■休校中の過ごし方で公開結果に明暗
5月24日に実施された公開学力テストが返却されましたが、結果はいかがでしたでしょうか?
3月から長らく続いた塾や小学校の休校期間、規則正しい生活を維持して勉強をコツコツと続けたお子様は、それほど成績に変動がなかったのではないかと思います。休校期間に真面目に勉強できたお子様の方が少ないでしょうから、小学校で過ごす時間も塾の勉強に充てたお子様はもしかしたら成績が急上昇したのではないでしょうか。
受験勉強は「逃げ切り」が基本ですので、この休校期間に大いなる勉強の貯金ができたお子様は、どうぞそのまま逃げ切り(上位を維持する)を目指して、まずは夏休みまでの過ごし方の戦略を立ててみてください。
計画は大まかなものを立てて、あとは実行しながら微調整すれば大丈夫です。後ろから追いかけるよりも、先に前に進んで後ろを振り返りながら、後半の力の入れ方を調整する方がずっと楽です。
■出来なかった時は態度に表れます
5月の公開学力テストの結果が残念ながら今ひとつだったお子様もいらっしゃると思います。
試験の出来が悪い時はすぐにわかります。我が家の場合は、まず、当日受けた答案を親に見せない。すぐに自己採点をしない。下手をすると試験が終わってからまっすぐ帰宅しないで、道草を食いながら牛歩で帰宅することもありました。
ぼんず君は、牛歩になりがちでした。公開学力テストだけでなく、復習テストの出来が悪い時もそうですが、帰宅時間が遅くなりました。駅から自宅まで何やってるんですか?と思うくらいにノロノロと歩いていました。あまりにも帰宅が遅いので、駅に迎えに行った時に肩を落としてヨボヨボと歩くぼんず君を遠目で見た時から、牛歩対策を考えなければならないと思いました。
それ以降、出来が悪そうなテストの時は、塾の入り口でぼんず君が出てくるのを待つことにしました。
「なんでいるの?」という表情をするぼんず君と駅まで移動しました。そこからの行動は毎回同じです。
駅付近のお店で御座候(回転焼)やビアードパパ、神戸屋のパンなどを買って、食べさせて、まずは気持ちを落ち着かせます。自分で結果を言うまで待って、なかなか言わないですが、イライラしながら我慢です。自宅に到着する頃には小腹も満たされて、何となく気持ちが落ち着いています。
■結果に落胆するよりも冷静な分析と振り返りを
帰宅後は速攻で採点して、直せる問題だけその場でやり直しをしました。
採点とやり直しは、問題用紙に書き込まれた内容が正確でない時はあまり意味がありません。あまりにも出来が悪い時は、お子様が試験終了後に正解を解答したような痕跡を書き込むこともあるので、答案の書き込みは全面的に信用しない方がよいこともあります。
書き込みとおりに採点した結果よりも返却答案の点数が悪い時は、あまりお子様を責めないであげてください。
本当の見直しは答案返却後です。結果が良い時は直しの問題数が少なくて楽ですが、結果が今ひとつの時は怒りや落胆よりも、分析と振り返りを重視することが大切です。
淡々と文章にしていますが、出来が悪かったり、悪いことをごまかそうとする姿勢に腹が立つお気持ちは非常によくわかります。それでも揉めることに時間を使うよりも、見直しと復習に使う方がずっと前向きです。
私がぼんず君に言うセリフは毎回同じでした。
- 「今回できなかった単元は二度と同じ間違いをしない」
- 「次からは絶対この単元を得点源にしよう」
口で言うだけでは学力はつきませんので、しっかり単元の復習をしました。
■問題用紙の書き込みから間違いの原因を探る
公開学力テストに限らず、テストの間違えた問題の書き込みから「間違いの原因」を見つけることを最初にしました。これは答案を入手した夜に必ず終わらせました。。
次に書き込みの残った答案をコピーして保管。コピー後に答案を消しゴムで消して、解き直しに使える状態にしました。
それから、間違えていることがほぼ確実な問題の類題を探しました。探す原本は、
- 過去の公開学力テスト
- 過去の復習テスト
- 過去のテキスト
