【記事紹介】京大3人に1人の伝統、洛星の全人教育

スポンサーリンク
中学受験_記事紹介

本日は、日経スタイルの記事「京大3人に1人の伝統、洛星の全人教育・阿南孝也校長インタビュー記事」をご紹介します。

洛星中学・高校京都で2校しか残っていない男子校のひとつです。高校では生徒を募集しない「完全な中高一貫校」としては京都唯一の存在です。関西屈指の進学校で、創立以来の京大合格者は累計4200名、これは卒業者の1/3に当たる数字です。洛星の特徴と強みを阿南孝也校長が語られた内容をまとめます。

「完全な中高一貫という特色が洛星の校風を生んでいます。1学年220名の規模で、高校から加わる生徒もいないので、一体感が強まりやすいです。中高が一緒に活動するクラブが多く、縦のつながりが育まれます。目標に据えている全人教育にふさわしい、落ち着いた環境を保てるのが完全中高一貫のメリットです。」

2019年春の大学合格者数は、京都大学が48名、東京大学が16名、大阪大学が21名、京都府立医科大学は17名です。1958年からの卒業生は延べ12860名で、京都大学合格者は4241名もいることから「卒業生の3人に1人」が京大合格という計算になります。

平成30年間の京都大学合格者は全国2位である集計もありますが、上位校へのむやみに誘導する進学指導はしていません。では、どうして高い進学実績が保てるのでしょうか。

背景には中1から培った学びの習慣があります。中1の夏休みまでは宿題を多めに出し、家庭学習の習慣付けを最大の目標に据えています。英語の授業は毎日あり、こまめな小テストで理解度を測り、家庭学習のありようをフォローします。体に学習習慣がしみ込んでいるため、高3のクラブ終了からすぐに受験勉強に切り替えることができます。

洛星の母体はカトリック教会の聖ヴィアトール修道会です。「心と頭と身体のバランスのとれた人間を育てる」という教育方針を掲げ、目指す人間像を「人の痛みに気づける人」としています。キリスト教に根差した全人教育は1952年の創立以来揺るがず、宗教の授業もありますが、信仰を強いるわけではありません。寺社の子弟が入学するケースも珍しくないそうです。

全人教育の柱と位置付けるのは、多彩な学内行事です。とりわけ盛り上がるのが12月に開くキリスト降誕劇「クリスマス・タブロー」で、中高を通じて参加する伝統行事です。加えて、オーストラリアやハーバードで過ごすグローバル体験、50を超える活発なクラブ活動の活躍も目立ちます。

理系志向が強いのも洛星の特徴です。比率は理系7:文系3で、医学部志望者も多いです。「世の中の役に立ちたいという意欲が強く、具体的に貢献できる医学を目指す生徒が多いと阿南校長は分析されています。高1では洛星OBの教員や学生が京大キャンパスを案内する京大ツアーにも参加できます。京大OBには浅田彰氏をはじめとする著名人が数多く存在します。

三井住友フィナンシャルグループ名誉顧問の奥正之氏が日経新聞「私の履歴書」で洛星の思い出をつづられた内容が興味深いです。学生当時は反抗期だったので倫理や宗教行事の説教を聞き流しがちでしたが、社会に出て実感されたことは、社会人として欠かせぬ倫理観を身に付けるには若い時分からでないと間に合わないのではないだろうか、と述べられています。

完全中高一貫生、キリスト教という不動の軸、歴代OBという無形の宝。これらの三位一体を強みに持つ洛星は、新しい時代にも次世代の担い手を送り出し続けることでしょう。

受験時代から「洛星」で思い浮かぶことは「後期受験」です。関西最難関校の1つである洛星が、東大寺入試の後から、さらにもう一度受験の機会を設ける意味をよく考えていました。統一入試だけで十分な合格者を出すことができるのに、なぜ後期受験を実施するのか。

同じことは、大阪星光の高校受験もあります。合格者ゼロの年もあり、例年数名程度の合格者しか出さないのに、なぜ高校受験を実施するのか。

以下の内容は全くの私の推測で書いています。

両校ともキリスト教が経営母体であることと関係あるのではと、私は思っています。洛星後期はまさかの最難関不合格者に最後のチャンスを用意する機会になっています。星取り併願の方は別にして、専願受験の方は統一入試で残念ながら合格できなかった方ばかりです。

極限の精神状態の中で、自分を立て直して、投げ出さずに、諦めずに、もう一度受験しようと願書を出して、併願生がはしゃぐ中で合格を取りに行こうと前を向くお子様の姿が目に浮かびます。洛星後期で合格されたお子様は、本当に強いです。

大阪星光の高校入試も、中学受験で星光に合格できず、中学3年間を過ごしてもどうしても星光をあきらめることができなかったお子様のために用意した機会ではないかと思っています。たった数名程度の受験生のために、毎年新たな入試問題を作成するのですよ。手間がかかりすぎです。そして合格者ゼロの年もあり、合格者が出ても数名。経営面だけで考えると、高校入試は廃止すべきです。中学部の人数によっては実施されない年もありますが、今春は実施されていました。

