毎年GWの連休中、大手進学塾は6年生向けの入試演習や模試を連日実施しています。「灘中」の名前を付けた模擬試験や入試演習、文化祭見学などのお馴染みのイベントすべてが中止になりました。文化祭もすでに中止が発表されています。
6年生最難関男子向けのイベントは、おそらく塾にとっては集客力の大きなドル箱イベントのはずです。GW中はほぼ毎日実施していたイベントがゼロになると、塾の経営にそれなりのマイナス影響が出るために、オンラインで何かイベントをするだろうと予測していました。
そして、GW期間のイベントとして、オンラインでの模擬試験や予想問題の演習を行う告知がされています。
さらには、イベントだけではなく授業をオンラインで、しかも双方向で実施する進学塾も出てきました。これは魅力的です。
本日の記事では、浜学園、希学園、馬渕教室の6年生向けオンラインで参加できる学習形態をご紹介します。
■浜学園
毎年GWに実施しているイベントをオンラインで行うことがウェブサイトで告知されています。
イベントは大きく分けて模試とテスト&講義形式の2つに分けられます。
模試形式のイベントは
テスト&講義形式のイベントはたくさんあります。
灘中オープンは問題を解き終えてから何日で返送するのだろうと実施要項を読んでみると、なんと「自己採点していただきます」と書いてありました。
浜学園のこの実施方式は賛成できません。理科はさておき、算数と国語の記述問題は自分が書いた答案が何点取れるのかが知りたいわけです。そのために個別塾や家庭教師を外注して記述対策をするご家庭もあるくらいです。
なぜリアルタイム配信をしないのかが分かりません。問題を解く時間はハチマキをした学園長やF先生が腕組みをして無言で座る映像を配信し続ければ、自宅で問題を解くお子様も緊張を持続できます。
双方向のやりとりはないのですから、リアルタイムでなくても同じ尺で録画した映像を流しっぱなしにするだけでもよいのです。
「あと5分」「あと1分」「終わり」だけの声かけで十分です。
終了と同時に問題用紙を保護者様がPDFにしてメールで送信する仕組みにすれば、会場で模擬試験を受けるのに近い精度で順位や偏差値、合格判定を出すことができるのに、なぜこのやり方を採用しないのでしょうか。
送られてきた問題を好きな日時に解いて、自分で採点し、後日配信されるweb解説を見るやり方は「模試」とは言えません。模試を受けるのは、受講者全体の中の立ち位置、具体的には順位や偏差値、合格可能性判定を知るためです。
GWの灘中オープンでA判定やB判定が取れることは、非常に大きな自信につながりました。自己採点した点数がA判定やB判定であっても、それは過去のデータから想像するだけの結果であって、今年の受験者層の中での自分の順位や判定ではありません。
これなら、浜学園のミラクルWebと同じです。
■希学園
関西ではなく首都圏の希学園がオンラインでの模擬試験を実施します。
- 5/3,4実施:小6オンライン灘中実践テスト
- 4/29実施:小6オンラインプレ入試(開成、麻布、駒場東邦、桜蔭、女子学院、慶應義塾中等部)
浜学園と違って、実施日が指定されていることに注目です。灘中実践テストの場合、試験2日目終了日の14:00までに解き終えた2日分の解答用紙の画像またはPDFデータを希学園の指定されたメールアドレスに送信するやり方が採用されています。
そして5/4の15:00から模範解答と解説の動画が視聴可能となります。模範解答はホームページに掲載、解答動画URLはあらかじめ連絡されていますが、15:00以前は視聴できない設定です。
5/5~5/7の間で提出した解答は希学園で採点が行われ、作業終了後に個人成績表、採点済み答案は電子メールで送付されます。
4/29のオンラインプレも同様のやり方です。29日の15:00までに解答をメール送信、4/29~5/1の間で採点、作業終了後に個人成績表と採点済み答案がメールで送付されます。
オンライン模試とはこうあるべきという模範のようなやり方です。
唯一の心配は、あまりにも多くの受験者希望が殺到した場合、採点機能がパンクするかもしれないことだけです。プレ灘の受験者は通常であれば150~200名の範囲です。今回は他塾生が多く受験するでしょうから、合格判定の精度も高まることでしょう
申込期日は、首都圏対象のオンラインプレは4月25日本日の17:00まで、オンライン灘中実践テストは4月28日17:00までです。関西ではなく首都圏の希学園で実施されるために申し込みはweb対応となり、期日は厳守です。
今年の6年生は模擬試験の受験回数が例年の受験生よりも少ないです。他塾生も受験できます。灘中実践テストは男子のみの受験だと思いますが(詳細は塾にお問合せください)、首都圏対象のオンラインプレは女子校と共学校であれば女子も受験可能です。
保護者様がご自宅で一緒に居られるのであれば、他塾生のお子様も受験をおすすめします。
希学園は模試だけではなく、授業もフルオンライン授業を4月19日からすでに実施済とのことです。フルオンラインとは、復習テスト、講義、居残りサポートルーム(授業終了後に宿題をやり切る時間)まで完全にオンラインでサポートする方式です。
詳細は塾生のみが閲覧可能なページに記載されているため分かりませんが、内容から考えてリアルタイムでの双方向授業や質疑応答を受け付けることが考えられます。
■馬渕教室
この記事を書くために馬渕教室のサイトを初めてしっかりと読みましたが、非常に驚いています。
まず、通常の授業が双方向オンラインで実施されています。授業開始時に復習テスト(理解度確認テストという名称です)を解き、続いて双方向のオンライン授業を受けて、授業終了後は個別に質問を受ける形式です。素晴らしいですね!
