本日の内容は、少し前の記事でご紹介した通塾検討中の小3男児・寝太郎君の保護者様が私に質問をされた内容を基にまとめました。タイトルの通り、極めて的を射た質問で眠気が覚める思いがしましたので、ぜひともご紹介したいと思います。
その前に、3連休に東海・東日本を直撃している台風19号の被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。私にできることを夜中まで考え続けて、昨日のブログ更新を落としてしまいました。アイデアをまとめて記事にする予定です。
台風の話をぼんず君として驚いたことがあります。
(日経新聞を読みながら)「つちのう」って何?
(なんだそれ?あっ)もしかして、「どのう」のこと?土にのうって書いてない?
そうそう!「どのう」って読むんだ。で、何に使うの?
(びっくり。ぼんず君、中2だよね?)
台風関連の用語でぼんず君が分からなかった言葉は、
- 決壊
- 冠水
です。ダムをなぜ放流する必要があるのか?放流すると河川下流がどうなるのかを手短に説明しました。道路のマンホールから水が噴水のように噴き出る理由も説明しました。
小学生かいな?と思うほどに物を知らなくて恥ずかしい限りです。お子様と台風の話をされる際には、軽く質問されてみてください。
本題に戻ります。小3男児・寝太郎君はこれまでに先取り学習や奨学社などの塾、公文式に通ったことがありません。そろそろ塾に通い始めた方がいいかなと思い、自宅からいちばん近い塾である浜学園に入塾しました。
しかしながら、寝太郎君の保護者様が当初思い描いていた状態と、現在の寝太郎君の様子の間にかなりのギャップがあるそうです。お話を伺うと、「あぁ、入塾当初はそういうところが分からないんだなぁ」と思う内容が多かったのですが(これは別途まとめます)、本日の記事は表題がテーマです。
寝太郎君は、勉強し続けてもこの先も成績が上がらない可能性はありますか?
(そんなの分からないなー。勉強の仕方が間違っているかもしれないし。)教育相談で普段教わっている先生に質問するといいですよ。
勉強をがんばっても、センスがないと成績は上がらないような気がして…。やはり親が賢くないと、子どもも賢くならないのでしょうか。
その傾向はあると思いますが、必ずしも全てではないと思います。
では逆に、親が賢ければ、子どもは勉強しなくても成績はよくなりますか?
小学校ならあり得るかもしれませんが、中学受験の世界ではそれは難しいと思います。こなさなければならない勉強量が半端なく多いので、何もしないでトップの成績を取り続けることは、まず無理です。
中学受験に限らず、勉強や成績に大きく影響する要素は主に3つあると私は考えます。
- 親の遺伝子
- 日々の努力
- 生活環境
■1「親の遺伝子」
親の遺伝子は必ずしも学歴だけではなく、自力で、計画的に、そして継続的(長期的)に勉強を続けられる「我慢強さ」を引き継いでいると、中学受験で有利に働くと思います。
ぼんず君は保育園の時代から、机に向かって長い時間(1時間以上)じっと本を読んだり、ドリルを解く習慣が身に付いていました。その様子を見て「すごい」「どうやったらこんな風に子どもが集中できるんですか」と驚く方が複数いらっしゃいました。
その質問内容を聞いて、「じっと本を読むことができないお子様がいるんだ」と、私が驚いた経験があります。
小児科の先生に言われたのは「ぼんず君は極めて育てやすい子で、これは生まれ持った気質」であって、私が躾けた要素とは異なるそうです。
親の遺伝子はお子様の成績にある程度の影響は与えると思いますが、その割合は半分以下だと思います。
■2「日々の努力」
日々の努力が必要なことは言うまでもありません。どれだけ優れた親の遺伝子を引き継いだとしても、日々の勉強をきちんと続けなければ、中学受験で合格を手にすることはまず難しいです。
遺伝子の強さだけで勝負できる受験は、ペーパーテストがなく、行動観察や面接だけで判断される受験までです。
ただ、我慢強さがないと、コツコツと大量の宿題を毎日こなすことは難しく、忍耐力の強さを引き継いでいる方がずっと有利だと思います。そういう意味では、1の要素を持つお子様は、2の「日々の努力」を続ける力が大きいと言えます。
■3:生活環境
生活環境とは、自宅所在地の学区、自宅内での勉強する部屋(場所)の状態だけではなく、生活全般にまで及ぶ環境や様式まで定義が広げられます。
