【記事紹介】自分は不幸だと思う人は脳の使い方を知らない

スポンサーリンク
中学受験_記事紹介
RRiceさんによる写真ACからの写真

本日は、東洋経済オンラインの記事「自分は不幸だと思う人は脳の使い方を知らない」をご紹介します。著者は脳科学者、医学博士の岩崎一郎氏です。記事タイトルは中学受験と何の関連もないように思えますが、記事の内容は今の時期の6年生保護者様にお役に立てる内容と思い、こちらの記事を選んでみました。


 

■人が幸せに生きることに関わる脳の部位

島皮質は、脳全体をバランスよく協調的に働かせるために必要な「ハブ(中継基地)」の役割を果たしている部位です。

これまで脳といえば、高次機能を司つかさどる前頭前野、記憶に深く関わる海馬、あるいはモチベーションに関与する中脳のドーパミン細胞などが注目されていました。ところがあまり研究が進んでいなかった「脳の部位」に、その人が豊かで幸せに生きられるかどうかが大きく関わっていることがわかってきました。 そのひとつが「島皮質」と呼ばれる部位です。

島皮質は、大脳のひだ奥深くに隠され、他の部位に覆われていることもあり、これまであまり注目されてきませんでした。しかし最近になって、この島皮質を鍛え、脳全体をバランスよく協調的に働かせることが、その人の人生を豊かに幸せにすると科学的にわかってきたのです。

■島皮質は感情、食の好みから意思決定にまで関与

脳では、この部位は記憶を担当、この部位は理性の担当というように、各部位でそれぞれの役割担当が決まっています。島皮質が担当する分野はかなり幅広く、社会的感情、道徳的直感、共感、音楽への感情的な反応、依存、痛み、ユーモア、他者の表情への反応、購買の判断、食の好みなどに関わります。

また島皮質に障害が起きると、無気力になり、口にしたものが腐っているかどうかの判断ができなくなります。さらに島皮質からの情報は、脳の他の部位、とくに前帯状回や前頭葉に伝えられて意思決定にも関わります。

このように島皮質は幅広く活躍しているのですが、もっとも大きな特徴は脳のなかで「ハブ(中継地点)」のような役割をしている点です。自分の外側から来る感覚と内側の感覚を繫つなぐ、他人の気持ちと自分の気持ちを繫げる、また、過去の自分といまの自分や、いまの自分と未来の自分のイメージを繫げるといった時間的なハブの役割もします。

■島皮質を鍛えることでより幸せを感じられる

このハブの働きによって、私たちは他者のことを理解したり、他者に共感したりすることができます。つまりこの島皮質の機能を高めれば、他の人と心の繫がりを持ちやすくなり、たとえどんな過去を持っていようと、過去の自分を受け入れやすくなります。

それだけでなく、島皮質は脳のいろいろな箇所を繫いでいるため、脳全体が活性化され、脳が本来持っている力が引き出されるのです。「幸福の概念と島皮質の厚みは正の関係にある」という研究結果も出ています。ウェルビーイングとは幸福の概念を指します。

つまり、幸せな人というのは島皮質が厚いのです。これは逆に考えると、島皮質が厚くなるような脳の使い方をすれば私たちは幸せになれるということです。

■誰にでもできる島皮質を鍛える6つの方法

① 感謝の気持ちを持つ

誰かに何かをしてもらったときの感謝だけでなく、常に感謝の気持ちを抱くことが脳の活性化には有効です。感謝しているときには脳内で複数の領域がプラスに繫がり、脳の活動が活発化するという研究結果があります。

② 前向きになる

気持ちが前向きだと、脳は活性化され、脳全体が働きやすくなります。「ポジティブな言葉」と「ネガティブな言葉」を投げかけられたときの人の脳波を測定した結果、ポジティブな言葉を投げかけられた場合には、脳全体が活性化したのに対して、ネガティブな言葉の場合、脳のアクセルはあまり活性化が起こらなかった研究結果があります。

③ 気の合う仲間や家族と過ごす

孤独は人の脳にとって「毒」になります。孤独の状態が続くと、新しく脳細胞を生み出す脳内ホルモンの生産が減り、また、他の脳内ホルモンや神経伝達物質も減少することが研究から分かっています。

④ 利他の心を持つ

自分を第一に考えるのではなく、まずは他者のことを考える。これが「利他の心を持つこと」です。  利他行動をした人は、脳内で島皮質と前帯状回、線条体という3つの部位がうまく繫がって活動したことが研究で確認されています。

⑤ マインドフルネスを行う

ビジネス界でも注目を集めるマインドフルネスも、脳にいい効果をもたらします。マインドフルネスが脳の老化の防止に繫がるのです。普段から、マインドフルネスを実践している人たちは、70歳になっても45歳のときの脳機能のままでストップしていたことが研究から分かりました。

⑥ Awe(オウ)体験をする

大草原や大海原、あるいは星空など、自然を前にして圧倒される経験を、Awe体験といいます。Awe体験をすると自分の自我(エゴ)を少なくし、謙虚な気持ちを起こすことが研究からわかりました。

■脳の使い方を変えない限り、脳は成長しない

6つのポイントは、考え方や行動そのものはオーソドックスなものが多いと感じたかもしれません。 そして、「もっと豊かに幸せに生きたい」「脳の機能を強化したい」と思うときの考え方や行動としては、意外なものが多いと感じたかもしれません。

「もっと収入を増やしたい」と思うとき、「だったら感謝しなさい、前向きになりなさい」と言われてもピンと来ない人は多いでしょう。私もそうでした。でも、なぜピンと来ないかといえば、それは従来の脳の使い方にとらわれているためです。

たとえば「もっと収入が増えさえすれば、幸せになれるはず」「もっと良い学校に入れていたら、違う人生を歩めたはず」などと、私たちが「幸せになりたい」と願うとき、私たちは一定のパターンの脳の使い方を無意識にしてしまっています。ですが、豊かで幸せに生きるには、まずこの従来の脳の使い方を変えていく必要があるのです。(記事終わり)

■日常生活で特に意識していただきたい3項目

脳の島皮質の話はこの記事で初めて知りましたが、島皮質を鍛える6つの方法のうち5つは以前から私が意識していることと重複しています。特定の書籍を読んで始めたことではなく、生きる上で身に付いた習慣のようなものですが、これらは中学受験を乗り切る上でも随分役に立ちました。

5項目の中からあえて3つを選ぶとすれば

  1. 利他の心を持つ
  2. 感謝の気持ちを持つ
  3. 前向きになる

です。細かく書くと宗教のような話になりますので割愛しますが、中学受験はお子様と保護者様だけで乗り切れるものではありません。必ず他者の助けが必要です。「助けてあげたいな」と思われるには、我先にの気持ちを抑えて、手助けをして下さった方に対する感謝の気持ちを常に表すことが非常に大切だと思います。

小学生のお子様はそこまでの気が回りません。その分を保護者様がしっかりフォローして、プラスの運気を引き寄せていただきたいです。

どのお子様も優秀で成績が横並び、甲乙つけがたい状態の時、最後に差が出るのは勉強以外の心の在り方ではないかと思います。

コメント

error:Content is protected !!