お子様や保護者様の相談もオンラインで対応可能とのことで、教育相談を気軽に受けることができそうです。
通常授業だけではなく、志望校別対策のオンライン授業も充実しています。
- リアルタイムでの双方向オンライン授業
- 好きな時に視聴可能な灘中Web
- 灘中対策完全1対1個別指導
の3本柱で構成されています。他塾生の併用可能。私が保護者なら即問い合わせをしたくなる内容です。併用他塾生の合格者数が馬渕教室の合格者としてもカウントされるでしょうから、今年の馬渕皇室の灘中合格者数はさらに増加することは確実でしょう。
受講資格、講座カリキュラムなどの詳細は掲載されていません。問い合わせフォームを送信することで塾から連絡があるのでしょう。そこで詳細をご確認ください。
灘中だけではなく、東大寺・甲陽・洛南・西大和・星光・洛星・神戸女学院の志望校別オンラインも開講されています。内容は灘中オンラインと同様の3本柱です。受講にあたっては受講資格判定テストで合格する必要があります。
学校別の詳細なカリキュラムが掲載されています。
6年生向け講座。カリキュラムは灘中合格特訓のような内容です。毎月2回配信で、1回4100円。受講にあたっては受講資格判定テストで合格する必要があります。
特待制度があるので、判定テストの成績が極めて優秀な場合は割引になる可能性があります。詳細は塾にお問合せください。
GW中のイベントを検索すると、1件だけありました。
5/3,4 灘中トライアル(6年生男子対象)
オンラインではなく、京都四条烏丸本校で実施すると書いてあります。大勢がぎゅうぎゅうに集まることが予想されるイベントを実施して大丈夫でしょうか?と心配になります。私が親なら受験は見送ります。各ご家庭でご判断ください。
■浜学園のオンライン品質向上を切に願います
記事をまとめることで、オンラインでの授業や模擬試験が非常に進化していることが分かりました。
オンラインでの授業や模試であれば、他塾生も気軽に受講することができます。おそらく1人の生徒さんが複数の塾のオンライン授業を利用することになり、それぞれの塾が発表する合格者数の数字をそのまま信用することが難しくなりそうです。
併用web生は合格者数から外す必要があると思いますが、そうすると塾側のメリットが薄れるために当然web生の合格は加算されるでしょう。
希学園、馬渕教室のオンライン講義や模擬試験の品質と比較すると、浜学園のオンラインサービスは「大丈夫?」と保護者様もお子様も心配・不安になる内容ではないでしょうか。
有料の模試を自己採点させるなんて、受験する意味がありません。
学年が下であれば、まだのんびりもできますが、6年生は違います。時間がありません。今から他塾に変わることも勇気が要ります。でも併用可能な他塾オンライン授業は受講できます。
休校期間が続くようであれば、双方向授業や採点して順位や偏差値を付けてくれる模擬試験に生徒は流れていくでしょう。
関西最大の進学塾として、「さすが!」と塾生や保護者様が安心するような、他塾生が受講したくなるようなオンラインのサービスを本気で導入してください。と塾生の保護者様に代わって意見します。
浜学園の早急な進化を期待しています。
- 休校期間の教材に最適。1カ月間無料の申込は5/10まで
- 英語&数学の先取り学習に最適!
- 問題演習&ビデオ解説で理解が深まります
- 小4から高3までの講義と教材は使い放題
コメント
小学6年生の親です。
9月入学 絶対反対です。
半年も受験が延びるのは金銭的にも何より精神的苦痛に耐えられません。
ボンズ君のママさんは、どんなお考えですか?
こんばんは。コメントありがとうございます。
私は9月入学賛成です。
それでも9月入学はすぐには導入されないし、来年の入試時期は1月から動くことはないと思います。
今年の受験生は夏休みが大幅短縮されて、こちらの方が影響が大きいのではないでしょうか。