■やる気に満ちた小学生はめったにいません
「お子様の勉強に対するやる気を引き出すにはどうすればいいでしょうか?」
「勉強やってるよ、と言うものの集中しているように見えません」
など、お子様の勉強姿勢に関するご質問はこれまでに数多くいただいております。
お子様のやる気をいつでも必要な時に引き出すことができれば、日々の学習監督はどれだけ楽になるか分かりません。
目を離せばすぐにさぼる、止まる、ほかのことを考えるお子様は多いです。複数の塾の授業を見学したことがありますが、ぼーっとしているお子様はどの教室にもいました。
全員がきりっとしていたのは、浜学園の灘中合格特訓だけです(志望校別特訓は見学したことがないので分かりませんが、灘合と同じようなメンバーが6年生になっているので、より一層きりっとしていることが想像できます)。
■大人同様、お子様もご褒美が大好きです
お子様のやる気を引き出す方法を考えるにあたり、参考になるのは大人の社会です。特に、会社や組織が構成メンバー(会社の営業マンなど)のやる気を引き出す策を考えると分かりやすいです。
いちばんよく使われる手法はインセンティブ=褒美です。目標以上の売上を達成すれば売上額に応じた臨時ボーナスが支給されたり、新規顧客獲得件数に応じた手当が支給されることはよく耳にします。
百貨店の化粧品売り場やアパレル売り場の販売担当者も、売上に応じたインセンティブを設定するところが多くあります。自分が接客したお客さんが何かを購入してくれれば売上の数%が自分の給料に反映されるのであれば、より熱心に丁寧に接客することでしょう。だから私は百貨店店員の「お似合いですよ」という言葉は信じません。
子どもの思考回路も基本的には大人と同じです。褒美があればやる気になります。
ご褒美とはお子様からすれば、とても素敵な言葉です。ぼんず君はかなり早い時期に「ごほうび、ちょだい」という言葉をどこかから聞いて、手を出しながら私に言うようになりました。教えたのは保育園の先生でしょう。
■褒美はやがてもらうのが当たり前に
お子様のやる気を引き出すにはご褒美が効果的なのは誰でも想像できることですが、ご褒美の使い方は本当に難しいです。
まず、お子様は褒美をもらうことに段々と慣れてきます。そして、褒美をもらうことが当たり前の感覚を持つようになります。
さらに、今もらっているご褒美では少ないなどと、もらっている立場にも関わらず不満を持つようになります。
そうなると褒美の効力は失われます。引き続き褒美でやる気を釣るためには、褒美の内容をよりよくするしかありません。
最初は100円玉で大喜びしていたお子様が、そのうち500円玉をもらうことが当たり前になり、やがてお札でないと喜ばなくなるのと同じです。
■我が家のご褒美制度運用事例
我が家もぼんず君のやる気を維持するためにお小遣い作戦を随分長い間続けました。
もともとの我が家はぼんず君に現金は一切渡さない主義で、必要な物があれば購入して渡すことにしていました。理由は、家の鍵、携帯電話、ピタパなど、ありとあらゆる貴重品を落としたり、失くしているからです。
それでも現金が持ちたかったぼんず君は、自分の財布に子ども銀行のお金を入れて持ち歩いていました。それを見た時に「さすがにちょっとかわいそうだな」と思い、浜学園の復習テストと連動させたご褒美制度を始めた次第です。
ルールを細かく設定して、毎回復習テストが返却されるたびに小遣い帳に金額を記載し、1週間単位で現金を渡しました。100点で100円、ベスト3入りで50円、平均点以下でマイナス50円の規則だったと思います。
4年生だと算数、国語、理科、最レ算数の4科です。全科目満点が取れるはずはなく、1週間でぼんず君が手にするご褒美は200円前後でした。
それでも、それは嬉しそうにご褒美でもらった小銭を財布に入れて、財布を振って小銭がぶつかる音をニコニコしながら聞いていました。お金を持つことがそんなに嬉しいのかと驚かされたのをよく覚えています。
■スペシャルご褒美制度も併用しました
4年生の頃に始めた復習テストのご褒美ルールだけでは、やがてぼんず君は満足しなくなりました。
そこで、公開学力テスト100傑と50傑(灘中合格特訓資格)を設けました。ご褒美はお札です。がぜんやる気になりました。小遣いをもらえるチャンスはご褒美制度しかないので、一攫千金を狙ってなんとか100傑に入ろうと必死でした。
このご褒美制度は6年生の途中でいつの間にか消滅しました。大きなテストが頻繁に実施されたことと、何よりも褒美がなくても本気で勉強を始めたからです。小遣いのためではなく、順位を上げることで頭がいっぱいになったのでしょう。また、買い食いをする余裕もなくなったのだと思います。
■中学入学後はスマホ利用権が褒美の代わり
中学入学後は級友とのお付き合いもあることから交際費名目でいくらかの小遣いを渡すようになったため、「ご褒美ちょうだい」を連発することもなくなりました。
代わりに要求されるようになったのは、スマホ利用です。自宅でのスマホ使用時間延長のために、可愛い素振りをしたり、素直なふりをしたり、ぼんず君なりにがんばっています。
スマホ端末を私が管理する限りは、日々の勉強を終わらせた後でスマホが自由に使えるという褒美が非常に有効です。今はついでにスマホを使う前にスクワットをさせています。30回1セットで使用時間5分延長。最初は10回もできなかったのに、今では2セット楽々終わらせています。
■ご褒美制度を長く生かすためのポイント
ご褒美は使い方次第でお子様のやる気を大きく引き出すことができます。
ご褒美制度の効果を長く生かすためにいくつか工夫が必要です。
- ご褒美制度の開始時期はできるだけ遅い方がよいです。
- 開始時の金額はできるだけ低い額からスタートさせます。我が家は100円でスタートさせました。
- めりはりをつけることで基本の制度を長持ちさせます。我が家の復習テスト+公開学力テストの褒美制度をご参照ください。
ぼんず君に「子ども銀行の小銭を財布に入れてたね?」と当時の話をすると、
「あーー、入れてたよ。お金持ち歩きたかったんだ。復テで100円もらったら嬉しかったよ。すぐ使ったけど」とプラスティックの赤いコインを思い出していました。
■本音ではご褒美制度には賛成できません
私の本音は、中学受験をするだけでも相当な出費が続くのに、なぜさらに小遣いをあげなければならないのか?です。
自分自身が小中高校生の時は勉強するのが好きだったので、褒美をもらわないと勉強する気にならないような甘ったれなら勉強しなくてもいい!という考え方ですが、塾の先生、個別の先生などと話をすると、
「お母さん、その考え方は古いですよ」と一様に言われます。
本当は褒美など関係なく、目標とする中学校を目指して努力してくれれば言うことないのですが、まだ小学生ですからアメの要素も必要です。
多少のゲーム感覚を入れながら、ワイワイと「今週はマイナスばっかりやんか(平均点割れが続く)」楽しくテスト勉強するための道具として、ご褒美制度をうまく使っていただきたいです。
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