浜学園の公開学力テストの場合、5年生までなら上記3つのいずれかで類題を見つけることができます。6年生は出題意図がよくわからなくなったのと、6年公開対策に時間を割くことができなくなったので、類題探しはしなくなりました。
ただし、間違えた問題のやり直しは必ずやりました。その上で「さすがにこの問題は解けなくてもいいわ」という見極めの確認もしました。6年生の公開算数であれば80点から85点で偏差値70超えます。5分以上考えても分からない1問に時間を使うよりも、それ以外の8割を完璧に合わせる方が得点できます。この考え方は入試本番で非常に重要です。
■厳しい言葉よりも「やれば出来る」が効果的
公開学力テストの結果が思わしくなかった時、特に6年生の場合、「こんな結果だと志望校変更しないといけないよ」とか「休校期間にさぼり続けていたからもう追いつけないよ」などと、お子様に言ってしまいがちです。
しかし、小学生の場合、いわゆる「はっぱをかける」言葉は効果を発しないことが多いです。
特に男子はそうですが、精神構造が非常に単純です。「あなたなんかダメなのよ」と言われると「そうか、僕はダメなんだ」と言葉をそのまま受け入れがちです。
「自分はダメだからもっとがんばらないといけない」と律儀なサラリーマンのような発想は出てきません。まあ、小学生ですから当然です。
それよりは、今回結果が崩れた原因を考えさせて、その対策を一緒に組み立てて、次回に向けてがんばろうと前向きな気持ちにさせる方が有効です。
5月の場合なら、崩れた原因→休校中に生活がたるんだ、次回の対策→2月からの総復習をがんばる、のような感じです。
5月の公開学力テストで失敗しても、6月の公開学力テストで挽回すればいいのです。復習テストでも点数を積み上げることができます。「5月ダメだったからもういい…」と思わせないよう、嘘くさいくらいにお子様の気持ちを乗せてあげてください。
■休校中のスローな日常からは卒業を
6月からは大半の地域で小学校も塾も再開していますから生活の乱れはないと思いますが、休校中に身に付いたのんびりとした時間軸は修正する必要があります。
具体的には、食事や入浴の時間を多く取りすぎないこと、朝寝坊や夜更かしは避けること、勉強開始時間になったらぱっと始めることなどです。
その上で、5月公開の結果が良くても悪くても、次の6月公開テスト2週間前から準備を始めます。公開学力テスト対策の学習方法をまとめた記事があります。毎月の総復習を半年も続ければ成績は必上昇します。毎週の復習テスト対策と並行して続けてください。
総復習と同じくらいに大切なことは、お子様をその気にさせることです。
- やればできる
- 今やってる学習方法で大丈夫
- 問題解けるようになったね
- 早くできるようになったね
何でもいいです。我が家の場合は「ぼんず君はお母さんの子どもだから、賢くなるわ」が効果ありました。今思えば笑ってしまうようなセリフですが、ぼんず君は「本当?そうだよね」と中3の今でも信じています。
男子は単純、女子は現実的というのはどの学年でも当てはまると思います。確実に言えることは、今日から6月公開学力テストの準備を始めれば、十分に間に合うということです。終わったことをクヨクヨしても仕方がありません。次に向けてがんばりましょう!
コメント
いつも読ませていただいています。
今回のお話、私にはとても心に響きました…
この休校中、コツコツ頑張って勉強していた…はずなのに偏差値10以上さげました。
本人はそれほどわかっていないようで…
なので余計に腹がたちました。
正直どうしたらいいのか、どうしてあげたらいいのかわからずで今現在もかわいそうなことをしているとも思います…
今回の内容を頭の隅においておきうまく気持ちをあげられるように努めたいと思います。
これからも読ませていただきます。
ありがとうございました
こんばんは。コメントありがとうございます。
我が家もそうですが、成績が変動してもあまり気にしないというか
ひょうひょうとされると腹が立ちますよね…。
お子様は多分何も考えてないと思います。だから保護者様が怒る理由も
よく分からないという親の理解を超えた状態に見えるのではないでしょうか。
失敗の理由を1つずつつぶして、翌月挽回すれば大丈夫ですよ!