■何度復習しても得点できないこともあります
我が家の中学受験における勉強方針は「徹底的な復習主義」でした(国語を除きます)。授業翌週の復習テスト対策、復習テスト返却後すぐの答案見直し、季節講習と塾のイベントにもれなく参加していれば、1つの単元は1学年で3回以上復習する機会があります。
毎週の復習テストとスパイラル方式を組み合わせた塾のカリキュラムに加えて、自主的な自宅学習として毎月の公開学力テスト対策を続ければ、苦手な単元も1年以内には克服できることをご紹介しました。
それでも、復習テストやテキスト問題を繰り返し解き直しをさせても、公開学力テストや実力テストで点数が取れない科目や単元が出てくる場合があります。
何度問題を解き直しさせてもお子様がテストで解けない単元は、
基本から理解していない
可能性が非常に大きいです。
我が家の場合は理科でした。小4で始まった理科のスタートからつまずきました。動植物に始まり、天体、水溶液、密度、力学、電気と、小4で理解するのは難しい単元が続き、苦戦しました。
ぼんず君が小4理科でつまずき、クラス最下位の成績から公開学力テストでの得点源科目になるまでの経験から、負のスパイラルから抜け出せない場合の対処法をご紹介します。
■お子様一人で勉強させるのを止める
何度復習をしても得点が取れないのですから、まずはこれ以上お子様一人で勉強させることを止めます。誰か大人の指導者が必要です。指導者は大人なら誰でもいいわけではありません。
- 塾の授業内容程度は教えられる
- お子様の学習方法で間違っている箇所を見つけられる
- 我慢強く同じ説明を繰り返すことができる
ことが求められます。基本的に毎日マンツーマンで指導する必要があるので、保護者様が指導係をすることが多いです。お子様と一緒にテキストを読みながら勉強すれば、小4までは大丈夫です。
小5は算数がしんどくなりますので、小4のうちにお子様が自立するように指導をがんばります。
2は少し難しいです。チェックポイントは、
- 板書ノート
- 浜ノートなどの宿題ノート
- 返却済の復習テスト
この3つを確認することで、どこでつまづいているかを見つけることができます。
3は誰もがしんどいです。「お子様をおだてて保護者様が我慢」が基本です。
■最初に戻って全部解説+毎週の授業も解説
中学受験を目指して浜学園に入塾されたお子様であれば、足し算、引き算、掛け算ができないというレベルで学習がつまづいているわけではありません。
最小公倍数と最大公倍数の使い分けとか、N進法が組み合わさった計算とか、追いついたり抜かれたりする速度の計算など、単元ごとの高度な部分でつまづいている可能性が高いです。
いちばん時間がかかりますが確実な方法は、
- もう一度初めから全部を解説する。
- 平行して毎週の授業も全部解説する。
の1と2を平行して学習を進めることです。
どこでつまづいているかを見つけられれば、その単元を集中して解説→例題を解く→類題を解く→確認テストを解く、の流れで苦手な単元を克服することができますが、どこでつまづいているかを見つけることは案外難しいです。
■一緒に朗読すると理解が深まります
何だかわからないけど、いつの間にか算数(理科などでも可)が苦手になったという場合は、学年のいちばん最初に戻って、テキストの1ページ目から総復習を始めることをおすすめします。
保護者様が全部解説するつもりでお子様と一緒に学習していくことが、一見手間に見えても実はもっとも早い学習方法ではないかと思います。
我が家は理科で苦戦しましたが、今から思えば苦戦の原因は、ぼんず君が1週間の理科の勉強スタイルを構築できなかったことだと思います。
テキスト各単元の最初にあるまとめのページを非常に軽視していました。そして、いきなり問題を解こう、早く終わらせよう、前に進めようという気持ちばかりが強く、結局基礎を理解しないまま1週間が過ぎて、復習テストで得点できない状態でした。
そこで、サイエンスの第1週分から1単元ずつテキストを一緒に読むことから始めました。適度なところで区切らせながらぼんず君が朗読、区切ったまでの内容のポイントを私が繰り返して、テキストのイラストも確認しました。
毎週の授業範囲についても音読をしました。軽い予習を兼ねてテキストの音読と私のワンポイント解説を始めてから、授業内容の理解が進み、勉強がうまく回るようになりました。簡単に書いていますが、これに気が付くまでに随分苦戦しました。
記憶に刻みつけるための方法もいろいろと考えました。動植物の単元であればネットでカラー写真を探して、写真をカラー印刷し、下に名前を書いて、教科書と同じ順序で綴じていつでもパラパラみられるようにしました。ある程度覚えたら、A4用紙1枚に15程度の写真を縮小で載せて、コンパクトな状態にしました。
動物の動画や渡り鳥や野生動物の映画など、思いつくアイデアはメモして、夜中に素材を揃えました。この頃から受験が終わるまでずっと寝不足でした。
朗読と動植物のカラー素材は速攻で効果が感じられました。
■例題から全問丁寧に取り組んで基礎を作る
理科の計算問題(化学、力学、電気など)は算数に準じた進め方が効果がありました。
すなわち、例題→基本問題→発展問題、の段階を踏んでいくやり方です。ポイントは、例題の解説をこれでもかと思うくらいに丁寧に行うことです。おそらく、最初の例題を適当に扱うか、お子様によっては飛ばしているために、宿題の問題が解けないケースがあると思います。
説明箇所を一緒に読んで、穴埋めがあればその場で答えさせて、理解できていそうなら、例題をゆっくり解説します。例題は解き方が丁寧にテキストに書かれていますので、これを見ながらでいいので、ノートでも要らない紙の裏に書いて説明します。
お子様が分かるようであれば、口頭で確認したり、紙に続きを書いてもらっても構いません。
例題が理解できれば、例題を踏まえた問題も解けるはずです。目の前で解いてもらいます。解けなければもう一度例題に戻ります。
解ければ、次の例題を解説して、問題を1問ずつ丁寧に解いていきます。
例題すべての解説と問題すべてを解き終えたら、すでに返却済の復習テストを解いてみます。きちんと理解できていれば満点取れます。間違えた問題はその間違え方を確認することが非常に重要です。
■間違えの原因を見つけてメモし、テストに付箋貼り
復習テストの解き直しで問題を間違える際のパターンは、
- 単元の内容をまだ十分に理解できていない
- 計算間違い、勘違いなどの理解不足とは別の理由
が考えられます。各単元の間違えた理由を記録しておくと、後から非常に役立ちます。ノートに書いても管理が難しいので、大きめの付箋に書いて、答案用紙に貼っておくとわかりやすいです。
このやり方は、苦手科目をイチから勉強し直す時だけではなく、毎週の宿題を解く際や復習テスト対策の学習にも活用できます。
5年生までのマスターコースの授業はそれほど難しくはありません。例題を1問ずつ丁寧に理解して、類題を解き、応用問題を解いて、間違えた問題を復習テストの前日と当日にもう一度見直せば、3カ月から半年で成績は必ず上昇します。
この学習方法の難点は、保護者様にかかる負担が大きいことです。仕事でよそのお子様を教えるのであれば悠然と構えることができても、ご自身のお子様の理解が遅いと腹が立つものです。
自分の子どもの勉強を教えることは難しいからこそ、個別塾や家庭教師の先生が存在するわけです。
外注の先生の力をお借りする際の注意点は、続きの記事でご紹介する予定です。
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