■中学受験をするお子様は世の中では少数派です
google検索などを通じてこのブログを閲覧されている方の多くは、中学受験を目指すお子様をお持ちの保護者様が多いと思います。
すでにお子様が進学塾に通われている場合、周りには中学受験を目指す方ばかりの環境になりますが、中学校の入試を受けるお子様の割合は大阪で1割程度、東京でも3割程度で、全体でみると少数派です。
したがって、中学受験をしたものの残念ながら志望校に合格できず、公立中学に進学することになった場合、当事者のお子様や保護者様は「4月からどうやって生きていけばいいか」と絶望的な気持ちになりますが、中学受験をしなかったお子様やその保護者様からみれば「高校受験でがんばればいいんじゃない?」程度の問題でしかありません。
■なぜ受験するかをお子様は理解されていますか?
中学受験に関する話題は、学歴や職業と同様に表立って取り上げるものではないため、日常生活の中で話題となることはあまり多くありません。そのためにブログやインターエデュのような掲示板での情報のやりとりが活発となりますが、本音のところは分からないです。
人の意見をいくら見てもあくまでも参考にしかなりません。
すでに進学塾に通われているお子様も、これから受験の準備を考えられるお子様も、「なぜ中学受験をするのか」「受験は本当に必要か」という、ものすごく基本的なことを一度考えてみていただきたいです。
可能であれば、お子様と一緒に、できれば塾に通い始める前にじっくりと話をしていただくのがよいです。
■受験勉強によるお子様のストレスは大きいです
中学受験のために進学塾に通い始めると、お子様だけでなく保護者様、ご家族までの生活がこれまでと大きく変わります。
小3で算数、国語(+最レ算数)の2~3科、小4で理科が加わり、小5で選択制ですが社会が加わります。週に3日以上塾に行くことになります。
塾に行くだけでは成績は上がりません。授業時間の3~4倍程度の自宅学習が必要です。お子様ひとりで宿題を回すことは難しいため、大人のサポートが必要です。
毎回の復習テストで点数が取れなければ、次のクラス替えで下のクラスに落ちてしまいます。成績上位者は壁に貼り出され、選抜制の授業に参加し、成績の序列が極めて視覚化されます。
お子様が受けるストレスの量は大人の想像を大きく超えます。
ぼんず君はぼやけた子どもでしたが、6年生ではストレスが身体的に出てくるようになりました。症状は3つでした。
- 円形脱毛症(受験終了後に自然と消失)
- 過食
- 真夜中の寝言(授業の再現をしていました)
小さな問題は数えきれないくらいにありました。
■お子様のがんばる気持ちが不可欠です
今でこそ、「寝言で復テの相互採点をしていたよ」と笑い話にできますが、小6当時はぼんず君がどこまでストレスに耐えられるか、毎日注意深く見続けました。受験の撤退を考えたことは何度もあります。
お子様に大きな負担をかける中学受験は、お子様が「やりたい」「がんばる」という気持ちがないと最後まで続きません。小6での撤退は少ないと聞きますが、小5で受験撤退をするご家庭は少なくありません。
中学受験は大半のご家庭で保護者様が「する方がよい」と判断されて始まったご家庭が多いと思いますが、これをお子様主体で始めるように持っていくことが後々効いてきます。
すでに塾通いを始めているお子様も、小6の激動時期を迎える前に「なぜ中学受験をするのか」その意味をお子様と考えていただくことは大切です。
それは、膨大な勉強量をこなさなければならない6年生の時期を乗り越える上で、親からやらされて勉強している(してあげている)という考えでは、6年生の入試直前期に大きな壁にぶつかる恐れがあるからです。
■中学受験の目的を明確にしてみる
中学受験の目的やメリットはいろいろとあります。
- 公立中学校よりも質・量ともに優れた教育を受けさせたい。
- 勉強に前向きなお子様が多い環境で学ばせたい。
- 尊敬できる先生の指導を受けさせたい。
- 公立中学校のカリキュラムでは内申点を取ることが難しい(特に副教科)。
- 小学校時代に授業が退屈すぎてつまらなかった。同級生と話題が合わず、塾のクラスメイトといる方が楽しかった。
- 小学校の先生の考え方に賛同できないことが多かった(手をつないで運動会の徒競走をゴールさせる方式)。
我が家の場合は全部当てはまります(笑)
塾の勉強がしんどくなった時、ぼんず君に「私立中学に行かなかったら、中学校でもまた小学校と同じ生活になるけど、それでもいい?」と話すと、「それはいやだわ」と毎回答えていました。
親にやらされて勉強するよりも、自分で進路を決めてそのために勉強していることを親子の会話などで時々話題にすると、勉強の目的を忘れないでいてくれるのではないでしょうか。
■これまで順調でも6年生で問題は起きます
3年生、4年生、5年生までの勉強量は、実はそれほど大きな負担ではありません。少しがんばれば浜学園では公開学力テストで100傑(100位以内)に入ることも難しくありません。
問題は6年生です。
- 勉強量が一気に増える、
- 勉強内容がものすごく難しくなる、
- 公開学力テストの平均点が40~50点台になり、得点できなくなる。
- 志望校コースの偏差値に届かなくなる、
- 模試が増えて常に順位を意識する
- 土日が全部つぶれて休みの日がゼロになる
受験を最後まで乗り切るには、保護者様の気配り、サポートが不可欠です。
それ以上に必要なのは、お子様の自覚です。女子は賢いお子様は5年生までには勉強の目的を理解して、黙々と成績を上げる努力を続けられる方が出てきます。
男子に自覚を持たせるのは難しいです。女子のお子様よりも精神的に幼く、国語の物語文の記述問題ではとんちんかんな解釈をするのは男子が圧倒的に多いです。
一方、素直で、まだお母さんの言うことを聞いてくれることもあります。そのわずかなタイミングを狙って、多少感動要素を含めながら「受験は自分で決めた選択肢である」と言いくるめるしかありません。
■「受験なんか辞めてしまいなさい」は禁句
お子様が6年生の場合、これから勉強がどんどんしんどくなっていくに従って、うまくいかなくなる理由を人のせいにする可能性があります。主に保護者様のせいにしてきます。
「勉強してやってる」「好きでやっているんじゃない」
このような台詞を言われて、売り言葉に買い言葉で
「じゃあ、受験なんか辞めてしまいなさい!」
は絶対に言ってはいけない言葉です。これを言う時は、受験撤退を覚悟した時だけ。1回しか言ってはいけない台詞です。
私はかつて、ぼんず君のあまりの不甲斐なさに我慢の限界がきて、このセリフを言ったことがあります。まだ低学年の頃です。
ぼんず君の反応は、
「やったー」と喜んで、床にごろ寝して、くつろぎ始めました。
「受験なんか辞めてしまいなさい」は、お子様には何の効果もありません。叱られたから頑張らないとなんて、全然思いませんよ。
それよりは、「受験しないと、また小学校みたいな授業を3年間受けることになるよ。時間の無駄だよ。もっと前に進もうよ」と声かけする方が我が家では効果がありました。
勉強の重要性は成長する過程のどこかで必ず、お子様は気が付きます。ただ、それを待っていると中学受験は終わってしまいますので、気が付くように誘導する必要があります。
春休みは誘導のよい機会です。新6年生は時間がありません。この3連休がよいタイミングです。
さりげなく、自然に誘導することがポイントです!
- 英語&数学の先取り学習に最適!
- 問題演習&ビデオ解説で理解が深まります
- 小4から高3までの講義が見放題
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