■テストで点数が取れれば即やる気につながります
大阪市内の小学校は12月25日(金)が終業式です。6年生のお子様は「学校が休みになれば、好きなだけ勉強ができる!」と終業式が待ち遠しいでしょう。
直前特訓以降のお子様は、今まで生きてきた中で最も真剣に密度の濃い勉強をするという、中学受験の醍醐味を経験することになります。体調管理に気を付けて、がんばって!という気持ちでいっぱいです。
直前特訓以降は、とにかくテストの数が多いです。毎日全ての授業でテストが実施され、毎日大量のテストが返却されて、ものすごい量のテストやプリントを持ち帰るようになります。1つ1つのテストを大切に受けていただきたいです。
本日の記事は、算数の難しいテストを受ける時に、少し頭の中に入れておいていただきたい内容をまとめました。やや上級向けの内容です。
■試験問題は前から順に解く必要はありません
算数のテストを解く際によく言われることは、必ずしも前から順番に解かなくてもよいことです。まず最初に計算問題を解くことは鉄則ですが、次に大問2、それから大問3と順に解く必要はありません。
全体をざっと見渡して、確実に自分が解ける問題から解き始めるべきです。
では、「確実に解ける」と確信できる問題とは、どのような問題でしょうか。それは、見た瞬間に解法が頭に浮かぶ問題です。塾のテキストや日特、プレ模試などで似たような設問であったり、同じではなくても考え方が似ている問題であれば、解答までの道筋が頭に浮かびます。
確実に解ける問題は、計算だけは間違えないように正確に解きつつも、速く解き終えることで、その時間を難問に充てることができます。
■分からない問題に時間をかけ過ぎない
入試に限らずテストの鉄則として、確実に解ける問題から解いていくのが王道のため、最後に自信のない問題や、全く解法が浮かばない問題が残ります。全く解法が浮かばない問題は最後に手をつけるとして、確実に解ける問題の次は、やや自信のない問題を手掛けます。
自信のない問題が複数残っている場合は、その中でもより解けそうな問題から手を付けます。直前期の勉強は時間を意識することを記事でまとめましたが、それは入試本番で1問に使える時間を意識することの練習です。
算数の入試本番で、解けない問題1問に対して20分も30分もかける人はいません。そんなことをするよりも、確実に解けそうな問題を全部解いて、余った時間で解き終えた問題を見直したり、解けるかもしれない問題に挑戦する方が、確実に得点を上乗せできます。
解き方の分からない問題に入試本番でどう向き合うか、その一例をご紹介します。
■本番では解けるかどうかの見極めを2分以内でする
本番で解けるかもしれない問題に取り組む時の大原則は、1問に時間をかけ過ぎないことです。灘中算数1日目のように問題数が多い場合、1問を考え始めてから解答を書き終えるまでに使える時間は5分程度です。
5分の内訳は、
- どのような解き方で解き進めるかを見極める
- いちばん良いと思った方法で書き始める
- 書いてみたら違っていた場合は、即方針転換で、次の解き方で解いてみる
- 解答として形が整っているか、採点者に解き方を理解してもらえる書き方であるかの確認(記述式で部分点がある場合)
- 軽く検算と見直し
ここまでを5分で終わらせる必要があります。解けるかなと思って解き始めても、残念ながら解けないなと気が付くこともあります。
もちろん全力で粘って解法を見つけてほしいですが、それでも粘れる時間は最大で2分までです。
■焦らずに深呼吸と設問をしっかり読むことが大切
考えタイム2分間で解法の糸口を見つけるためには、これまで塾などで教わったあらゆることを思い出して、その中からこの問題に使えそうな法則を見つけるしかありません。
問題は必ず解けるように作成されています。問題作成者の意図を考えれば、解法のヒントは意外と早く見つかりますが、試験本番で緊張している小学生は、とにかく焦りがちで、慌てて必要のないことを紙に書くうちにあっという間に2分が経過します。
解き方が分からない、時間はどんどん経過するので気持ちは焦る。
そのような時は、ひと呼吸おくようにお子様にぜひ話をしてあげてください。焦る時点で、もう解法は浮かんできません。焦っている時は呼吸が小さく、短くなりがちです。そして十分な酸素が脳に行き渡らなくなります。
だからこそ、1回深呼吸をしてほしいです。ゆっくり息を吸って、吐く。5秒ほどで終わります。それから、こんがらがった頭をリセットして、再度、問題の設問をしっかりと読んでください。解法のヒントは問題文の中にあります。当たり前ですが、見落としがちです。
落ち着いて、もう一度考えても解法が浮かばない時は、その問題はもう後回しにして、次の問題に移ります。これを2分以内で判断してください。
■1問解き終えるまで止まらずに手を動かし続ける
いけそうだ!と思ったら、思いつくことをどんどん書いていきます。似たような解き方、塾で聞いた説明、あらゆる記憶や演習を総動員して問題に立ち向かってください。
大切なことは、1問を解き終わるまで絶対に止まらない。文字を書く手を止めない。止まったら負けです。超最難関中を受験するお子様は、皆が解ける問題は確実に正解させます。1つ抜きん出るためには、ぱっと見では解法の分かりにくい、正答率の低い問題を正解させなければなりません。
「解き方が分からないなー(あー困った)」などと、思考が止まり、手が止まり、ただ問題用紙をぼーっと見ているだけなのはいちばんダメな状態です。
初見の問題を解く際、止まってしまうお子様は非常に多いです。私は、ぼんず君に「止まらない」「動いて」「字を書いて」「粘って」と、中学受験の最中だけではなく、今でも言い続けています。
諦めないで書いていると、
ふっと
解法が降りてきます。普段の努力の成果です。
■難問に対して止まらない練習は直前特訓で
12月も残り1週間ほどとなった今、上記の練習をいつできるでしょうか。
その答えは、もちろん直前特訓です。さらに、年末年始に入試演習やプレ模試があります。直前特訓では「そこまで不要ではないか?」と思うほどに連日テストがあります。そのテストの時間をぜひとも本番だと思って、解き方の分からない問題に立ち向かってみていただきたいです。
ポイントは、
- 最初の2分で解けるかの見極めと解法を決める
- 止まらない、書き続ける
- 諦めない、でも問題を選択する決断力も必要
算数が取れれば、合格が見えてきます。がんばってください。応援しています。
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