なぜ入学時の順位と大学進学実績は異なるのか~中学から成績ガタ落ち生徒の共通点

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中学受験_記事紹介
イラスト:麦さん(ACフォト)

本日は、プレジデントオンラインの記事「なぜ入学時の順位と大学進学実績は異なるのか~中学から成績ガタ落ち生徒の共通点」をご紹介します。著者は、プロ家庭教師集団「名門指導会」代表の西村則康先生です。


 

■入学後に危ない「いい子」

中学受験の入試は短期戦です。首都圏では2月1日にピークを迎え、よほど苦戦しない限り3日で終結します。小学校生活の半分を受験勉強に費やしてきたのに、いざ入試が始まるとあっけなく終わります。

第一志望校に合格できれば大喜びですが、浮かれている状態をいつまでも続けていいわけではありません。なぜなら、入学後、学校の勉強についていけずドロップアウトしてしまう子もいるからです。

中学受験は子どもがまだ幼いため、親のサポートが不可欠です。多くの子どもは、塾や親からの指示に従って勉強を進めていくことになります。 親の立場からすれば、言われた通りに勉強をする子は扱いやすく、 「いつになったら勉強を始めるの?」 「今からやろうと思ってたのに……」 「やる気はあるの?」 「うるさいなぁ~」 といった、不毛なバトルを繰り広げずにすみます。

しかし、小学生時代に言われたことを素直にやってきた「いい子」ほど、中学に入ってから伸び悩んでしまうことが多いのです。

■中学校は細かく指示をしてくれない

中学受験の勉強は、ほぼ3年間という限られた期間に普通の小学生がする勉強法ではとても太刀打ちできない量と中身をマスターしなければなりません。そのため、どうしても大人が手綱を引きがちです。それが、たくさんの受け身の子を作り出してしまいます。

中学に入学すると、よほど面倒見の良さをうたう学校以外はあれこれ指示を出しません。最難関校だとなおさらで、自分で考えて計画を立てながら勉強していかなければならなくんります。けれども、小学生時代に受け身で勉強してきた子どもは、大人から指示がないと何をしていいのかわからず途方に暮れます。わからないまま授業に臨み、定期試験を受け、その結果を見て愕然とします。それが続くと、勉強に対するやる気が低下し、学校生活自体も楽しめなくなってしまいます。

中学受験は子どもに負担が大きいです。「これほどまでに勉強させる意味があるのだろうか。なんでも親がサポートして、子どもの自立を妨げていないだろうか」と、今の中学受験のやり方に疑問を抱いている親は少なからずいます。そういう親は、中学生になったら子どもの自主性を大事にしたいと、突然手と目を離してしまいがちです。

でも、私は中学1年生までは親は目を離さないほうがいいと思っています。中学受験で何から何まで親の指示通りに動いてきた子が、中学生になったからといって一人で何でもできるようになるはずがないからです。

■入学後の不機嫌は成績不振の可能性も

親が子どもに「自分はどうしたいか」決めさせてきた場合(少なくとも考える機会を与えてきた場合)はスムーズに移行できますが、これまで子どもにまったく自由裁量権がなかったのに、ある日を境に突然、「これからは自分で考えなさいね」と言われても、子どもは困ってしまうでしょう。

成績は学校生活の充実度にも比例します。中学に入ってから、朝に起きられなくなる、だらしなくなる、イライラしているなど子どもの様子がちょっとおかしいなと思ったら、注意が必要です。

この時期は思春期に差しかかるので、子どもの不機嫌ややる気のなさを思春期のせいにしてしまいがちですが、その理由を深く見ていくと学校の勉強についていけていないことが多いです。

中学校後、最初にあるのが1学期の中間テストですが、中学生としての授業が始まってまだ2カ月もたたないうちに実施されるため、それほど難しい問題が出されることはありません。中学受験が終わった開放感から勉強に対するやる気が低下しても、中学受験で蓄えた学力の貯蓄で高得点を取ってしまう子もいます。そういう子は、「なんだ、この程度のレベルか」と甘く見て、努力をしなくなります。

■成績が下がる→入塾はおすすめしません

しかし、2学期の定期テストになると事態が変わってきて、勉強をしない子は確実に成績が下がります。 また、それなりに勉強をしたけれど、成績が下がってしまう子もいます。

