■4月学校再開の指針を文科省が公表
2020年7月24日開幕予定だった東京オリンピックは、1年程度の延期が正式に決定されました。
東京都知事は、新型コロナウィルスの大規模な感染が認められた場合は、首都の閉鎖もあり得るとして、大型イベントや週末の不要な外出の自粛を要請しました。
日本国内の感染者は2千人を突破し、全世界の感染者は40万人以上、死者は2万人に迫る勢いです。
一方で、文部科学省は4月からの学校再開に向けてガイドラインを公表しました。小・中・高等学校に通うお子様がいらっしゃる場合は、学校の運営方針を把握されておくことは重要です。
中学受験を目指す5年生、6年生の保護者様に、ガイドラインの中でとりわけ注目していただきたい箇所は、欠席日数の扱いに関する項目です。ガイドラインの一部を抜粋してご紹介します。
■密閉空間・密接・近距離を高リスクと指摘
①専門家が集団感染のリスクが高いと指摘した
- 換気の悪い密閉空間
- 多くの人が密接
- 近距離での会話や発声
という3つの条件が揃わないよう対策を徹底することが重要としています。 具体的な対策として「教室などの換気の徹底」や「マスクの着用を指導すること」などを挙げています(マスクは各自で用意することが前提のようです)。
常時適切な換気ができて、周辺1メートル以上の距離をあけて人と接して会話ができる学校はないでしょう。4月からの学校生活は大丈夫だろうか、と非常に心配です。
■コロナウイルス関連の欠席の取り扱い
②児童や生徒が「感染した場合」や「濃厚接触者になった場合」には、学校は生徒に対して出席停止の措置を取ることが求められています。この項目は6年生保護者様に最もご注意いただきたいです。
濃厚接触者になった場合、感染者と最後に濃厚接触をしてから2週間は出席停止になります。
(感染しているかどうかわからない状態で)発熱などの症状がある場合、自宅で休養するように指導されます。
これらすべての欠席は、欠席日数とはせずに欠席停止扱いとして取り扱うように求められています。強制ではないようなので、該当症状が出た場合は「文部省のガイドラインに書いてあります」と出席停止扱いにしてもらうようにあらかじめ担任の先生と交渉していただくことを強くおすすめします。
特に5年生、6年生です。受験に際して欠席日数の上限を設ける私立中学校がありますので、ご注意ください。
また、基礎疾患などをお持ちの生徒さんが感染予防のために学校を欠席する場合も、欠席日数とはせずに欠席停止扱いとして取り扱うように求められています。
■基礎疾患持ちのお子様の保護者様、熟読ください
基礎疾患って何?と思われる保護者様やお子様は、おそらく基礎疾患ありに該当されないと思います。
ガイドラインでは「糖尿病、心不全、呼吸器疾患などの基礎疾患、人工透析を受けている、免疫抑制剤や抗がん剤を用いている」と記載があります。いちばん身近な基礎疾患はぜんそくですね。
常時ステロイド吸引を行っているお子様であれば、新学期早々に連絡帳などで基礎疾患持ちであることと、学校周辺やご自宅周辺で局地的・爆発的な感染が発生した時点で感染予防目的で欠席することを考えていると伝えておくとよいと思います。
処方薬は少し多めに手持ちを用意しておくと安心です。
今後、近いうちに局地的、爆発的な感染が起こる可能性が出てきました。お子様が基礎疾患をお持ちの場合は、病気が分かる書類(おくすり手帳や診断書)を用意して、万一の場合は学校にすぐに提出できるよう準備しておくと万全です。
ぜんそくから肺炎にかかると命にかかわります。他の基礎疾患も同様です。
■臨時休校による学習の遅れと修学旅行
③臨時休校による学習の遅れが出ないよう補習を行うことや家庭学習をさせるなどの対応を求めています。
これは中学受験に向けて通塾中のお子様にはあまり影響のない項目です。進学塾に通うお子様であれば、1年間、小学校の授業を全く受けなくても、小学校の学習内容が理解できないという状態にはならないと思います。
④修学旅行については、児童、生徒の心情に配慮し、当面の措置として取りやめる場合でも、中止ではにはなく延期扱いにするよう検討することが求められています。
修学旅行は命よりも大切とは思えません。むしろ、6年生の修学旅行は我が家では心待ちにする行事ではありませんでした。塾を数日間欠席しなければならず、「土日の一泊二日で行ってほしい」と心の中でつぶやいていました。
ガイドライン発表後、コロナウイルスの影響はますます強くなっています。今年は修学旅行は中止(来春までの延期)となる学校が多いのではないでしょうか。
■今年の受験生は全方向からの対策と準備を
今年受験学年のお子様は、塾や学校が突然閉鎖になる可能性を常に考えながら勉強をしなければなりません。例年の受験とはいろいろと異なる場面や条件が出てきそうです。それがどのようなものなのかは現時点では分かりません。
たとえば、通っている小学校からコロナウィルスの感染者が1人でも出たら、おそらく学校は即閉鎖になります。そして最低でも2週間は休校になるでしょう。
塾も同様です。通っている校舎から感染者が出たら大騒ぎになるでしょう。そんな時は、3月始めから2週間塾が休講となった時のことを思い出して、この時期をどのように過ごしたかを参考にしながら生活するのがよいです。
そのためにも、3月からの2週間の生活や学習、困ったこと、反省点、準備不足だったことなどを記録に残しておくことをおすすめします。
生徒だけではなく、先生や事務スタッフ、清掃スタッフ、食堂や購買ご担当、出入り業者に至るまで、1人でも感染者が出たら、学校や施設全体が閉鎖となる可能性があります。
いつ閉鎖になるか分からないので、常に万一のことを考えて準備しておけば、何も起きなかったら「よかったね」で済ませることができます。
塾や学校に対しては、本格的なウェブ授業の仕組みを立ち上げて、運営していただきたいです。
■感染予防と受験勉強の両立が最大の課題
4月からの新年度は何が起きるか全く予想のできない1年となりそうです。始業式ができるかどうかまだ確定ではありません。学校が始まっても再び休校となる可能性もあります。
あらゆる可能性を考えて準備をしておけば、万一の時に受ける影響を小さくすることができます。
私は文部省のガイドラインが発表されてから、頭の中がショートしそうになるくらいにグルグルと考え続けていました。まずは、受験生向けの欠席日数のお話をお伝えしたく、取り急ぎ本日の記事をまとめました。
基礎疾患をお持ちのお子様、保護者様は特にご注意ください。元気なお子様も保護者様もできるだけご自宅でじっと過ごされることをおすすめします。ストレスはたまりますが、自宅は安全です。
「感染予防と受験勉強の両立」が今年の最大の課題となりそうです。
最後は、日本の多くの製造メーカーであいさつ代わりに使われる言葉で締めくくります。
「ご安全に!」
今日1日、皆様がお元気で無事に過ごせますように。
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