「今の受験勉強は、お母さんの時代の常識では通用しません。」
これは、ぼんず君の中学受験時代に教育関係者の方から言われた言葉です。
私は大学卒業までずっと国公立の出身です。受験は高校受験と大学受験を経験しています。
塾や予備校は行ったことがありません。模擬試験を受験するために予備校の教室に入ったことはありますが、毎週放課後に塾に通う経験をしたことがありません。
大学受験の勉強は、チャート式、山川出版社、Z会の添削と高校の授業を真面目に勉強することで乗り切りました。悩み抜いて選んだ参考書をボロボロになるまで繰り返し使いました。
中学、高校、大学とずっと体育会クラブに所属し、今とは想像もつかない細マッチョな体形で、毎日放課後ランニングやトレーニングをしたり、週末に合宿遠征に出かけていました。
そんな私が、中学受験時代に、とある現役の先生にぼんず君の勉強に対する姿勢を相談した時のことです。
ぼんず君が文句ばかり言うので嫌になります。
どんな内容ですか。
勉強するのが面倒くさいとか。眠いとか。
塾に通えて、親も勉強を教えてくれる恵まれた環境を、全くありがたいと思っていません。
そんなもんですよ。
私たちが子どもの時は塾に行くなんてぜいたくだったのに。
私立中学校に行けることを当たり前だと思っています。
お母さん、今の中学受験は試験内容が高度になりすぎて、塾なしでの合格は難しいですよ。大学受験も医学部であれば中高一貫校が圧倒的に強いです。
私が子どもの頃はおやつなんて選べなかったのに、ぼんず君は毎日、アイス食べたいだの、食後は果物が欠かせないだの、肉肉とうるさいです。
ぼんず君は勉強がんばっていますから、好きなおやつくらい食べさせてあげてくださいよ。
どうやら、私の感覚はさまざまな点で「古い」らしいです。
今の子ども達はおやつやお小遣いをもらうのは当たり前の感覚なので、過度にならない程度にご褒美を使いながら勉強のやる気を引き出すのは有効であること。
中学受験の問題は年々難しくなり、特に算数は指導力の高い先生の下で大量の演習問題を解くスタイルの勉強がどうしても必要であること。
だから、中学受験対策の進学塾に行くことは決してぜいたくなことではなく、合格には不可欠な存在であること。
最上位公立高校に多くの優秀な生徒が集まる大阪府であっても、医学部の難化には対応が難しく、灘や東大寺を始めとする中高一貫校から医学部合格者が多いこと。
「古い人間でもいいよ」と思いましたが、受験や勉強を取り巻く状況が変化している以上、私もある程度はその変化に対応しなければなりません。
ぼんず君が公立高校に進学する可能性は限りなくゼロですが、大阪No.1の公立高校である北野高校の大学進学実績を見てみました。
北野高校の2019年春進学実績
京都大学72名(うち現役生52名)
大阪大学58名(うち現役生43名)
人数を見ると「多いなー」と思いますが、学部ごとの内訳が分かりません。おそらく、医学部は全部合わせて現役は数名程度だと思います。(正確な人数をご存じの方はぜひ教えてください)
大学進学実績の話になると、特に関西では必ず引き合いに出されるのは「医学部合格者数」です。関西地区の国公立大学医学部の偏差値は恐ろしく高いです。
大阪市立大学は、大阪府民で一定所得以下の場合、授業料を無償化すると吉村府知事が発表したので、来年以降、さらに市大医学部の人気は高まると思います。
しかし、最難関中高で医学部目指して勉強する皆さんは、全員本当にお医者様になりたいのでしょうか?ぼんず君を見る限りは、中学受験時代に「最難関七校」と浜学園が唱え続ける影響で中学校を選んだのと同じ流れで、次は医学部選択となっている気がします。
同じ流れで、文系よりも理系を選択する生徒さんが多いです。男子校だと7~8割が理系選択でしょうか。
京都大学経済学部でも、大阪大学法学部でも、学歴としてはとてつもなく立派です。
大阪大学基礎工学部や京都大学工学部であれば、就職で困ることはないと思います。院に進む方も多いでしょうね。
中学受験の通塾開始時期や勉強内容は、時代と共に大きく変わりつつありますが、一方で変わらないこともあります。
それは、社会に出てからは学歴だけでは生きていけないことです。
仕事場で辛い思いをするのと、もう一度受験勉強をするのと、どちらかが楽かを考えると、
「受験勉強が楽!」と私は即答できます。
勉強は自分の努力が即、点数や順位に反映されます。成績を上げることはコツをつかめば簡単です。
しかしながら、世の中には常識が通用しない人々や出来事がたくさんあります。勉強だけしているぼんず君は、世の中の荒波を超えられるのか、多少心配です。
学校教育にそこまでのご指導は望めません。親の言うことも聞かなくなりつつあるお年頃、さて、どうしようかな、と思案中です。
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