「鶏口となるも牛後となるなかれ」は全員に当てはまらない(志望校選択)

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小6受験生対応

今日から10月です。涼しくなって勉強に集中できる季節になりました。

消費税は今日から本当に10%に引き上げられるのでしょうか。キャッシュレスカードで還元される仕組みがよく分からず、分かりやすいまとめサイトを検索中です。

6年生の皆様は、これから年末まで本当にあっという間です。すぐにクリスマスの季節=直前特訓がやってきます。10月中には過去問解きで合格者平均点が取れることを目指してがんばってください。

と言いながらも、10月初旬に合格者平均点が安定して取れるお子様はどのくらいいらっしゃるでしょうか。日曜志望校別特訓のクラスにもよると思いますが(1組はほぼ全員取れるでしょう)、全体でみると半数前後の方がまだ合格者平均点に届いていないのではないでしょうか

志望校を最終決定する時期が近づいています

受験者平均点に届かない場合は、やや赤信号です。

合格者平均点まであと数点足りない、年度によってはぎりぎり合格者平均点に届くこともある。 もう少し頑張ればギリギリで合格できるかもしれません。

あるいは、11月頃までに志望校を変更し、確実に合格できる可能性の高い中学校を受験する選択もあります。

保護者様やお子様だけで判断が難しい場合は、塾に教育相談をすることが多いです。塾の先生はこれまでの冠模試などでAまたはB判定でなければ、志望校変更をおすすめしてくる可能性が高いです。

教育相談で志望校変更の話の際に聞く諺

7月や8月の時期に日曜志望校別特訓の資格が取れない、ギリギリで資格が取れたものの合格できるか不安、という相談と、いよいよ志望校を決定する時期の相談とでは、塾の先生が伝える内容は異なってきます。

中学受験を目指す進学塾である以上、1校も合格できない「全落ち」は何としても避けなければなりません。「このままやってみましょう」と言われる場合は見込みありでしょうが、そうでない場合はコース変更を進められることもあります。

お子様同席の場合は、あらかじめ、話の筋書きを相談の上でお子様に伝えることになります。いきなり志望校を変える話はまずしないでしょう。まずお電話で保護者様が相談し、お子様同席で面談という流れをお願いするとよいです。

志望校変更の話をする場合は、昔からのことわざ「鶏口となるも牛後となるなかれ」を例に出して、上位3割以内で確実に合格できそうな中学校に進学する方が、最終的な大学進学実績がよくなる、という説得をされるかもしれません。

私もこの考えに賛成で、進学先選定に関する記事で同じことを書いたことがあります。

しかしながら、ぼんず君が中学校に進学して1年半経った今、このことわざは必ずしも全員には当てはまらないのでは、と思う機会が何度がありました。

「鶏口となるも牛後となるなかれ」は万能ではない

ことわざが当てはまる場合

ギリギリで合格すると、入学試験の時点では全体における学力の位置づけはかなり下の方になってしまいます。コツコツ努力を続ければ、学年平均点→平均点以上を取れるようになると思いますが、学年トップまで上り詰めることは難しいです。

下の位置でのスタートでもここから必ず上がっていくぞ!というガッツな精神の持ち主でなければ、志望校変更により、ある程度上位合格できる進学先を選択する方が無難です。

入学直後に多くの中学校で実施される試験でも上位の成績が取れるでしょうし、そのまま機嫌良く勉強を続ければ、1学期の中間考査でも安定した成績が取れる可能性が高いです。

1年生の1学期でつまづかず、スムーズなスタートを切ることができれば、そのまま1年間安定した成績が取れると思います。

ことわざが当てはまらない場合

入学後の学業面での苦労は覚悟の上で、ギリギリ合格でもいいから志望校を目指して合格された方と、上位合格の方がよいと志望校変更をされた方の両方のその後を見聞きする機会がありました。考えされられることが多かったので、その内容をご紹介します。

ギリギリ合格で志望校に合格した場合、中学校生活が始まってからいくつかのことに気が付きます。

■優秀な同級生に囲まれることをどう感じるか

上位校では向上心の極めて高い同級生に囲まれて毎日を過ごすことになります。この捉え方は、非常に刺激的でプラス面が大きいと感じるか、周りが優秀すぎて劣等感を感じるか、二つに分かれます。

劣等感を感じるお子様であれば、志望校を変更する方が入学後、気分よく学校生活が送れます

逆に「〇〇君、すごいんだよ。僕もがんばるよ」と、ぼんず君のような考え方のできるお子様は、直前まで志望校を変えないで挑戦し続けるのもありです。

見聞きした残念なお話として、上位合格を目指して志望校を変更したものの、そこで自分が学業面で競えるライバル的な同級生が見当たらず、そのうちに周りのレベルに同化してしまった例があります。

