興味深い内容の記事を見つけたのでご紹介します。
東洋経済オンライン2018年4月7日の記事で、東大の入試問題は「最低限の知識で解くことができる、頭のやわらかさが求められる問題」が数多く出題されていることを具体的な問題と合わせて紹介する内容です。
実際に東大で出題された問題が例として掲載されていますが、その内容はかなりびっくりするものです。
次の表は、日本国内の4地点における時刻表を示したものである。
②東京郊外の住宅団地のバス停(最寄りの駅前行き)
③人口約10万人の地方都市の駅前のバス停
④人口約5000人の山間部の村のバス停
※2005 年 地理 第2問 一部改変
ちゃんと考えないと正解することが難しい問題です。しかし、私のように大学受験の勉強から久しく遠ざかっている大人でも、交通機関運用のルールや世の中の仕組みを理解していれば、簡単に正解できます。
いちばん分かりやすいのは、②東京郊外の住宅団地のバス停ですね。朝、最寄り駅に向けて出勤する会社員や学生のために午前6~8時台の便数が多く設定されています。d=②です。
次に分かりやすいのは、④人口約5000人の山間部の村のバス停です。①~④の中で利用者数が最も少ないことから、a=④です。
①と③の区別が難しいですが、見分けるポイントは、①の時刻表が「航空便の出発時刻」であることです。飛行機の出発時刻で8:07や10:52の設定は見たことがありません。通常、飛行機の出発時刻は10分刻みで設定されています。したがって、b=①、c=③が正解です。
東大では、「渋谷駅の構造について考える(関西の方向けの注釈:渋谷駅はJR、東急線、地下鉄が乗り入れる大きな駅ですが、梅田のように整然としておらず、場所が狭い上に立体迷路のような作りで乗り換えなどの道順が分かりにくいです。ホワイティ梅田も迷路ですが、渋谷駅は階段移動が多く、使い勝手の悪さに拍車がかかります。)や「普段使う日本語について考える」授業など、日常のささいなことから学問をスタートさせる授業がたくさんあります。
一方、東大に次ぐ難易度の京都大学や慶応や早稲田などの難関私立大学では、知識がなくても解ける問題はあまり出題されません。私のイメージでは、京都大学こそ頭の柔軟性を問う問題を出題していそうですが、そうではありませんでした。
東京大学は、受験生に知識+
知識を運用する能力も要求していることが分かります。
東京大学の入試で頭の柔らかさが求められるのであれば、私立中学校の入試にも同様の傾向が波及すると考えられます。すでに関東の私立中学校にその傾向が見られます。関西の私立中学校の過去問でも何題かこの傾向の問題を見たことがあります。
特に小6の保護者様は志望校の赤本をパラパラ見ていただいて、各問題の設問意図を確認されることをおすすめします。私は昨年この傾向に気がついていました。まだ特定の形でしか出題されていませんが、今後確実にこの手の問題は増えると思います。
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