鉄緑会のカリキュラムは前期(4~9月)と後期(10~翌3月)の2期に分かれています。10月から始まった後期課程は早くも1カ月が経過しました。
本日は、鉄緑会中2・後期の英語テキストの概要と私の簡単な分析をまとめます。
中2後期テキストの構成や難易度は前期とさほど変わりません。中1から中2に進級した時点で、難易度は恐ろしく上がりましたので、後期はさらに難しくなったらどうしよう…と心配していましたが、前期と同様の学習を続けることで対応可能です。
■中1と中2英語の内容で最も変化する点
中1からずっと鉄緑会に通われている生徒さんであれば即答できると思いますが、中1と中2の英語教材で最も内容が変化する点は、読解問題が追加されたことです。
中1で中学課程の文法事項を終えて、中2はさらに高度な高校レベルの文法事項の学習が続きますが、それと並行して読解問題が追加になります。
6月の保護者説明会では、1週間の学習時間として2~3時間程度と説明があったと思いますが(間違っていましたらぜひご指摘ください)、3時間で文法問題と読解問題4問の全部を解いて、重要例文を覚えて、リスニングをきちんとやって、知らない単語を覚えて、派生語まで手を広げるのは、少なくともぼんず君には無理です。
具体的な時間を書くのは恥ずかしいので割愛しますが、中2になってから英語に費やす時間は大幅に増えました。私のサポート付きでも読解問題は苦戦しています。
■中2英語教材は解説書と問題集の2冊組
中1英語教材と同様に2冊セットです。1冊は文法事項の説明、重要例文、リスニング問題などが掲載されています。もう1冊は文法問題と読解問題が単元ごとにセットで掲載されています。
文法問題の量はそれほど多くありませんが、内容が難しいです。特に英作文は「これが中2の問題か…」とうなる難易度です。
さらに、2部構成の難しい方(Exercise 2)は解答がありません。しかし、宿題として全問解かなければなりません。ぼんず君の解き終えた問題は私が採点、チェックして、解説の必要な問題は周辺知識(派生語、同義語、抜けている文法解説)を加えて説明しますが、Exercise 2の英作文を解答なしで自力で解くのは大変だと思います。
■読解問題は毎週4題出題
文法問題の次に読解問題が4題あります。1問の分量は英検2級の読解問題程度です。説明文と会話文が半々の割合です。1問目(Zero)から4問目(C)に進むごとに難易度が上がる構成だと思います。
読解問題4問中、解答が付いているのは2問です。毎週4問全部解こうと思うと、我が家の場合は毎日1問ずつで4日+文法+重要例文暗記=週5日以上必要です。
読解問題について、もう少し詳しい説明を続けます。
■我が家の読解問題の取り組み方
どの科目でも「初見の問題を大切に解く」をモットーにしていますので、英語の読解問題も
- 時間を決めて
- 辞書や参考書など何も見ないで
解いています。苦戦する問題が多いですが、校内模試対策として続けています。
ゆっくりと、時間をかけて、辞書を引きながら、であれば誰でも読解問題は解けます。しかし、それでは力はつかないと私は考えます。
初見の読解問題を自力で解くやり方は、一人で続けるのは難しいと思います。特に解答のない読解問題は、自分の解答が正しいかどうか、次の授業まで分かりません。皆さんどうされているのでしょうか。
全ての読解問題は私も解いています。1問5分もかからないので、ぼんず君の丸付けはすぐに出来て、間違えやすいポイントや補足説明をします。この説明は解いた後でしないと意味がありません。自分で解く工程なしで解説を聞くだけでは、いつまで経っても校内模試レベルの問題が解けるようにならないと思います。
■英語力プラス必要な能力
説明文、会話文を問わず、問題を解く上で最も必要な能力は「国語力」です。
中学受験で国語の記述問題が出題されない中学校だけを受験し、記述対策をしないまま中学校に進学されたお子様は、国語が得意科目でない場合は鉄緑会の英語読解問題で苦戦すると思います。
「田代式中学受験国語の神技」は中学生でも記述問題の練習に役立ちます。私自身も短文をまとめる勘が鈍らないように時々、神技を使って練習しています。
英語の読解問題で難しいなと感じる出題パターンは、理由や説明(言い換え)問題で、文章全体から必要な箇所を見つけて、多少要約する必要がある問題です。
この質問の手法は、まさに中学受験の記述問題と同様です。
また、下線箇所の和訳問題は、必須文法事項の理解が不十分であったり、ごまかした訳だと減点になります。和訳指定箇所は、文章全体を理解する上で内容を理解しなければならない箇所ばかりで、非常によく練られた問題構成となっています。
■説明文は比較的読みやすい
説明文は主題となる単語の意味が分かれば、文章全体の理解は難しくありません。
■ 会話文は難しい
会話文の問題は苦戦することが多いです。全訳しても解けない設問があります。解けないのは、中学受験の物語文が解けないのと同じ理由です。
- 会話だけで話が進むので、話の流れがつかみにくい。
- 主語、目的語などが省略されて、内容がつかみにくい。
加えて、英語特有の理由があります。
- 代名詞、関係代名詞、関係副詞が指す内容をつかみにくい。
- 英語圏特有の固有名詞が分からない
英語圏特有の固有名詞とは、鉄緑会の問題で出題されたものの事例は「M&M」があります。これは明治のマーブルチョコと形状が似たコーティングチョコレートですが、ぼんず君は知りませんでした。おやつで食べたことがあってもパッケージまでは見ていないことがよく分かりました。
■英語の比喩が難しい
比喩とまではいかないかもしれませんが、少し婉曲的に表現されると、それが何を指すのかとっさに理解するのが難しいようです。ぼんず君だけかもしれませんが、直近の問題でずれた解釈をしていた英語表現は、
piggy bank→ブタ銀行×
違います。ブタの(形をした)貯金箱、の意味です。
time travel invention→時間旅行の発明×
これも違います。「時間旅行って何?」と聞いても、ぽかんとしていました。鈍いです。「ドラえもん」とヒントを出すと、やっと「あっ、タイムマシーン」と出てきました。
■まとめ
中2生にもなれば大半の生徒さんは自力で勉強されていると思います。えらいです。ぼんず君には考えられません。鉄緑会の中2テキストを独学で勉強されているお子様に対しては、まずは「難しい内容なのにがんばっているね」と声をかけてあげてください。
その上で、毎回の復習テストが最低でも9割以上取れていれば、その単元は理解できていると思われます。ただ、復習テストで得点することと、校内模試で得点することは、全く別次元の対策を考える必要があります。
校内模試の対策は、正直何をするのが最短であるかまだよく分かりません。毎週の宿題を時間を意識しながら進めるしかありません。(早く勉強を教える係から引退したいものです。)
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