生活様式の一例は、早寝早起きが習慣づけられているか、自宅に書籍や新聞が手に届くところにあって、自然と利用できる環境にあるか、テレビやゲーム、インターネットの利用環境(管理)を保護者様がきちんと実施されているか、甘い物の摂取を適切に管理された状態であるか、など勉強に影響する生活様式は多岐にわたります。
その多くは、お子様だけではどうすることもできない要素が多く、保護者様の考え方が直接的に影響を与える割合が高いです。
そういう意味では、3の「生活環境」は保護者様の考え方次第で、どのようにでも変更することが可能な要素が多く、保護者様の影響を大きく受けていると言えます。
「親の遺伝子」「日々の努力」「生活環境」のそれそれが成績に与える影響の割合に関する私の意見は、
「日々の努力」>「親の遺伝子」+「生活環境」
でそれぞれ割合は、6:2:2
くらいでしょうか。これは私の感覚です。個人差がありますが、日々の努力の割合は少なくとも半分はあると思います。
3要素のすべてが揃う状態が中学受験にとって有利となる可能性は高いですが、必ずしも3つの要素すべてが揃っていなくても、ある程度の結果は出せると思います。
●事例1
たとえば、親の我慢強い性質を引き継いだお子様で、努力の量はやや欠けるものの、保護者様によって十分に管理された生活環境下にある場合、どこかの段階でお子様は「勉強した方がいいかも」と気付きます。
●事例2
親の遺伝的要素をあまり引き継いでいなくとも、コツコツと努力するお子様で、誘惑の少ない生活環境で暮らす場合、高めの割合で結果が出せるのではないかと思います。
●事例3
我慢強い性格を引き継いだお子様がコツコツと努力を続ければ、結果は出ます。自宅環境が残念な状態であっても、適切な教材や教育機会を与えられれば何とかなります。
「親の遺伝子」「日々の努力」「生活環境」のうち、2要素が揃っていれば何とかなるのではと思いますが、3要素すべてが揃っていても、それだけでは不十分であることが事例3から分かります。
■「正しい勉強方法」と「適切な教材」も不可欠です
「親の遺伝子」「日々の努力」「生活環境」の3要素だけでは不十分な部分を補う補助要素として、
- 正しい勉強方法
- 適切な教材
が考えられます。これら2つの補助要素を同時に提供してくれるのが進学塾です。
つまり、基本3要素のうちのできるだけ多くの要素を備えたお子様が、進学塾で2つの補助要素を活用できることが最強パターンではないかと私は考えます。
正しい勉強方法は、科目ごとにプロ講師を揃える進学塾の教え方が最短かつ最良と思いますが、同じことを保護者様が教えられるのあれば、絶対に進学塾が必要とは言い切れないです。
大手塾が進出していない県から灘中合格者がぽつっと出て、話題になることがあります。自宅学習(直前期は塾を利用している可能性がありますが、基盤を自宅で築かれるだけでも驚異的です)だけでも保護者様の指導力があれば、最難関中の合格が不可能ではないと言えます。
もう一方の教材は、市販教材に良質な書籍が増えてきました。塾オリジナルの教材もネットで入手可能なものが多いです。問題なのは、それらの教材をお子様が読むだけでは独学で勉強することは難しいことです。
やはり指導者は必要です。スカイプでの遠隔指導を請け負う個人塾もありますが、少なくとも小学生は対面での指導が効果的です。
大人の私でも、仕事の場面で電話会議やTV会議の機会がありますが、今だに違和感があります。何十回と電話会議の場で一緒になった方よりも、たった一度でも対面でお会いすると一気に心理的な距離は縮まります。
■まとめ
親の遺伝子だけではなく、日々の努力や生活環境も成績に影響します。中学受験でこなす学習量を考えると、最も成績に影響を与えるのは「日々の努力」です。
ただし、日々の努力を間違ったやり方で続けても、効果は出ません。正しい勉強方法で適切な教材を使って学習することがとても大切です。
正しい学習方法と適切な教材を用意できるのは保護者様だけです。調達先は進学塾でも市販教材でも、保護者様の指導でも、何でもよいと思います。
保護者様だけですべてを抱え込むと、学年が上がるにつれて負荷が膨大になるので、塾や個別指導など外部の力を借りる方が楽です。
空いた時間で、お子様が3要素の中であらかじめ備えている要素と、不足している要素を見極めて、足りない要素を補いながら勉強を続けると、最も効率的に効果が出せるのではないかと思います。
コメント
奨学社です。
いつも宣伝ありがとうございます。
本物の奨学社様でしょうか?ブログの中で何度もお名前を使わせてもらっています。我が家は奨学社様のお世話になってないのに申し訳ありません。。。
こんなブログにまでコメントをくださり、ありがとうございます。