■学校再開は自治体ごとに判断が異なります
間もなく新学年・始業式の時期ですが、東京都や大阪府は5月6日まで学校の休校を決定しました。小中学校については市町村に休校を要請すると報道されていましたが、現在の状況から休校延期となる可能性は高いでしょう。
私立の小中学校の動きはまだ分かりませんが、現在休校中の学校は引き続き休校となる可能性があると思います。授業が遅れるリスクと感染者が発症するリスクを天秤にかければ、学校再開に踏み切ることは難しいのではないでしょうか。
…と思いましたが、私立中学校の中には春休み期間も閉鎖しないで講習を実施したところがあったり、4月以降は通常通りに授業を行う学校もあるようで、やや驚いています。
学校から「始業式は〇日です。」「入学式は〇日です。参加してください」と言われれば、行かざるを得ません。4月からいきなり欠席するのは難しいです。
学校再開ガイドラインに「基礎疾患を有するお子様が感染防止目的で学校を欠席する場合は、欠席日数に加えない」と書いてあったとしても、授業は毎日進んでいきます。1週間も休んだらもうついていけなくなるでしょう。
何よりも4月の新学期は新しいクラスメイトと親しくなる絶好の機会です。始業式初日から不在が続けば、その生徒さんは「いないもの」として他の生徒さんに認識されるかもしれません。
自分だけ学校を休むという選択は、かなり難しいです。
■塾の環境は密閉密着の閉鎖空間です
同じことは進学塾についても当てはまります。
3月前半の2週間は大半の進学塾が休講になりましたが、3月中旬の再開以降は通常モードで運営されています。春期講習も実施され、大規模イベントは自粛されているかもしれませんが、毎月のテスト(浜学園であれば公開学力テスト)は予定通り実施されます。
学校名の付いた模試などのイベントも少しずつ実施されると思います。そして、夏からは志望校別特訓が始まり、6年生で夏期講習と通常授業の両方に参加される場合は、1日中、塾で過ごすことになります。
浜学園に限ったことではありませんが、どの進学塾も1つの教室にぎゅうぎゅういっぱいに机を並べて、満席に近い状態で授業が実施されます。
生徒さん同士の距離は極めて近く、カンニングが発生しやすい環境です。
密閉、密着、そして講義を通じての対話が1時間近く続く環境の中で、もし自覚症状のない感染者が1人でもいれば、あっという間に教室から校舎全体、別の校舎への感染も考えられます。
それでも塾側は自発的に休講はしないと思います。
■塾の自発的な閉鎖が困難な理由を推測しました
理由は簡単です。経営面での問題からです。もっと具体的に言えば、一度納めてもらった授業料の返金をすることが難しいからだと思います。
同様の理由で、公開学力テストを1回でも飛ばすことは難しいです。かなりおおざっぱな計算ですが、外部受験生も合わせて1年生から6年生まで計1万人が公開学力テストを受験するとします。
受験料は学年により異なりますので(2科から4科まで、科目ごとに料金が異なります)、間をとって2500円で計算します。公開学力テスト中止の際は、1万人×2500円=2500万円を返金しなければなりません。すでに印刷済の問題作成費用もあります。
授業料はこの10倍以上はしますので、半月分の返金でも塾の持ち出し費用は億単位になります。大半の塾の入塾時に記載する申込書には「いったんお納めいただいた授業料等はいかなる理由があっても返金いたしません」と記載されているために、塾が返金する義務はありませんが、塾の判断で長期間授業を休止するのであれば話は別です。
私は「まあ、仕方ないな。自分で教えるか。塾も固定費が必要だろうし。」とあっさり諦めますが、塾の判断で休講にするならその期間の授業料を返金しろと主張する顧客(あえて保護者様とは書きません)も出てくるでしょう。
非常事態宣言でさえ、塾を休講にする法的な拘束力はありません。塾を休講にするには電車が止まるくらいの制限がないと難しいと思います。
■塾への要望と保護者様にお願いしたいこと
塾が通常運営である限り、多くの保護者様はお子様を塾に行かせます。自分のお子様だけ休ませて、授業についていけなくなる、テストの点数が取れなくなることが怖いからです。
