東洋経済オンラインの記事
東大・京大・国公立医学部への現役合格率は?
の記事のご紹介と、そこから読み取れることをまとめます。
読み取れることは、記事内容ではなく私の分析です。私立中学校の選定に参考にしていただけると思います。
記事の内容は、東大合格者の首都圏からの占有率がこの10年で43.2%から55.9%に上がっていること(生活費の影響か?)、
京都大学合格者の関西圏からの占有率がこの10年で55.9%から50.8%に下がっていること(京大人気の全国化)、
西日本、特に関西圏進学校における医学部人気がますます高まっていることが書かれています。
数字は表を見ていただければ一目瞭然です。人口比で考えると、関西圏の私立高校は非常に健闘していると思います。
数字の中で私が注目したのは、
超難関校の現役合格者から外れた人数、です。
順位1位の灘中の場合、卒業生219人、現役合格者118名で、それ以外の人数は101名です。この中には東大や京大以外の難関大学の文系学部に進学した方が多数いらっしゃると思いますので、単純な比較はできませんが、101名です。
次に、順位7位の甲陽学院を見ると、現役合格者63名です。
10位東大寺学園の現役合格者は64名、12位大阪星光の現役合格者は52名です。
西大和は78名、洛南は109名ですが、両校ともに高校で大量の人数が入学するため、人数は多くても全体に占める割合は下がるために、順位はそれぞれ15位、17位となります。
続いて、22位洛星は43名、28位六甲は28名、50位清風南海は36名です。
灘中に合格できるお子様は、おそらくそれ以外のどこの中学校でも上位で合格できる可能性が極めて高いです。それなのに、中学と高校の6年間で、それ以外の中学校にいる最上位のお子様よりも大学実績では下回る場合があります。
甲陽学院や大阪星光、洛星など浜学園が最難関中学と呼ぶ学校の上位層は(上位20~30%程度)、灘中の生徒さんと互角に競える学力です。
記事内容からの推測ですが、中学校の偏差値や名前に惹かれて、ギリギリでもいいから合格させたい!とチャレンジ受験して合格した場合、入学後、勉強面で厳しい学生生活となる可能性があるということです。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」のことわざ通りに、集団のトップ層にいる方が能力(学力)はより向上することが多いです。
私のおすすめは、上位3割程度の位置で入学して、余力を残しながら先取り学習を進めて、中盤戦から徐々に上に上がっている戦法です。最初からトップを走り続けられるのは、それこそ進学塾時代からトップ慣れした10傑常連のお子様くらいで、トップに慣れていないお子様はその位置を維持しようとするだけで疲れ果ててしまいます。
または、自分と競える同程度の学力の子が複数いないと、競争が成り立たないため、学校内の成績はよくても、個人の学力は伸び悩むと思います。
ぶっちぎりトップの学校よりも、お子様と同程度または少し上の子と競える母集団の中学校が良いです。と書くのは簡単ですが、どうやってそれを見分けるかですね。
いちばん分かりやすいのは、志望校別特訓のクラス分けです。入学後、多少の位置の入れ替わりもありますが、入学当初の位置付けは、クラス順位が反映される割合が高いです。そのためにも、第一志望の志望校別特訓で1組か2組を持続することが大切です。
「ギリギリでもいいから、憧れの中学校に入学したい!」という気持ちはとてもよく分かります。まずは合格しないとどうにもならないので、がんばって合格を目指します。
合格したら、その翌日から、また受験勉強と同じ気持ちで、同じ量の勉強をまずは入学式まで続けます。その気持ちがあるなら、ギリギリ狙いもOKだと思います。
どこの中学校に入学しても、その学校でトップになれば、どこの大学でも合格できることを、東洋経済の記事は教えてくれています。
最難関中学校の中で、近年特に最上位層を集める灘以外の学校の人気の理由がこの表から分かりますよ。
コメント
[…] 私もこの考えに賛成で、進学先選定に関する記事で同じことを書いたことがあります。 […]
こんばんは。コメントありがとうございます。
10/1の記事にコメントをいただいたものと勘違いしており
お返事が遅くなり申し訳ありません。
結局は生徒さんそれぞれの性格によるので、保護者様の見極めが非常に重要になるというのが私の今の考えです。