ことわざで表現すると「朱に交われば赤くなる」の状態です。

■上位校では素晴らしい先生と出会える可能性が高い

どの中学校にも素晴らしい先生はいらっしゃると思いますが、毎週月曜日に記事紹介のブログ記事を書きながら思うのは、超上位校には優れた先生が多いのだろうなということです。

関東の先生は記事で拝見するだけですが、「おー(人徳者)」と感嘆の声が出るのは、お馴染みの中高一貫校の先生が多いです。

関西の先生は、ぼんず君が関西の中学校に通っていること、進学説明会で直接お話を聞く機会があったこと、進学先の中学校の様子をぼんず君の友人経由でぼんず君から聞く限りでは、上位校の先生ほど魅力的です。

先日ご紹介した甲陽学院の例も、生徒さんのモノマネを拝見するだけで面白そうな、お会いしたくなる先生ばかりでした。

■長年想い続けた志望校に対する気持ち

最終的に志望校を変更して、変更した中学校をおそらく上位で合格しても、長い間想い続けてきた中学校に対する気持ちを忘れることができないお子様もいらっしゃいます。

多くのお子様は、進学先の中学校に馴染んで「この学校を選んでよかった!」と満足されますが、中には「合格できるか分からなくても、志望校を変えなければよかった」とずっと後悔される方もいます。

お子様の性格にもよりますが、どうしても譲れない第一志望校であるならば、ずっとB判定を取っているなら出願させてあげればよいと思います。

私の伝え方は、CやD判定しか取ったことがない場合は、合格の可能性は2割もないので、合格はまずないから止めなさいと伝えます。B判定でも合格可能性は5割以下であると正直に伝えます。

志望校を変更すれば合格の可能性は非常に高くなること、志望校を変えなければ併願校に進学する可能性が高くなることを合格可能性の割合と合わせて、客観的な視点で伝えた上で、どうしたいのか本人に選ばせます

B判定でも秋以降の頑張りで、冠模試やお正月のオープンで合格を取れるようになります。本人がどれだけ本気で合格を取りに行こうと思うか、あとは気持ちで勝てるかどうか決まります。

■「鶏口となるも牛後となるなかれ」はある程度は正しい

気持ちの切り替えができて、割り切って志望校を選べるお子様であれば、上位3割で入学した中学校でスムーズなスタートを切ることは、間違いなく上位の大学に合格する可能性が高くなります。

ギリギリで合格した場合は、まずは平均点を目指すところからのスタートです。その平均点を取ることも難しくなるので、勉強に対する熱意を持ち続けるのは難しくなります。それでも勉強し続けなければ、深海魚化して、二度と浮上できなくなります。

ことわざ「鶏口となるも牛後となるなかれ」はある程度は正しいです。

しかしながら、小学校6年生のお子様に大学進学実績の話をしても仕方がないのではと思います。もっというと、夢がないなあと思います。ずっと憧れてきた中学校があるなら、B判定があるなら受験させてあげればよいのではないでしょうか。

C判定しか取れたことがなくても、「合格の可能性は低いよ」と十分に説明した上で、それでも挑戦するというなら挑戦させてあげればよいのではないでしょうか。

その場合は、お子様が納得できる中学校の中からA判定の取れている併願校の受験をすればよいのです。A判定でも100%の合格ではありません。チャレンジ受験の場合は確実な併願校を2校受験してもよいと思います。

■我が家の受験はことわざとは違います

ブログの記事では「上位3割で入学する方が楽」と書いていますが、我が家の受験は「受験しておけばよかったと大人になってからもずっと後悔するくらいなら、受験させる」を地で行きました。

合格できたら、限りなくビリからのスタートを覚悟してのことです。

そして、中学校入学後も、また私が勉強を下支えしなければならないことも覚悟した上です。

さすがに中学生なので、もう手取り足取りの勉強体制はやりませんが、軌道に乗るまでは毎日勉強を見よう、過保護と言われても、甘いと言われても構わないので、ぼんず君を深海魚にすることだけは避けようと思い、合格直後から英語数学の先取り学習を始めました

あまりおすすめできませんが、こういう選択肢もあります。

なんで、私ばかりが…」という気持ちはずっと続きます。最近はぼんず君に「〇〇君(超優秀生)がいいなー」と愚痴ることもありますが、素晴らしいぼんず君の回答が返ってきます。

「お母さん、今ある手持ちのコマで頑張らないとダメだよー」

「高望みしてはダメだよー」

「ぼんず君もがんばっているから、長い目で見てね」

あと何年待てばいいのでしょうか? 下支えしながら、気長に待ちます。


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