■模試受験で学力の立ち位置を知る重要性
本日は、中高一貫校中学生対象の外部模擬試験の話題です。
私立中学校によっては中1の頃から外部模試を学校で受験するところもありますが、中には外部模試を受験する機会のない生徒さんもいらっしゃると思います。
新中2、新中3生で通塾されておらず、今までに外部模試を受験されたことのない生徒さんは、休校中で時間に余裕がある今の時期に一度外部模試の問題集か過去問を解いてみることをおすすめします。
学校で模試を受ける機会がない場合、中高一貫校の特徴の1つでもある「高校受験がない」ために、通塾なしで学校中心の勉強を続けていると、全国レベルで見た自身の学力の把握が難しいです。
また、難関中学に在籍していることで安心していると、いわゆる中堅校で学校の充実したバックアップ体制の下で学力を付けてきた他校の生徒さんと成績が逆転する現象が起きることもあります。
学校名だけでは大学受験を乗り切ることができないことを、模擬試験を受けることで早い時期に自覚してもらう機会となります。
■市販の駿台模試過去問集は重宝します
コロナウィルス感染の影響で、駿台模試を始めとする外部受験可能な模擬試験は中止となっていますが、過去問が掲載された問題集を使えば自宅で問題を解くことができます。
市販でもっとも入手しやすい外部模擬試験の過去問集は、駿台模試の過去問題集である「高校受験公開模試問題集」です。このブログでもご紹介したことがありますが、難関高校を受験する中3向けの模試の過去問集で、問題の難易度はそれほど高くありません。
中高一貫校は公立中よりも相当先取り授業を実施していることもあり、英語・数学・国語は何の対策をしなくても高得点が取れるはずです。
一方で、理科と社会、特に理科は、中高一貫校での学習内容は高校受験向けの駿台模試の出題内容と大きく異なるために、英数国よりも点数が取りにくいかもしれません。
理科と社会については、中高一貫校生よりも中学受験の勉強中の小学校高学年のお子様の方が高得点が取れるかもしれない問題の内容です。
数学も3割以上は中学受験算数の知識で解ける問題です。数の性質、場合の数、平面図形、立体図形、速さのいずれかが毎回出題されています。流水算や数字カードの組み合わせ問題の解き方を今でも覚えていらっしゃるでしょうか? このあたりの記憶があいまいだと偏差値70以上を取ることは難しいです。
■中高一貫校生向け模試と駿台高校入試模試の難易度比較
別冊解答に偏差値換算表が掲載されていますので、採点後の得点からおよその偏差値が推測できます。
駿台の「高校受験公開模試問題集」は高校受験向けの内容ではありますが、毎回4000人以上が受験する模試であることから、全国レベルでのおよその学力の立ち位置や、得意科目、苦手科目の把握に役立ちます。
高校受験向けの模擬試験ではなく、中高一貫生を対象にした模擬試験もあります。
規模が大きいものとしては、Z会と河合塾共催のアドバンスト模試(中学実力テスト)と駿台の中高一貫模試があります。アドバンスト模試は学校単位での受験で個人で申し込むことはできませんが、駿台の中高一貫模試は駿台のサイトから個人で受験を申し込むことができます。
どちらの模試も過去問集は書店などでは入手できません。過去問を見た私の印象で模試を難易度順に並べると、
駿台中高一貫模試>アドバンスト模試>>>>駿台高校受験模試です。
■最も難易度に差がある科目は数学です
この順番したいちばんの理由は、駿台中高一貫模試とアドバンスト模試は数学の出題範囲が完全に中高一貫校向けで、小学生では解くことができない問題が大半であることと、問題の難易度も高いことです。
駿台とアドバンストの順番は相性もあると思いますが、私はアドバンストの方が説きやすい=簡単という印象を受けました。
英語の問題は長文問題で使用される単語は平易ですが、30文字で理由を日本語で要約するような問題があり、慣れていないと解けないです。
駿台の高校受験模試にも英語の記述問題はありますが、中高一貫校向け模試と比べると相当に平易な設問です。
国語、理科、社会については、3つの模試で難易度にそれほど大きな差は感じられませんでした。中学生の学習では英語と数学が鍵となることが推測できます。
多くの塾では、中学生向けに英語と数学の講義だけを提供するところが多いのも納得できます。
■模試過去問解きで多くの気づきがあります
しばらくの期間は大規模開催の外部模試を実施することは難しいため、市販問題集を活用しての模擬試験の過去問を解いてみると、いろいろな気づきがあって参考になる結果が得られると思います。
昨年我が家が駿台の問題集を解いた時、多くの気づきがありました。
- 中学受験の算数を結構忘れている。
- 小6以降ほとんど勉強していない社会をかなり正確に覚えている。
- 国語力がかなりついている。読書と新聞の効果だと思います。
- 英語は塾のおかげで長文に対する免疫ができていて有利。
- 理科は中学受験範囲の地層、星座、生物などを忘れている反面、物理と化学分野は楽勝。
3科、5科それぞれの総合得点で見ると推定で結構な上位群に入りますが、中高一貫校で学ぶ生徒としては当然の結果です。
中高一貫校の中2、中3生が駿台の高校入試模試の過去問で苦戦する場合は、この休校期間にしっかり勉強する必要があります。学校の課題に加えて、駿台模試過去問を3冊ほど解けば、模試に対する勘はすぐに戻ります。1日に2科目解いたとして、2年分=2冊の過去問集が解けます。
「思ったよりも点数が取れなかったな」「勘が鈍っているな」「ちょっとがんばって勘を取り戻さないといけないな」とお子様が気づくことが大切です。これは過去問を解いてみないと気づきません。
過去問をただ解くだけではお子様も楽しくないでしょうから、推定偏差値に応じてご褒美を付けると本気度が増します。単調な毎日の中、ゲーム感覚で勉強を楽しむきっかけにしていただきたいです。
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- 問題演習&ビデオ解説で理解が深まります
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