10月もあと6日で終わりです。関西統一入試日まであと0日となりました。ここから先は本当にあっという間です。12月下旬から始まる直前特訓は塾が用意する教材中心の勉強になりますので、過去問を解いたり、暗記整理をしたり、苦手単元(例:算数の速さや場合の数など)を集中して特訓できるのは12月中旬までです。
■塾に過去問添削を依頼しても返却までに時間がかかる
これから12月中旬にかけて、解き終えた過去問の添削を塾の先生にお願いするお子様も多いと思います。志望校別特訓のコースによっては、過去問の添削をお願いできる回数上限が設定されるコースもあります。
生徒の人数と先生の数や塾の月謝を考えれば、添削してもらえるだけも十分にありがたいです。
実際には添削してもらうために提出しても、返却されるのは最短で2週間後です。添削は2週間に1度の志望校別特訓で提出し、次回の志望校別特訓で返却されるのが最短パターンです。
2週間後でも随分間隔が空くなあと思いますが、提出者が多いと2週間後でも返却されないこともあります。返却までに1カ月も間が空くと、見直しするのも忘れてしまいそうです。
■万全な事前準備の上での国語個別塾で過去問指導
我が家は国語の過去問添削の多くは個別塾の先生にお願いしました。1回の授業で解説と添削してもらえる年度は2回分が上限でした。
それも私が答案と問題、模範解答のコピーをセットし、私が一次採点をして、「この問題を最優先で解説してください」と1から番号を付けたプリント一式を準備し、指導日前日までに個別塾まで届けた上で、授業してもらった結果です。
1週間に3回分以上の過去問を解くと、個別塾の追加枠が空かない限り、私がすべてを対応するしかありませんでした。
すべての過去問の1次採点は私が行いました。記述問題の私の一次採点基準が正しいかどうかを教えてもらいたくて、プリントに細かく質問を書いて渡すと、先生は親切にも私の採点基準も添削してくださいました。
このやりとりを通じて、記述問題の添削が多少はできるようになりました。やりとりのすべてを文章にすると1冊の本になるような分量になりそうなので、気が付いた時にコツコツと記事にしていきます。
■国語記述問題の採点基準に注目してみる
過去問解きのピーク時である今の時期に真っ先にご紹介したいのは、記述問題の採点基準についてです。本日の記事内容を実践できれば、国語の個別指導塾で講師ができるくらいに即戦力度の高い内容です。ぜひともご活用いただきたいです。
塾に解き終えた過去問の添削をお願いしても返却までに時間がかかるので、保護者様が記述問題の出来具合を判定される際のお役に立てればと思いながら、記事をまとめています。
ただし、あくまでも私が独自に設定した記述問題の採点基準で、すべての中学校入試問題やすべての保護者様に使い勝手がよいとは限らないことはご理解お願いします。
塾に添削を依頼しつつも、まずは解き終えたその場で記述問題の出来具合を判定したいものです。
記述問題で満点を狙うのは難しいので、「7割」の得点を目指すのがよいと言われますが、その7割取れているかどうかをどうやって判断すればいいでしょうか。
赤本などの過去問集には記述問題の模範解答が付いています。その内容は中学校が公開した公式解答の場合もあれば、各出版社が独自に作成した解答の場合もあります。
複数の過去問集を購入して同じ年度の解答を比較し、全く同じ記述の解答が掲載されていれば、おそらく中学校が提供した模範解答の可能性が高いです。
模範解答でない場合、赤本の解答は「えっ?」と思うものもありますので、保護者様も1度問題を解いてみていただきたいです。
■入試問題に明確な採点基準があると推測した理由
私が最初にしたことは、それぞれの記述問題の採点基準を明確にすることです。1問ずつの配点は公表しない中学校が多いですが、赤本は各問題のおよその配点を推定した上で解答に掲載しています。
記述問題1問の総配点は分かるものの、具体的な採点基準は全く分かりません。お子様が書いた解答文章のどの部分がマルで、どの要素が欠けている/余分/見当違いのためにマイナスになるかが分からないために、国語の記号問題以外の自己採点が難しいのです。
そこで、私は入試本番に答案を採点する際の手順に着目しました。入試問題は試験日から合格発表までの期間が短いために(早い中学校で受験日翌日には合否が発表されます。)、各科目の先生方が総出で採点をされているはずです。
その際に、採点における共通の基準がそれぞれの設問に対して必ず事前に設定されているだろうと推測しました。その採点基準が明確で迷うことがないものであれば、複数の先生で採点をしても、ばらつきのない採点が可能となります。
■私が設定した3つの採点基準
模範解答を見ながら、模範解答以外の文章を採点する際の加点/減点ポイントを考えたわけです。
具体的な例を挙げます。百文字程度の記述問題の採点基準であれば、
- 柱となる内容(テーマ)
- 鍵となる言葉が3つほど
- 鍵となる言葉の1文でつなぐ際、自分の表現で言い換える場合の表現法
この3つが採点基準に関連するだろうと考えました。そして、およその点数配分を予想します。例えば、配点が10点のある記述問題の場合、1で4点、2で1×3=3点、3で1×3=3点の計10点と推測します。配分は柱の見つけにくさや鍵となる言葉の数や難易度によって異なります。
次に、模範解答文章と問題文を見ながら、1の「この問題における柱となる内容」を見つけます。解答なしで解くのは難しいですが、模範解答ありきであれば、それほど難しくはありません。
それから、鍵となる言葉を最低3つ見つけます。これは模範解答から当たりを付けて、問題文から探す必要があります。記述問題は「抜き出し」指定でない限り、問題文を丸写しや入れ替えをして文章を作っても得点につながりません。ただし、鍵となる言葉そのものは本文中の言葉を使う必要があります。
最後に、1の柱に沿って、2の鍵となる複数の言葉を、問題文の表現そのままではなく、自分の言葉でどうつないでいくかです。つなぎ方の解答は1つではありません。受験者の数だけ正解があると言えます。
■記述問題を解く際に注意すべき3つのポイント
採点基準を推測する逆の視点から、記述問題を解く際に注意すべきポイントも推測することができます。それは、
- 問題文を丸写ししないこと
- 自分の言葉で表現すること
- 問題文が伝える内容を変えることなく、同じ内容とすること、です。
お子様の国語過去問の記述問題を採点される際には、面倒ですがぜひともそれぞれの記述問題に「採点基準」を推測することで、お子様の解答が何割得点できているかを算出していただきたいです。
記述問題の得点推測が正確であればあるほど、過去問の全科目総得点の数字も正確になり、お子様の総得点を合格者平均点や合格最低点とより正確に比較することができます。
私は一次採点時の記述の点数をほとんどゼロ点にしていたので、個別の先生から「採点、厳しいですね」と言われましたが、一般的には記述の自宅採点は甘めに点数をつけがちになるそうです。
客観的な採点基準で現時点での記述力をご判断いただき、必要に応じて補強策、強化策をとることが重要だと思います。補強策などについては、別記事でのご紹介も可能ですが、6年生の保護者様でリクエストがございましたら、ぜひお知らせください。急いでまとめます。
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