数学の学びにおじゃま虫となる3つの迷信【記事紹介】

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中学受験_記事紹介

本日は東洋経済オンラインの記事「数学の学びにおじゃま虫となる3つの迷信」をご紹介します。筆者は芳沢光雄氏(桜美林大学リベラルアーツ学群教授)です。

日本における数学の学びや教育に「迷信」として扱いたいものが3つあるので、それぞれご紹介します。

迷信1 算数→中学数学→高校数学へと重要性は増す

算数では基本的な計算だけを学んでおけばいい。中学生になると負の数や方程式を学ぶから算数より数学が重要になる。さらに高校生になると微分積分を学ぶからもっと重要になる、と考えている人が多いです。

 さらに、算数は、大人ならば誰でも教えられる。中学数学では図形の証明、高校数学では微分積分があるから、深い知識をもった先生でなければ指導できないだろう、とも考えられています。

一方で、「盲導犬や警察犬は子犬からしっかり育てることが大切」「建築物を調査するとき、実は見えない部分の杭などの基礎工事が大切」などは、よく理解されています。

算数から数学という流れを見るとき、誤った考え方をもってしまうのが残念でなりません。

わが子に暗唱させればよいと考える親たち

算数ではまず、1つずつ数えていくことから学びます。それは、単に「イチ、二、サン、シ……」と暗唱することではなく、同じ「3」でも3人や3匹という数えられるものから、3mや3gという物理量に至る、数は抽象的であることまでを学びます。

抽象性を鑑みることなく、1から100までを、わが子に早いうちから暗唱だけさせればよいと勘違いしている親御さんが多いです。

一方、国際的な数学調査(TIMSSなど)からも、日本の子どもたちの「数学嫌い」は際立って多いです。味気ない計算問題ではなく、子どもたちに面白い応用例を工夫して提示すべきです。

例えば、「音は1秒間に約340mで進み、光は1秒間に約30万km進みます。花火大会で、ピカッと光ってからドーンという音を聞くまで6秒かかりました。花火までの距離はおよそ何mでしょうか」という問題ならばワクワク感が高まるでしょう。 

算数より数学が重要だという迷信

文部科学省は、中学校や高校の数学教員免許状をもっている者は、小学校の教員免許状をもっていなくても算数を指導できるように弾力化を進めてきました。

この政策は支持しますが、数学教育全般にとって算数がとくに重要という考え方を示していきたいです。

迷信2 数学は答えを当てる教科である

1979年から始まった「共通一次試験」以降、大学入試ではマークシート式試験が広く採用されるようになりました。

マークシートの問題では文字変数に具体的な数字を代入すると答えが推測できる場合があります。そのような裏技を使って正解を見つけた場合、記述試験ならば0点であるもののマークシート試験では満点になるなどの問題点があります。

2020年度から始まる「大学入学共通テスト」から国語と数学で一部記述問題が導入されることになったように、マークシート試験は徐々に見直される運びとなってきました。

しかしながら、多くの生徒に浸透してしまった答えを“当てる”意識を、答えを“導く”意識に直すことは簡単ではありません。

大学入試の一般論を論じる記述式の数学答案に、文字変数に具体的な数字を代入して答えを当てるマークシート式問題の裏技を書いてしまうケースがしばしば見受けられるようになったことには驚かされます。

受験生は、このような奇妙な答案に点数は与えられないことがわかっていないようです。 それどころか最近では、プロセスが完全に間違っているものの偶然に最後の答えだけ合っている答案に対して、「答えが合っているからマルでもいいのではないか」という“苦情”が寄せられることであるそうです。

おそらく、このような現象の背景には、社会全体で「プロセスはいい加減でも結果がすべて」という困った発想が広まったこともあるのでしょうが、数学は答えを当てる教科だという迷信を過去のものにしない限り、奇妙な答案はなくならないと考えます。

迷信3 記号と数式があるから数学は難しい

日本では、なぜか”記号と数式があるから数学は難しい”と信じて疑わない人たちが多数です。その原因は、大きく分けて2つあると考えられます。

1つは先生に質問できない雰囲気があること。もう1つは、記号や数式を多用する数学の書物の執筆者が、記号や数式の定義を省く傾向があることです。(終)


 

難し目の内容と読みにくい文体のため、ご紹介するのをどうしようかと悩みましたが、1つだけ非常に有意義な内容があったので、ご紹介することにしました。

それは、「マークシート式の数学の問題の中には、文字変数に具体的な数字を代入すると答えが推測できる場合がある」という一文です。

非常に気になって、google先生に聞いてみると、分かりやすい説明の記事を見つけました

このやり方は、中学入試算数の「数の性質」の問題で、正解の当たりを付ける時に使用するやり方に似ています。マスターコースでは教えられませんが、灘合や志望校別特訓では、さらっと攻略法として教える先生がいらっしゃると思います。

「答えはこれではないか?」と推測して、解答を出していくのはたしかに邪道ですが、短い時間で大量の問題を正解させる必要がある中学入試では、技の1つとして活用してよいと思います。

進学塾で、攻略テクニックや魔法の方法を教えてくれる算数の先生が担当になるとラッキーですが、なかなかいらっしゃいませんね。

魔法の解き方は、超最難関中の算数を解く時にあると便利なことがありますが、5年生までは触れる必要はありません数の性質のルールをきちんと理解した上で問題を解く方が、結果として数学力はつくと思います!

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