コロナウィルスに感染するのは怖いですが、ちょっと塾で講義を受けて、テストを受けるくらいの間では感染しないだろう、となんとなく思われる気持ちはとてもよく分かります。
塾が授業をする限り、相当数のお子様は授業を受けに行きます。だからこそ、都道府県の公立学校に合わせて閉めてほしいです。
遠隔リアルタイムでのテスト受験は難しいでしょうが、使い回しではなく、生中継配信のウェブ授業を行うなど、工夫次第で1~2カ月は乗り切れるのではと思いますが、甘いでしょうか。
保護者様側は、もし塾が休講を決めたとして、その時に授業料の返金は求めないでいただきたいです。
私立中学校が3月に1カ月ほど休校になりましたが、学校に対して「1カ月相当の授業料を返金しろ」と要求する保護者様は、まずいないと思います。
理由は簡単です。学校の方が立場が上だからです。学校に意見をしたり、ましてや授業料を返してほしいと思っても、学校に在籍する子どものことを考えると、とてもではありませんがそのような要求は出せません。
学校には言えない要求を、塾に対しては思ったことを思ったままに要求する方が存在するので、塾も大変だと思います。授業を継続しても文句を言われ、休講を決めても文句を言われる。
いっそのこと法的に閉鎖を命令してほしい…と私が塾関係者なら思います。
■我が家もどうすべきか思案中です
我が家は通塾をどうしようか…と検討中です。
ウエブ授業の選択肢があれば切り替えたいのですが、ぼんず君が通う塾にその選択肢はありません。
正確に言うと、欠席者フォローウエブ授業の制度がありますが、有料です。1科目1回のお値段は3670円(税込)という丁寧なダイレクトメールが届いたばかりです。2科目で7340円、1カ月で3万円近いです。
ダイレクトメールを受け取って、「これは感染を避けたい方はウェブに切り替えてください」という意味だろうか…と思案しました。3月の時のように休講にしてほしいですが、難しいでしょうね。
4月第1回目の授業でテキストが配布されるために初回授業は行ってもらおうと思いますが、2回目からはウェブに切り替えることも検討します。こういう理由なので、無料とは言いませんがもう少しおまけしてくれないかな、無理だろうな。意見もできないな。払うしかないな。と堂々巡りしています。
これだけ私が夜中まで悩み続けても、政府が強権発動して「食料品店と病院以外の営業停止」を命じれば、すべてがひっくり返ります。そんなことはまずないと思いますが、何が起きるか分からないので、あらゆる可能性を考えるしかありません。
日々
■我が家に小学生がいたら、こうします
小学生のお子様については、3年生以下はまだ通わなくてもいい学年です。1、2年生ならいったん休学してもよいくらいです。3年生も同様です。
4年生からは悩むところですが、我が家ならウェブに切り替えます。復習テストは昼間にこっそり受験可能かどうかを相談します。
5年生はかなり悩みますが、4年生と同じです。
問題は6年生です。喘息などの基礎疾患持ちなら行かせないかもしれません。小学校が休校で私が在宅であれば、小学校がある時よりも相当多くの勉強が自宅でできるので、自宅学習に賭けます。
どの学年でも同じですが、ウエブに切り替えた時のクラス替え基準がどうなるかは確認しなければならないです。
できれば塾に一斉対応をしてほしいものですが、すぐの判断も難しいでしょうから、保護者様の決断が求められます。
受験生にとっては小学校の休校延期はプラスと捉えられます。世の中の動きを見ながらお子様にとっていちばん必要なことを選択すればよいので、答えは簡単なのです。しかし、マイナス面を考えると行動できないことはよく分かります。私も今その状態だからです。
どの決断にも利点と欠点があります。それを受け入れられるかどうか、実行するかどうかです。今回の事態では一斉判断を待ってそれに従うという動きは、行政からの相当な圧力または施設内で感染者が出るなどが起きない限り、その動きにはならないと思います。
正解があれば教えてほしいです。誰にも正解が分からないから悩んでいます。本日は結論のない終わり方で申し訳ありません。
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