本日は、週刊東洋経済7月27日号の特集記事「中高一貫校特集~子どもが幸せになる学校選び」の抜粋をご紹介します。週刊誌の抜粋記事として一部だけが東洋経済Plusオンライン記事で紹介されていますが、目次にあるこの特集を読みたいなーと思う記事は当然公開されていません。抜粋記事だけでも非常に有益な情報が満載のため、この号は中学受験をご検討される保護者様は購入する価値があると思います。
首都圏を中心に中高一貫校の人気が回復しています。その理由の1つに2021年から実施予定の大学入試改革の影響があります。センター入試に変わって導入される「大学入学共通テスト」では国語などでの記述式問題の導入、英語民間試験を活用した英語4技能(聞く、話す、読む、書く)の評価や、主体的に学ぶ力を評価するための提出書類の改善などが改革のポイントです。
中高一貫校での6年間の教育であれば、「知識・技能」だけでなく「思考力・判断力・表現力・主体性」が求められる試験への対策がより可能であると期待されています。そんな中で、どのような学校を選ぶのがいいでしょうか?
学校の選定基準として
- 共学か否か
- 大学附属校か否か
- 教育理念
- 校風
など複数の要素が挙げられますが、ここでは「校風マトリックス」を用いて、学校の校風を4つの要素で可視化し、複数の学校の中での相対的な位置づけを図式化しました。関東地区と関西地区の男子校、女子校、共学校、大学附属校の4分類の図表を紹介します。
縦軸は、
- 上に行くほど「革新的で生徒に様々な経験の機会を与える」学校
- 下に行くほど「従来の知識を重視する学校」
横軸は、
- 右に行くほど「学校が勉強や生活面を管理する」学校
- 左に行くほど「生徒の自主性を重んじる」学校、を表します。
校風が合わない学校に入学してしまうとつらい思いをします。偏差値以外にも選び方の軸があることを知ってほしいと記事は結んでいます。
私は関西地区の男子中と一部共学中のことしか分かりませんが、この校風マトリックスは画期的な内容だと思います。私のそれぞれの学校に対するイメージとマトリックス上での位置づけはほぼ同じです。昨年9月のブログ記事「中学校の文化祭と学校の校風」では具体的な学校名は書きませんでしたが、以下のマトリックス分類と同じことを思いながら記事をまとめました。
- 東大寺学園は生徒の自主性を重んじるものの、従来の知識を重視する学校
- 大阪星光は管理的要素を含み、従来の知識を重視する学校
- 洛星・甲陽は生徒の自主性を重んじ、革新的な経験の機会も用意する学校
- 西大和は学校が勉強や生活面を管理するものの、革新的な経験の機会が多い学校
と分類されています。ほぼこの通りだと思います。
あれ、灘中はどこにある?と思ったら、枠外に筑波大附属駒場と並んで「生徒の成熟度が高く別格扱い」に分類されていました。神戸女学院がいちばん左端の自主性を重んじる分類であることに驚きました。
関西の中高一貫校の多くは、管理型の傾向があり、従来の知識を重んじる学校が多いです。革新的な経験を望まれる場合は、男子校は灘中のみ、女子中は該当なし、共学は西大和、須磨学園、清風南海など複数の学校が分類されています。
校風マトリックスは、あくまでのこの記事の編者による分類であり、実際の判断は、学校説明会や見学会を通じて保護者様やお子様が感じられた気持ちを重視していただくのがよいと思います。
関東地区の中学校は全く分からないのですが、イメージとマトリックスにどの程度相関関係があるか気になるところです。
コメント