そういう子は、今の勉強のやり方が間違っていることが考えられます。例えば算数から数学へ変わったところの理解ができていない、英語の暗記の仕方がわからないなど、何かしらの原因があります。まずは、その原因を探り、改善することが先決です。

ところが、中学受験では塾を中心とした勉強を進めてきたため、塾ナシの生活に不安を抱く親がいます。そういう親は、子どもの成績がちょっと下がっただけで、慌てて塾に入れて、塾にさえ入れておけば安心と思い込みます。しかし、私はそれには反対です。

まずは原因を探り、試行錯誤して改善していく経験をさせてほしいです。なぜうまくいかなかったのか。すぐに手放さず、中1の夏までは親も一緒に考えてほしいです。

ある程度、子ども自身で考えられるようになったら、少しずつ距離を離し見守るスタンスに変えていく。それが理想の自立の促し方だと感じています。(記事終わり)

■試験準備してなくても「やってるよ」の返答も

今年の新中1生は学校生活が6月から始まったこともあり、例年のスケジュールに当てはまらない部分もあると思いますが、最初の大きな試験は1学期の期末考査になると思います。中間考査が飛ばされてた学校の場合、期末考査の試験範囲は広くなります。技術や音楽のような副教科の試験もあるので、準備・対策には最低でも2週間程度の期間が必要です。

中学入学後は、中学受験の時のように保護者様がつきっきりで勉強を見るご家庭は少数派です。まず、お子様が嫌がるので、つきっきりも難しくなります。

それでも進捗が気になるので「試験準備やってる?」とお子様に聞いても、「できてないんだよね」と答えるお子様はまずいません。手つかずでも「やってるよ」と答えます。そう答えておけば、この話題の会話は終わるからです。準備ができていないことは、試験が終わって答案(または成績表)が返却されるまでは保護者様には分かりません。

上の話は我が家の実例です。1学期の中間考査までは私が貼りついて勉強の進捗を確認していましたが、中間考査以降は自主性に任せてみようと、ぼんず君の自己申告をそのまま信じていました。

これは大失敗でした。一部の科目は授業内容を理解していないことが期末考査の答案返却後に分かりました。それらは私が教えられない科目で、仕方がないのでぼんず君と一緒に勉強しながら私が学習をフォローするという非常にしんどい夏休みになりました。1学期の期末考査で崩れた科目の立て直しは本当に大変でした。

■中学以降は親のフォローを嫌がるのが通例

6月の対面授業開始から3週間ほど経ちましたが、夏休みが始まるまでの間は、毎日の授業を理解できているかの確認(具体的にはノートチェックと小テストなどがあればその返却答案の確認と見直し)と、期末考査対策の計画立案、そしてその進捗度合いを毎日確認を強くおすすめしたいです。

 お子様は嫌がると思いますので、「最初の大きな試験で目標(80点以上など学校に適した点数をご設定ください)以上の点数が取れたら、次から一人でやってみて」と提案するのはいかがでしょうか。

最初の試験で、計画、準備、日々の勉強をうまく回すことができれば、2学期以降の定期考査は保護者様のサポートなしでもお子様一人で勉強できるようになります。

崩れたら親フォロー、目標以上なら自立学習でがんばってもらいます。中学生の怖いところは、勉強が分からない、できないことを親に言わなくなることです。我が家は、ペットの犬や猫が飼い主に腹を見せて転がるように(へそ天)何でも親に報告する子ですが、これは少数派です。

その少数派のぼんず君でも、1年生1学期期末考査は「自分で勉強したい」と主張しました。中学生になったら自立したいのでしょう。一度失敗させてみるのもありですが、その場合は失敗した時の引き上げ策を用意しておくと安心です。

コメント

  1. 夜空 より:

    本当にその通りですね。先生はそう、おっしゃいませんが。。。
    一年生は、まだ、付き添いが必要だとひしひしと感じました。それこそが
    母である自分自身の人生なのかもしれません。一年坊主の奮闘をサポートすることに徹します。
    それが私の天命とすら思えてきました。

    • bonzukun_mother より:

      こんばんは。コメントありがとうございます。
      中学生にもなって親がフォローするのはどうかな…と思いましたが、
      佐藤ママの文章に中3までは親がフォローするべきとあるのを見て、
      ちょっと安心しています。

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