本日は東洋経済オンラインの記事「平成31年間の東京大学合格者累計ランキング」をご紹介します。
共通一次試験からセンター入試試験への移行、分離分割方式の導入、英語リスニング試験の追加、後期試験の廃止、推薦試験の実施など、入試制度が変わり続ける中で、平成の間ずっとトップだったのは開成です。累計の合格者は5405名で、年平均174名もの合格者を出しています。
２位は灘中の3055名です。最多合格者は1990年の123名、最少合格者は2019年の74名です。理IIIの累計合格者数は445名で、最多合格者は2013年の27名、最少合格者は2003年の6名です。これに続くのは開成の284名、筑波大附駒場の212名、ラ・サールの156名です。この４校は平成の間、毎年合格者を送り出し、理III合格者トップ４をこの４校で独占しています。
ここまでのトップ校はすべて男子校です。５位は共学の東京学芸大附属、６位は女子高の桜蔭です。上位校は中高一貫校が多く、伝統校であることが特徴です。新進の進学校は出てきません。公立校のトップは18位の県立浦和で1069名です。
劇的に変化した学校もあります。25位の渋谷教育学園幕張は、平成元年は合格者がゼロでしたが、累計で864名に達しています。34位の西大和学園は、平成元年の合格者がゼロですが、累計合格者数は556名です。55位の豊島岡女子学園も、平成元年の合格者はゼロですが、累計合格者は394名です。90位の渋谷教育学園渋谷は、2001年まで合格者がゼロでしたが、そこから262名の合格者を出しています。元は渋谷女子高でしたが、教育改革を行い、男女共学の進学校に変わり、合格者が急増しました。中学入試の人気校です。
続いて、県別のトップ校を見ていきます。北海道・東北では、北海道は60位の札幌南、青森は133位の青森、岩手は63位の盛岡第一、宮城は67位の仙台第二、秋田は91位の秋田、山形は80位の山形東、福島は127位の福島・県立で、いずれも各道県のトップ校です。
関東・甲信越では、茨城は28位の土浦第一、栃木は39位の宇都宮、群馬は57位の高崎、埼玉は18位の県立浦和、千葉は20位の県立千葉、東京はトップの開成、神奈川は8位の栄光学園、新潟は69位の新潟、山梨は97位の甲府南、長野は78位の県立長野です。中高一貫校の名前が目立ちます。県立千葉も現在は中高一貫校です。
北陸では、富山は42位の富岡、金沢は44位の金沢大附、福井は88位の藤島です。東海では、静岡は76位の浜松北、岐阜は44位の岐阜、愛知は22位の岡崎、三重は67位の高田です。
近畿では、滋賀は167位の膳所、京都は17位の洛南、大阪は38位の大阪星光学院、兵庫は2位の灘、奈良は19位の東大寺学園、和歌山は47位の智辯和歌山です。滋賀以外はすべて中高一貫校です。
四国では、徳島は133位の市立徳島、愛媛は23位の愛光、香川は51位の高松、高知は119位の土佐です。
中国では、鳥取は160位の鳥取西、島根は103位の松江北、岡山は58位の岡山白陵、広島は26位の広島学院、山口は170位の下関西です。
九州では、福岡は16位の久留米大附設です。今年、中高一貫校の女子が初卒業したこともあり、九州の学校で初めて東大合格者数のトップ10入りを果たしました。佐賀は66位の弘学館、長崎は34位の青雲、熊本は35位の熊本、大分は86位の大分上野丘、宮崎は83位の宮崎西、鹿児島は7位の鹿児島ラ・サール、沖縄は192位の昭和薬科大学です。
平成の間の東大合格者を送り出した学校は1521校、これは全校の3割に当たります。3校に1校からは1名以上の東大合格者が輩出される計算です。
自宅から東大に通学可能な首都圏は別にして、それ以外の地域、特に関西地区の中高一貫校は必ずしも東大に人気が偏重しているわけではないと思います。自宅から通学可能な範囲に、京都大学、大阪大学などの総合大学が複数あること、医学部人気が続いていることから、東大に合格可能な生徒が、国公立の医学部を目指すケースも見られます。
もっとも、「東大よりは、地元の国公立医学部に行こうかな」と選択できる時点で、非常に優秀な生徒さんであることは間違いありません。「東大卒」というブランドを選択するか、「医学部卒」を選択するか、自分が専攻したい学部のある大学を選択するか、お子様次第です。
ここ数年の志望動向を見る限りでは、関西地区の医学部人気は続きそうですが、医学部卒業後は医師になって、患者さんを診ることを想像しているのでしょうか。少なくとも、ぼんず君は全く想像していませんでした。親から見て、その進路選択は大丈夫？と感じます。医学部オープンキャンパスに連れて行くことを計画中です。
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