星光は「放校」制度のことで面倒見があまりよくないのでは、と言われることもありますが、面倒見のよくない学校がこんな手間のかかる高校入試をするとは思えません。洛星と星光は根底に流れる思想が似ていて、それは両校ともキリスト教が母体であることに通じるのではと思います。

両校とも、塾の偏差値表では最難関七校の中では比較的受験チャレンジのしやすい学校という位置付けですが、学校の理念、教育方針、そして何よりも卒業生の進学実績を見る限りでは、非常に魅力的な学校だと思います。

私はキリスト教にはあまりシンパシーを感じることはなく、どちらかといえば大仏様の方に惹かれますが、我が家が京都住まいであれば、洛星が第一志望であったと思います。我が家の中高一貫校選定基準にもどんぴしゃりであてはまります。洛星の校風はよく存じておりませんでしたが、この記事を読んで、思っていた通りの素晴らしい学校であることが良く分かりました。制服もクラシカルで素敵ですね。洛星に通われるお子様の知り合いがぼんず君にはいないので、実際の様子が分からないのが残念です。そういう時の文化祭ですから、余裕のある低学年のうちに、多くの中学校を訪問されることをおすすめしたいです。

コメント

  1. ラベンダー より:

    おはようございます。夏休みが始まり、夏期講習、日特、マスターと淡々とこなしています。にじみでている疲労感に、効率的な計画でなんとかプラスアルファの勉強をと日々狙っています。これからの夏休みも、どう乗り切るか、手探りの毎日です。
    ブログの再開をお待ちしています。

    • bonzukun_mother より:

      こんばんは、コメントありがとうございます!
      なんとかブログ再開できそうです。
      また読んでくださいね。

  2. 鉄母 より:

    こんにちは。以前にぼんず君と同じ鉄男で、浜に通っている男の子の母ですとコメントさせていただいたものです。その節はお返事を頂きありがとうございました。おっしゃる通り、我が子もポケットから色々なものが出てきます。ポケット時刻表や、消しゴムカスを丸めたものなどなど、、、
    お返事を頂いて以来、息子のポケットからおかしなものが出てくるたびに、ぼんず君に想いを馳せ、我が子もできればぼんず君のようになってほしいと願うようになりました。
    ぼんず君のお母様の書かれるこのブログは私にとって、心の拠り所であり、我が子を導く為の羅針盤でもあり、なくてはならない存在です。

    さて、前置きを長々とすみません。
    今日コメントさせていただいたのは、こちらのブログが最近更新されてないので、何かあったのではと心配になったからです。
    京都アニメーションの火災とタイミングが同じであることから、まさか、まさかそんな事ないだろうと思いながらも心配でならず書き込みさせていただきました。
    このようなコメントが余計なご負担になるであろうとのためらいもありますが、もし、このままブログをお辞めになったとしたら私はこんなにもお世話になった、ぼんず君のお母様に一言のお礼も申し上げないままになってしまうと思い、書き込みさせていただきました。

    息子は夏休みの今、毎日の宿題に加えて過去の復習テストを解き直しています。「いやだなー」と言いながらも、私が、「最難関行った子だって、こうやって何度も復習テストを解きなおしたり、サイエンスをボロボロになるまで読み返したりしたんやって」と言うと、頑張って取り組んでいます。
    奈良の最難関を目指すのだそうです。(偏差値をあと10は伸ばさなければなりませんが。)
    こちらのブログのおかげです。その他にも沢山参考にさせていただいています。本当にありがとうございます。
    願わくばまた、ブログを拝見させていただきたいというのが正直な気持ちです。いつかまた、ブログでお会いできますように。

    長々と一方的に失礼致しました。

    • bonzukun_mother より:

      こんばんは。コメントありがとうございます。
      我が家のやり方を参考にしていただけて何よりです。
      ブログ再開できそうですので、また読んでくださいね。

  3. miya より:

    ボンズくんママさん、いつもブログを拝読させていただいています!
    ここ数日ブログ更新されておられないので心配しております、ご多忙等ならいいのですが、もし体調崩されているならお大事になさって下さいね。

    6年生の愚息は浜に通う6年生の筋金入りのテツで、国語が苦手というところまでボンズくんに似ているので、ブログ本当に参考にさせていただいています。
    次回のブログも楽しみにしておりますが、ご無理はなさいませんように。

    • bonzukun_mother より:

      こんばんは、コメントありがとうございます。
      国語苦手男児は多いですよね。特に物語。。。
      ブログぼちぼち再開予定です。
      6年男児がんばってーー。応援しています。

  4. ラベンダー より:

    おはようございます。六年生の夏休みが始まりました。娘とともに頑張ります!
    体調崩されていますか?またブログをお待ちしています。

error:Content is protected !!