本日は、東洋経済オンラインの記事『休校で悲鳴!「家でブラブラする子」への処方箋』~5月以降も休校は続く想定でいたほうがいい~をご紹介します。著者は教育デザインラボ代表理事の石田勝紀氏です
■学校のオンライン授業対応で学力格差が広がる
本記事は読者からの質問とそれに対する回答で構成されています。
質問:4月から中1と小4になる娘がいます。うちの市ではGW明けまで休校が決まってしまいました。週2回だけの登校は決まっていますが、ネット授業はなく、登校日にも何をするのか具体的なことも言われていません。
隣の市ではネット授業が行われるようで、とても焦っています。2人とも塾には行っておらず、通信教育によるタブレット学習だけです。このような状態で過ごしていて大丈夫でしょうか。
回答:子どもたちの学力に関して心配する保護者の方が増えてきています。筆者のところには連日たくさんの相談メールがきています。 4月7日現在、文部科学省によると緊急事態宣言の対象となる7都府県以外では、公立小学校89%、公立中学校の78%が学校を再開するようです。
学校が始まっている地域と始まらない地域、さらにはオンライン授業で対応できる学校と対応できない学校で大きく格差が広がるということです。全国レベルでは学力格差はまず広がると考えていいでしょう。
■休校中の自立的な勉強を期待するのは難しい
格差が広がる要因はもう1つあります。それは塾に行っているかいないかということです。
休校になったことで学校で勉強していた時間は全くなくなりました。では、その分を自宅で子どもが自立的に勉強するかといえば、一部の意識の高い子を除き、通常考えにくいことです。
しかし、塾に通っていれば、少なくとも塾でオンライン化できたところでは、授業と宿題があるために塾の勉強することにはなります。
全国的に休校措置が取られた3月は、学年末ということで新しく学習する単元は少なく、学習に対する被害はそれほど大きなものではなかったと楽観的に考えることもできたでしょう。
しかし、4月の1カ月間のさらなる休校は、3月とは次の2つの点で大きく意味が異なります。
■休校中に勉強しない習慣がついた受験生は致命的
4月は新単元を学ぶ初月です。つまり休校延長になったことで、スタートラインにまだ立てないということを意味します。
また、3月と4月を合わせた2カ月間で、ほとんど勉強らしい勉強をしないという「習慣」が身に付いてしまいます。3月から5月中旬までの2カ月半、ほとんど勉強らしい勉強をしないという習慣が作られた場合、以前の習慣に戻るのに、少なくとも7月下旬までかかるということです。
9月以降の秋になって初めてスタートが切れるということになると、とくに受験生にとっては致命的になる可能性があります。
以上から、現状のまま進めば、日本全土で、子どもたちの学力が極端な二極化となることも容易に想定できます。
■4月以降の学習対策を2つご紹介
さて、ここからが大切なお話になります。4月の段階では、まだ対策の打ちようはあるのです。ではどのような対策を立てればよいか、方法の1つについてお伝えします。
例えば相談者の「学校に依存できない」「塾に行っていない」「通信教材のタブレット教材をやっている」という場合、手元にある教材を使って家庭内で学習する以外に方法はありません。しかし、残念ながら子どもは通常、自学自習は一人ではできないものです。 そこで2つのことをやっていただければと思います。
1.自分に合った動画付き教材で学ぶ
動画QRコードのついた問題集を購入したり、You Tubeを活用することができます。
2.スケジュール管理
スケジュール管理をするにあたっての注意点を3つまとめます。
■スケジュールを立てる上での3つの注意点
1:「スケジュールを作りなさい」という強制ではなく、「スケジュールを作っていく方法があるけど、どうする?」というアプローチをとります。子どもはスケジュールの作り方がわからないので、一緒に作ってもいいでしょう。
2: スケジュールを作った後に「◯◯はやったの!」とは言ってはいけません。それでは親が管理しているようなものです。それでは、子どもの自立は難しいでしょう。
3:スケジュールどおりにいかないときは「どうしたらできるようになるか一緒に考えよう」というスタンスをとります。
今後は5月以降も同様の状態が続くとしたらどうするかという想定で動いていったほうがいいでしょう。 休校期間は学習は自ら設定して行うということを基本として、学校が多少なりとも対策を取っていれば、それを補助的に行うという考え方になります。通常のあり方とは逆ですが、非常時ですので、このように考えておくといいでしょう。(記事終わり)
■休校期間=夏休みの先取りになる可能性も
動画付き問題集の存在を全く知らなかったので、これについては調べてみます。
動画といえば「スタディサプリ」くらいしか思いつきません。個人での申し込みだけでなく、学校単位での導入も増えているようです。学校で導入される際は宿題配信機能などが利用できます。先日122万人の会員データを漏洩させたベネッセのClassiよりはシステムが安定しているのではないでしょうか。
特に6年生の保護者様に向けた内容としては、緊急事態宣言終了後に学校が再開するとしても、おそらく今年は夏休みがほとんどなくなる可能性があります。
例年、6年生は夏休み期間は朝から晩まで塾で暮らすかのようにずっと塾で勉強しますが、それができなくなるかもしれません。この休校期間は早めの夏休みがきたという気持ちで、本来夏休み期間に予定を立てるやり方で勉強のスケジュールを組んでいただきたいです。
夏休みの学習計画立案については過去の記事でまとめたことがあります。
夏期講習がある時は、塾のカリキュラムに合わせて1週間の予定表を作ります。学校のオンライン授業がある場合は、それ以外の空いた時間で30分単位でスケジュールを組んでいきます。そして、その予定を確実にこなしていくだけです。
お子様だけでは予定表の作成も予定表通りに勉強することも難しいので、誰か大人が伴走する必要があります。
1週間の予定表が印刷できるリンク先をご紹介します。
この用紙をA4かそれ以上の大きさに印刷して、さっそく予定を立ててみてください。
平日の日中は小学校にいる時と同じ、1科目60分(50分勉強+10分休憩とトイレなど)で進めるとメリハリがつきますが、お子様の気質とお好みで科目ごとの時間を設定いただけばよいと思います。
■終日自宅学習には保護者様の伴走が不可欠
紹介記事ではスケジュール管理に関するのんびりした3項目が書かれていましたが、5年生まではお子様の自主性を信じることもありとしますが、6年生は失敗が許されないので、親子伴走型をおすすめします。
私ならですが、親が予定表を作って、親が目の前に座ってタイマーで計りながら監督します。
ただし、厳しく「やりなさい!」と言っても効果ゼロなので、ほめたり、おだてたり、笑わせたり、ご褒美を出したり、さまざまな工夫をします。
中学受験時代は、塾の先生の真似をしたり、ぼんず君の趣味に合わせて話をしたり、私は芸人ではないのに…と思いながら、勉強の伴走を続けました。
賛否両論はあると思いますが、お子様が機嫌よく勉強してくれればそれでいいという考え方です。
最後になりますが、休校中の家庭学習に関して文部科学省が重要な通知を発令しています。リンクは貼りません。ネットで全文が検索できます。解釈の難しい箇所がありますので内容の解説も割愛します。
特に6年生保護者様は夏休みが大幅短縮されることも念頭に置かれた上で、この休校期間を大切に使っていただきたいです。
- 休校期間の教材に最適。1カ月間無料の申込は5/10まで
- 英語&数学の先取り学習に最適!
- 問題演習&ビデオ解説で理解が深まります
- 小4から高3までの講義と教材は使い放題
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