が少なく、苦戦しております。
やっと探した先生は息子の志望校以外の最難関校ご出身の大学生でした。
色々と悩ましい日々が続いています。
ブログ、ありがとうございます。