本日は現代メディアの記事「開成・灘ら名門教師たちが警告『朝、親は子どもを起こしてはいけない』」をご紹介します。
これは、教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏の著書「開成・灘・麻布・東大寺・武蔵は転ばせて伸ばす」をベースにした新著「21世紀の男の子の親たちへ」の刊行を記念して、本の一部を抜粋したシリーズ記事の第2回目です。
1回目の「開成・灘ら名門男子校教師の提言『くそばばあ』と言われたらこう答えよ」もこのブログでご紹介しました。
2回目の内容は、1回目よりもさらに思い当たる保護者様が多いと思います。男子のお子様をお持ちの保護者様にぜひ読んでいただきたい内容です。
人類は予測不能な未来にその都度適応しながら生きてきました。それができたのは、状況が変わり、今までのやり方でうまくいかなくなった場合、やり方を変えるなどの試行錯誤により、最終的にうまくいく方法を見つけ出してきたからです。つまり、失敗から学ぶ能力に長けていたからです。
開成の葛西幸一先生が保護者の方によく伝える内容です。
「経験泥棒だけはしないでください。失敗しそうだなと思っても、取返しがつかないことでなければそのまま失敗させてください。失敗が経験になるわけですから。」
しかし、実際は難しいです。
「朝、起こさないでくださいと保護者様には伝えていますが、起こしますよね。
本当はお子様に『何で起こしてくれないんだよ。』と言わせて、『あなたが悪いんでしょ。』というのが大事なんですけど。」
灘の大森秀治先生の言葉です。「人間は失敗しない方がいいと思いがちだけど、人間は失敗から学ぶもんよ。自分で選んで『間違ったな』と思ったらそれでいいわけで。
最悪なのは、子どもが失敗した時に『だから最初からダメと言ったじゃないの。』と言うこと。
我慢して見守って、失敗した時に『よく頑張ったね。じゃあ次どうする?』と言われれば、子どもはどれだけ救われるか。」
人生における決断の良し悪しは、決断した後に決まります。自分の決断を事後的に正解にできる力こそ、正規のない時代に自ら正解を作り出す力となるはずです。
1.3.親子二人三脚での中学受験による「指示待ちっ子」の増加
試行錯誤しながら自ら正解を作り出すためには、自ら決断することが大前提です。人のせいにするのではなく、自分で決める力が不可欠です。
ところが、実際は自分から動くことが苦手な「指示待ちっ子」が増えていると、多くの先生が口を揃えます。最難関中の先生たちの多くは、親子二人三脚で乗り越えた中学受験の体験成功が原因であると分析していました。
中学受験で親が効率の良い勉強の仕方を指示して、子どもが素直に従えば成績は上がるかもしれません。親が必死に子どもに下駄を履かせた状態が続くと、今度はそれを脱ぐことができなくなります。
中学入学後も親が勉強に口出しを続け、子どもがそれを無批判に受け入れ続けると、成績は立派かもしれませんが、精神的自立からほど遠い状態が続きます。中学受験で第一志望校に合格した成功体験を持つ親子ほど危険です。
開成の齋藤先生の言葉です。「親は関わりすぎちゃいけないんだと思います。中学受験ではそれで成功体験になったかもしれませんが、ずっと続けるのはダメですね。
それでは、親ができることは何でしょうか。
先生たちは「待つこと」と口を揃えました。
広島の修道中学校・高校校長の田原俊典先生の言葉です。「『勉強せい』と言われて本当に自分から勉強ができるようになった子どもは一人もいません。」
麻生の平秀明先生の言葉です。「生活習慣の乱れは親が早めに介入してあげなければなりませんが、それ以外は『馬を水場に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない』のことわざと同じです。」
灘の大森先生の言葉です。「ちょっと成績が落ちたり、学校に来なくなるなど、はみ出しても、親が余裕を持っている子どもは割とスムーズに戻ってくるけど、親がやいやい言うと子どもは深みにはまってしまうことがあります。
不登校を続けたり、せっかく合格した有名中学校を中退した子どもの心境を後から聞いてみると、自分をコントロールしようとする親への渾身の抵抗であったということはよくあります。」
そんな時の保護者様へのアドバイスとして。次のように語られました。
「『ほったらかしにしい。ほったらかしにしても崩れへん』とアドバイスすることもあります。ある時期から子どもに任せたら、『うちの子、こんなになるんやなあ』ということもたくさんあります。」
すぐに結果を求めるよりも、長いスパンで見守った方が最終的にはいいところに収まるケースが多いと、大森先生は断言されました。
(注:先生方の所属先は話を伺った当時のものです)我が家には非常に耳の痛い話でした。ぼんず君と二人三脚で中学受験をギリギリで乗り切り、入学後は深海魚にならないよう、引き続き私が勉強を見続けました。
しかしながら、中2の9月、今の勉強のやり方では限界がきたと壁にぶつかっています。
中1の中間考査後、ぼんず君の自主性に任せて勉強の仕切りを一人でさせたところ、7月の期末考査で大崩れし、止む無く夏休み期間に再度私がテコ入れして、秋以降の成績を立て直した経緯があります。
9月以降、ぼんず君の勉強指導から私が完全撤退することも考えましたが、それをするとまた成績は大幅に下降するでしょう。
失敗をさせて、そこで「じゃあどうする?」と手を差し伸べる→「お母さんがまた教えて」のループを我が家は続けています。
2.2.親(ぼんず君母)の緩やかな勉強からの撤退を目指したい
折衷案として、現在は私が指導する科目、監督(監視)する科目を減らすことを続けています。最終的には勉強を進める上で、私は完全にノータッチにしたいですが、今の状態では恐ろしくてできません。
中学受験時代と比べれば、今の関与度合いは2~3割程度ですが、それでも平均的なお子様よりは多いと思います。
私の関与度合いの高さが、ぼんず君の精神的自立を遠のかせているのは合っていると思います。
では、どうすればいいでしょうか?
ほったらかしにしたこともありますが、結果として成績が大きく崩れ、ぼんず君も精神的に不安定になりました。昨年の話です。
あれから1年。背もさらに高くなり、精神的に強くなっていれば、ほったらかしの導入もできるでしょうか。
「今日から全部ひとりで勉強してみる?」
これを私が言えるかどうかか、最大のカギです。(言えない…(+_+)
緩やかな撤退を目指しています。「撤退しました!」と記事でご報告できるよう、地道にがんばります。
コメント