■5年生英語の年間カリキュラム
2020年4月からの小学校英語教科化が気になり、カリキュラムを調べてみました。
今年4月から英語が教科化されるのは5年生と6年生です。学校で初めて英語を学ぶ5年生の教科書はどのような内容でしょうか。検定教科書を発行する7社の中の1つを例にご紹介します。
1学期のカリキュラムからです。
名前、誕生日、好物、好きな科目、将来なりたい職業などを互いに質問し合ったり、自己紹介をするなど、会話中心のカリキュラムのようです。会話というよりは、まず何か英語を喋ってみようという目的で、会話のキャッチボールまでは求めない内容です。
2学期はどうでしょうか?
2学期の内容は、道順を尋ねる、場所を尋ねる、道案内をする、レストランでメニューを注文する、会計するなど、相手がいることを想定した場面での会話の練習です。
3学期はどうでしょうか?
日本の遊び、日本文化、日本生まれのヒーロー、日本の四季を英語で表現する内容です。日本を訪れる外国人との会話を想定しているように思えます。
■教科書は英会話中心の内容です
検定教科書のすべてがここでご紹介した形式と同じであるかどうか分かりませんが、5年生の教科書は英会話形式で初めて英語を学ぶようです。この教科書の6年生のカリキュラムも見ましたが、5年生の延長で引き続き会話主体で学習計画が進みます。
母国語が英語の外国人が先生であれば興味深い授業になるかもしれませんが、担任の先生が英語も教えるのであれば、指導はなかなか大変だろうなと思います。
科目化されたということは英語も成績評価の対象となるので、定期的な試験も実施されるでしょう。小学校の成績表は数値化された厳密な内容ではないので、テストや成績を気にする必要はありませんが、5年生、6年生と小学校で2年間英語を学んでも、体系的な英語は身につかないのではないかと思いました。
せっかく小学校で英語を学ぶのであれば、その内容が受験で役立つ知識につながるとずっと有益になります。小学校の集団授業に多くを期待するのは難しいので、学校だけではまかないきれない項目を自宅で補うことを考えてみました。
内容は、我が家に5年生の小学生がいると仮定して「私なら自宅でこうやって英語学習をフォローする」という観点でまとめました。
■英語自宅学習の目標を立ててみる
「小学校で英語の授業が始まったねー。楽しみだねー。どんなことするのかな?」と話しをしながら、私なら5年~6年の2年間の英語学習で何か目標を立てることを提案します。
「小学校卒業までに英検5級合格」
はどうでしょうか?きちんと勉強すればもっと早く5級は合格できるでしょうが、義務ではありませんので負担にならない範囲で、学校の授業と並行での勉強でよいと思います。
英検を目標にした理由は、英文法を体系的に学習することをおすすめしたいからです。文法の知識なしに会話文だけをいくら学んでも、一定以上の語学力を身に着けることはできません。
道を尋ねたり、自己紹介はできるようになっても、英文法の知識なしには新聞を読んだり、ハードカバーの原書を読んでその内容を要約したり、自分の意見を筋道を立ててスピーチしたり、英語で原稿用紙を埋める量の文章を書けるようになるのは難しいです。
一方で、英文法の学習だけではリスニングや会話力を身に着けることも難しいです。したがって、せっかく小学校で英会話の授業があるならそのテキストや授業を活用することで、英会話やリスニングの力が少しでも身に付けばラッキーです。
必ずしも外国籍の先生でなくても大丈夫です。自己表現は恥ずかしいことではないこと、他の生徒さんの発表内容を尊重して否定しないことを教えてくれる先生と出会えると、英語学習は楽しく、自分の将来の選択肢を広げる道具になるとお子様は気が付いてくれます。そんな先生に出会えますように。
お子様には小学校の授業を大切にするようにお話してあげてください。会話やリスニングは学校で、文法は自宅で学習しようと説明すれば、理解してもらえると思います。
教材は英検5級用の問題集を1冊仕上げれば、それで十分です。CD付の方が安心です。
小学生のためのはじめての英検5級(CD付)
英検5級をひとつひとつわかりやすく。(CD付)
塾の勉強の負担にならない程度に、遊び半分で進めていただくので十分です。負担であればやらなくてもいいくらいです。
ある程度理解が進んだかなと思われましたら、ぜひ試験に挑戦していただきたいです。試験の前には過去問を解いておくと安心です。
公式問題集もありますが、英検の過去問1年分は英検ウェブサイトで公開されています。リスニング音声データ、問題、解答一式が無料でダウンロードできます。
■5年生は2年英語を学んだ前提での中学過程かも
初めて英文法を学ぶお子様でも、英検5級は半年もあれば十分に合格できます。もう少し勉強を続けたいとお子様が希望するのであれば、4級に挑戦することもできます。
5年生のお子様は、小学校で2年間英語を学んで中学校に進学する最初の学年です。中学進学時の英語のカリキュラムは、小学校で2年間学んだことが前提の内容である可能性が高いです。私立中学校であれば、中1英語のスタートラインがだいぶ先まで進んでいるかもしれません。
英文法の基礎を学んでいるのといないのとでは、中学英語の学習に相当な差が出てきます。中学受験対策の進学塾に通いながらさらに英語の学習をするのは非常に負担が大きいです。したがって、無理のない範囲で、興味があれば自宅学習をやってみてください。
4年生までで比較的時間に余裕があるお子様は、余裕のあるうちにぜひとも英文法の基礎を学習されておくと、後から非常に楽です。ただ、2年生や3年生で英文法の基礎を学習し、その後、6年生の受験が終わるまで英語学習の機会がゼロになると、忘れてしまう可能性もあります。
一度覚えたことなので、また思い出すのも難しくはないでしょう。英文法の学習はやっておいて損はありません。無理のない範囲でおすすめします。
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